空き家とマンションに小口投資できる「FANTAS funding」の特徴とリスク

2018年11月から不動産投資型クラウドファンディングサービスを提供している『FANTAS funding』。このサービスに投資を検討しているという方もいらっしゃるかと思います。そこで、FANTAS fundingに投資するメリットやリスクなど、その特徴を取り上げてみました。

目次

  1. FANTAS fundingとは
    1-1.空き家の再生などが事業の中心
    1-2.FANTAS fundingの運営元は
  2. FANTAS fundingの特徴
    2-1.1万円からの投資が可能
    2-2.期待利回りは8~10%程度
    2-3.空き家対策など、社会貢献ができる
    2-4.価格下落リスクの20%まではFANTAS fundingが負う
    2-5.案件ごとに物件情報がチェックできる
  3. FANTAS fundingのデメリットやリスク
    3-1.資産価値の下落に伴うリスクが有る
    3-2.売れない場合も想定しなくてはいけない
    3-3.不動産市場の不安定さ
    3-4.案件の終了時までお金が入ってこない
  4. まとめ

1.FANTAS fundingとは

まず、FANTAS fundingの全体的な特徴として、サービスの運営会社について確認しましょう。

1-1.空き家再生などが事業の中心

FANTAS fundingがサービスを開始したのは2018年11月。FANTAS fundingは、不動産特定協同事業法に則り、投資家から集めたお金で不動産を購入して、物件の運用収益や売却益を投資家に分配する不動産投資型クラウドファンディングという形態になっています。投資家から集めたお金を事業者に融資するソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)と似ていますが、管轄の省庁や情報開示レベル、利回りの水準など、様々な点で異なります。

扱っている案件は、都内のワンルームマンションや郊外の空き家物件などが中心になっています。

1-2.FANTAS fundingの運営元は

このFANTAS fundingの運営元は、株式会社FANTAS technologyです。

会社概要は以下のようになっています。

社名 FANTAS technology株式会社
英語表記 FANTAS technology, Inc.
資本金 1億円
設立 2010年
事業内容 クラウドファンディング事業
WEBメディア事業

FANTAS technologyは、これまで投資用マンションの売買を中心に手がけてきた会社で、その強みとtechnologyを掛け合わせて、昨年に不動産投資クラウドファンディングへと参入しました。

2.FANTAS fundingの特徴

では、投資先としてのFANTAS fundingの特徴を見ていきましょう。

2-1.1万円からの投資が可能

FANTAS fundingの最低投資金額は1万円となっています。ソーシャルレンディングと同等の低い金額からの投資が可能であり、毎月の収入が多くない人、貯金が多くない人でもコツコツと投資していくことが可能です。

自分のペースに合わせた投資が可能であり、資産が少ない人でも投資しやすいサービスと言えるでしょう。

2-2.期待利回りは8~10%程度

2018年3月時点で主な不動産投資型クラウドファンディングとしては、GA technologiesが運営しているRenosy、ブリッジシーキャピタルが提供しているCREALなどがあります。

Renosyの利回りは8%と高い水準にあるものの、案件数は少なく、2018年8月からの半年間で提供した案件は10件未満です。また、投資は抽選であるため、タイミングが合わなければ、なかなか投資ができないこともあります。

一方、CREALは2018年12月に運営を開始。数億円単位の案件もあるなど、投資機会にはなかなか恵まれていますが、利回りは4%から5%の間になっています。

FANTAS fundingの1案件あたりの募集金額は、2,000万円前後とあまり大きくありませんが、利回りが8~10%と高い水準に設定されています。この利回りの高さを魅力に感じる方もいるでしょう。

2-3.空き家対策など、社会貢献ができる

現在の日本は郊外地域の人口減少により、数々の空き家が発生しています。FANTAS fundingでは、そんな空き家になった戸建物件を購入してリノベーションを実施し、投資用物件として再生する事業を行っています。

「空き家を減らして地域を活性化させたい」そういった想いを込めて投資し、収益を得ながら社会貢献ができるのもFANTAS fundingの特徴の一つです。

2-4.価格下落リスクの20%まではFANTAS fundingが負う

FANTAS fundingでは、投資金の損失額のうち、割合にして20%までをFANTAS technologyが負う『優先/劣後システム』を取っています。

FANTAS technologyが投資総額の20%分を劣後出資することで、価格が下落した場合はまずFANTAS technologyが損失を負い、その後に20%を超える損失分のみ投資家が負担します。


