海外ETF、どれがおすすめ?運用目的別に主な商品をわかりやすく解説

日本では、2012年12月の第二次安倍内閣の発足からアベノミクス相場による日経平均株価の上昇が続き、日本株への投資を検討する方も増加しています。一方で、一部の日本人投資家は海外市場にも着目している状況です。

アメリカのNYダウ工業株30種平均は、この10年で約2.75倍と上昇を続けており、直近では新型コロナウイルス感染症の拡大による下落からの復活も遂げました。このように力強い成長を見せるアメリカをはじめとした海外市場に投資する方法は様々ですが、最も手軽といえるものの一つが海外ETFの購入です。

本記事では、東京証券取引所に上場している海外ETFの概要や運用目的に応じた商品を解説します。海外ETFの購入を検討している方は参考にしてください。

※本記事はすべて2020年9月7日現在の情報を基に執筆しています。各ファンド等の最新情報はご自身にてご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 海外籍ETFの概要と分類
    1-1.海外ETFとは?
    1-2.国内籍ETFと外国籍ETF
  2. 海外ETFを購入するメリット・デメリット
    2-1.リスクを分散できる
    2-2.手軽に海外市場への投資が可能
    2-3.為替リスクがある
  3. 運用目的別海外ETF一覧
    3-1.つみたてNISA対応の海外ETF
    3-2.高配当狙いの海外ETF
  4. 海外ETFの注意点
  5. まとめ

1.海外籍ETFの概要と分類

まずは、海外ETFの意味を確認しておきましょう。とくに国内ETFとの違いについて把握することで、商品の特性を活かした運用が可能となります。

1-1.海外ETFとは?

海外ETFとは、海外の取引所に上場している海外で組成されたETF、または国内で上場しているETFのうち海外の債券や株式などを投資対象としたETFのことを指します。前者の一部は日本の市場にも上場しているものの、その大半は海外市場のみに上場しているため、東京証券取引所では取引がなされていません。

後者は、海外の債券や株式を投資対象としているものの、国内で上場しているため、東京証券取引所での売買が可能です。

1-2.国内籍ETFと海外籍ETF

国内で上場・組成されたETFを国内籍ETFといい、海外で組成されたものは外国籍ETFといいます。国内籍ETFの中にも海外株式の指数と連動するものもあれば、外国籍ETFの中にも日本国内の指数と連動するものもあります。

海外ETFは、外国籍ETFと定義されることもあります。しかし、外国籍ETFは、取引できる証券会社が限られ、売買手数料が高い傾向にあります。そのため、本記事では国内市場に上場をしている外国の指数に連動する国内籍ETFを海外ETFとしてご紹介します。

2.海外ETFを購入するメリット・デメリット

海外ETFを購入する際の主なメリットとデメリットについて詳しくふれていきます。リスク分散や日本国内に限らない市場への投資ができる点など国内ETFとは異なる特徴について把握しておきましょう。

2-1.リスクを分散できる

国内株式や債券指数と連動するETFばかりを購入した場合、日本市場のみが暴落した際にすべての資産価値が減少することになる可能性が高いといえます。他に考えられるリスクとして、例えば、日本は他の先進国と比較すると大地震のリスクがあります。また、近年では台風などの被害も増しているほか、米中関係の悪化に伴う地政学的リスクなども無視できない状況になっています。

そうした日本市場へのリスクヘッジに対して、海外ETFへの投資が有効です。日本固有の事情による市場の下落が起きても、海外ETFに合わせて投資していれば資産の減少幅を軽減できます。

2-2.手軽に海外市場への投資が可能

欧米株や新興国の株などは、一部の証券会社で購入可能ではあるものの、取引時間が日本とは異なる、銘柄の選定に関する情報が少ないなどのデメリットがあります。

対して、ETFは投資のプロであるファンドマネージャーが銘柄を選定、指数に連動して運用するため、投資家が自分で個別銘柄を選定する必要もありません。また市場に上場していることから、通常の株式と同様に取引が可能な点もメリットの1つです。