引用:FANTAS funding公式サイト

このシステムによって元本割れのリスクが軽減されます。資産価値の大幅な下落が発生しない限り、投資家の元本が損失を受ける可能性は低くなると言えます。

2-5.案件ごとに物件情報がチェックできる

なお、各案件には物件の住所まで詳細に記されているため、不動産の実態と取引価格などを確認してから投資をすることができます。

例えば、FANTAS check(中古不動産流通)PJ 第14号について、住所をもとにSUUMOで同物件の家賃をチェックしたところ、10万円で22.26㎡の部屋が募集中でした(2019年2月28日調査)。案件で提示されている部屋はそれより若干面積が狭いことを考慮しても、8~10万円ほどの家賃が期待できるでしょう。

約1,800万円の物件で、年間96万円の家賃収入が得られれば、表面利回りは5.33%。東洋プロパティによる2018年10月調査によると、渋谷区を含む城南地区における築浅中古ワンルームマンションの平均利回りは4.4%でした。そのことを踏まえると、渋谷区内の築15年前後の物件としては妥当な数字と言えるのではないでしょうか。この1,794万円という募集金額は、相場との乖離がそれほどないと言えるでしょう。

3.FANTAS fundingのデメリットやリスク

次に、FANTAS fundingのデメリットやリスクを確認してみましょう。

3-1.資産価値の下落に伴うリスクが有る

FANTAS fundingは不動産を専門に取り扱っています。元本は保証されておらず、不動産の価値が下落すれば投資家は損失を負う可能性があります。都内の不動産であれば需要が高いため、資産価値の大幅な下落は起こりにくいかもしれませんが、空き家物件の場合は安定した需要があるわけではないため、場合によってはほとんど値段がつかないことも考えられます。

FANTAS fundingでは案件ごとに不動産の実態は確認できますが、案件の運用終了時に想定通りの価格で売れる保証はありません。

3-2.売れない場合も想定しなくてはいけない

また、不動産がいつ売れるという保証もありません。立地にもよりますが、例えば築年の古い空き家物件の購入希望者が簡単に見つからないということもあり得ます。

不動産が売却できるまで投資家は資金を回収できないため、予定されていた運用期間終了後も元本が戻ってこない返済遅延が起きる可能性があります。従って、資金の拘束期間が長くなる可能性も考慮に入れておきましょう。

3-3.不動産市場の不安定さ

FANTAS fundingの案件は不動産に集中しているため、リスクとして不動産市場の影響を直接的に受けます。リーマンショック時に不動産価格は大きく下落しましたし、2018年に発生したスルガ銀行などの不正融資の事件などの影響もあり、2019年2月現在、金融機関の個人投資家への融資金額は減少傾向にあります(参照:全国銀行協会「預金貸出金速報など」)。

こういった要因を受けて不動産が売れにくくなれば、不動産価格が下落する可能性もゼロではありません。FANTAS fundingに投資を行うと、不動産市場の影響に資産価値が左右されるリスクを負うことになります。

3-4.案件の終了時までお金が入ってこない

FANTAS fundingは、ソーシャルレンディングのように分配金が毎月支払われる仕組みになっているわけではありません。基本的には、利回りに応じて得られた投資家の利益が、運用期間の終了後に元本と一括して返済されます。そのため、毎月発生した分配金をすぐに投資にまわしたいと考える方には向いていません。

元本と分配金の受取後、その額を全て他の案件に再投資することで複利投資は可能ですが、案件の運用が終了するまでに分配金が入らないのは、積極的に投資で資産を拡大したいと考える方にとってはデメリットと言えるでしょう。

まとめ

FANTAS fundingは不動産投資型クラウドファンディングであり、投資対象となる不動産の実態を確認してから投資を判断することができます。その点は、融資先の情報がほぼ開示されないソーシャルレンディングにはないメリットであると言えます。

また、他の不動産投資型クラウドファンディングサービスに比べると利回りの水準は高い傾向にあります。一方で、物件が想定通りの価格で売れなかったり、売却まで予定以上に時間がかかってしまい、返済遅延に繋がったりするリスクも存在しています。

FANTAS fundingに投資を検討される場合には、まず物件情報を確認し、物件の資産価値は適切に評価されたものなのか、売れる見込みがあるのかなど、その物件の賃料や類似物件の価格相場などを調査して判断することが必要となります。

利回りが高い案件には相応のリスクもありますので、リスク管理をきちんと行うことを前提に案件の検討を進めてみて下さい。

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