2-3.為替リスクがある

海外を投資対象とする場合に無視できないのが為替リスクです。例えば米国資産に投資するETFの場合、購入時点より米ドル円が上昇(=円安ドル高)すれば、そのぶん日本円換算の資産額は大きくなります。対して米ドル円が下落した場合には資産にマイナスの影響が生じます。

この為替リスクを回避するには「為替ヘッジあり」の商品を選ぶことがポイントですが、ヘッジコストが発生するぶん収益性が低下しやすいというデメリットもあります。

海外ETFには、通常の価格変動に加え、為替リスクがあるという点もあらかじめ注意しておく必要があります。世界経済の動向や、為替ヘッジの有無についても冷静に考えながら投資判断をしていく必要があるといえます。

3.運用目的別、主な海外ETF一覧

東京証券取引所に上場をしている海外株式、債券、リート等の指数と連動するETFを運用目的別にリストアップしました。ご自身の運用目的に合致したETF探しの参考にしてみてください。

3-1.つみたてNISA対応の海外ETF

つみたてNISAは、積立投資専用の非課税制度です。毎年40万円までの新規投資額が非課税となります。非課税投資枠は20年間で最大800万円です。

つみたてNISAの対象になる海外指数と連動する主なETFは以下となります。

名称 最低買付金額 過去1年の分配金/分配金利回り 信託報酬 連動する指数
【1554】上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本 2万2790円 37.6円/1.64% 0.264% MSCI ACWI ex Japanインデックス
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 3万9950円 46.2円/1.15% 0.165% S&P500
【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) 1万4720円 7.4円/0.5% 0.264% MSCIエマージング・マーケット・インデックス

※最低買付金額は2020年9月4日現在

3-2.高配当狙いの海外ETF

分配利回りが年率3%を超える、もしくは過去に超えたことがある海外ETFをピックアップしました。利回りや分配金は投資を行う際の判断材料の1つとなります。

名称 最低買付金額 過去1年の分配金/分配金利回り 信託報酬 連動する指数
【1495】上場インデックスファンドアジアリート 9万6600円 436.2円/4.51% 0.71% FTSE EPRA/NAREIT アジア(除くREIT)
【2515】NEXTFUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 8740円 30.3円/3.16% 0.187% S&P先進国REIT指数(除く日本)
【1556】上場インデックスファンド新興国債券 4万4450円 2,416円/5.43% 0.495% ブルームバーグ・ガークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップインデックス

※最低買付金額は2020年9月4日現在

4.海外ETF購入の注意点

海外ETFには、国内ETFのリスクヘッジになる、成長が見込める海外企業への投資が容易になるなどのメリットがあります。しかし、為替リスクのほか、様々なリスクも無視できません。

海外ETFであっても、世界的な地政学的リスクのヘッジにはなり得ません。2020年3月初頭の新型コロナウイルス感染症ショック、2008年9月のリーマンブラザーズの破綻によって引き起こされたリーマン・ショックなどの暴落相場では、指数連動の海外ETFは軒並み暴落しています。異なるアセットクラスへの分散投資を心がけることが大切です。

また、投資先の国々特有のリスク(カントリーリスク)が発生することもあります。カントリーリスクには、法律や制度の改正、軍事クーデターや戦争、地震や洪水といった自然災害の発生など様々なものがあります。投資前はもちろん、定期的に国際情勢などに関する情報収集も行うようにしておくと良いでしょう。

まとめ

海外指数との連動を目指す海外ETFの中には、日本のETFよりも高い配当が期待できるものもあります。また、日本市場への投資のヘッジともなり得ることから、投資対象とする方も少なくありません。しかし、海外ETFには為替リスクやカントリーリスクなどが存在しており、国際情勢などに関する定期的な情報収集を行うことが大切です。

これらのリスクを理解した上で、海外市場への投資を検討している方は、国内市場に上場している海外ETFへの投資の検討を進めてみてはいかがでしょうか。

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鈴原 千景

鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。