ETFに積立投資する方法は?メリット・デメリットや具体的なサービスも

投資信託の積立投資は多くの証券会社でサービスが提供されており、馴染みがある方もいるかと思いますが、投資信託の1つであるETFも積立投資ができるのをご存じでしょうか。ただし、投資信託と異なるのは、積み立てる方法が限られるということです。

今回は、ETFに積立投資をする方法やサービスについて紹介します。また、ETFを積立投資するメリット・デメリットについても解説しますので、参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ETFとは
    1-1.ETFと投資信託の違い
  2. ETFを積立投資するメリット
    2-1.少額から積立投資ができる
    2-2.信託報酬コストを抑えられる
    2-3.リアルタイムの価格で売買可能
  3. ETFを積立投資するデメリット
    3-1.元本割れを起こす可能性がある
    3-2.ETFが上場廃止になる可能性がある
    3-3.毎月定額で積み立てることが難しい
    3-4.分配金は自動的に再投資されない
  4. ETFを積立投資する方法
    4-1.株式累積投資(るいとう)でETFを積み立てる
    4-2.自動積立サービスを利用する
    4-3.ロボアドバイザーを利用する
    4-4.自分でETFを積み立てる
  5. まとめ

1.ETFとは

ETFとは「Exchange Traded Fund」の頭文字を取った略称で、日本語で「上場投資信託」のことを指します。ETFは証券取引所に上場している投資信託で、株式取引と同じように値動きを見ながらリアルタイムで自由に売買できるという特徴があります。

ETFの銘柄にはさまざまなものがありますが、どの銘柄も日経平均株価やTOPIXなどのような指数(ベンチマーク)に連動するように運用されます。そのため、ETFを購入することで分散投資ができるというのがETF投資のメリットの1つとなります。

1-1.ETFと投資信託の違い

ETFも投資信託の1つであり、運用の専門家にお金を預けて、代わりに資産を運用してもらうということに変わりありません。ただし、ETFと投資信託には下記のような違いがあります。

比較項目 投資信託 ETF 株式
上場・非上場 非上場 上場 上場
取得価格 1日1回算出される基準価額 リアルタイムで変動する市場価格 リアルタイムで変動する市場価格
注文方法 販売会社経由で基準価額をもとに購入価額を算出し購入 証券会社経由で市場にて指値・成行注文で購入 証券会社経由で市場にて指値・成行注文で購入
信託報酬 一般的にETFより高い 一般的に投資信託より安い なし
売却・解約時費用 信託財産留保額・換金手数料など掛かる場合あり 市場売却時の売買委託手数料 市場売却時の売買委託手数料

また、ETFは株式取引との共通点が多いのも特徴で、信託報酬の有無以外はほぼ同じ性質を持っているといえます。

2.ETFを積立投資するメリット

ETFを積立投資するメリットには下記のポイントが挙げられます。

  • 少額から購入できる
  • 信託報酬コストを抑えられる
  • リアルタイムの価格で売買可能

2-1.少額から購入できる

ETFは少額から購入できるというメリットがあります。

日本取引所グループ(JPX)によると、2021年4月現在でETF銘柄は243あります(国内・外国ETF含む)。その半数以上が10,000円以下で購入することができ、安いものなら数百円で購入できる銘柄もあります。

まとまった資金が必要になるわけではなく、余裕資金から気軽に購入できます。

2-2.信託報酬コストを抑えられる

ETFの積立投資では、信託報酬コストを抑えられるというメリットもあります。

投資信託を保有する場合は、信託報酬が必ず発生します。信託報酬は、投資信託に組み入れる銘柄の事前調査や選定、実際に運用に掛かる費用や人件費などから発生するコストです。

ETFでは、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するように銘柄が構成されているため、銘柄の調査に掛かる費用を抑えられるほか、販売会社への報酬が必要ないため、信託報酬が低くなるという特徴があります。

信託報酬が低いほど、運用コストの負担を減らすことができるため、ETFは長期的な運用に適しているともいえます。

2-3.リアルタイムの価格で売買可能

ETFは、証券取引所に上場しているため、株式やFXなどと同じようにリアルタイムの価格で売買できるというメリットがあります。価格が安いときに購入して、値上がりしたところで売却して売却益を得るといった取引もできます。

また、相場の状況に応じて、価格が高いときには購入口数を減らす、低いときには購入口数を増やすといった方法で、購入口数をコントロールして効率的に積立投資を行うこともできます。

3.ETFを積立投資するデメリット

一方で、ETFを積立投資する場合は下記のデメリットがあります。

  • 元本割れを起こす可能性がある
  • ETFが上場廃止になる可能性がある
  • 毎月定額で積み立てることが難しい
  • 分配金は自動的に再投資されない

3-1.元本割れを起こす可能性がある

ETFの積立投資では元本割れを起こす可能性があるのがデメリットとなります。

先述した通り、ETFは日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するように運用されます。下げ相場によって指数が下落することで、市場価格も連動して値下がりする可能性があります。元本割れを起こすリスクは避けられませんので注意しましょう。

3-2.ETFが上場廃止になる可能性がある

ETFが上場廃止になる可能性があるというのも、ETF積立投資のデメリットです。

「継続して6ヶ月以上、指定参加社が2社未満となっているとき」「ETFの一口当たりの純資産額と特定の指標の相関係数が0.9未満になった場合において、1年以内の0.9以上にならないとき」など、いくつかの条件を満たした場合に、ETFの上場が廃止されることがあります。

保有しているETFの上場が廃止された場合、整理銘柄に指定されます。投資家は整理銘柄に指定された1ヶ月間で保有するETFを売却してポジションを手仕舞いすることになります。

整理銘柄の期間内は、投資家が一斉に売却することで価格が急落することがあり、想定している価格で売却できない可能性があるため注意が必要です。最終的に信託終了日の価格にて繰り上げ償還されることになりますが、買取価格は信託終了日の基準価額となり、元本毀損の可能性があります。

また、ETFが上場廃止になった場合は、長期運用が中止されてしまうことになるため、新たなETF銘柄を選定する、投資対象を変更するなどの対応が必要になります。

3-3.毎月定額で積み立てることが難しい

ETFの積立投資は、毎月定額で積み立てることが難しいというデメリットがあります。なぜなら、ETFは取引単位が口数となることに加え、市場で価格が常に変動しているからです。

そのため、積立投資を行う場合は、予算の範囲内で購入する口数を調整する必要があります。ただし、後述するサービスを利用した場合は、毎月定額でETFを積立投資できますので、利用を検討してみるのもいいでしょう。

3-4.分配金は自動的に再投資されない

ETFの分配金は自動的に再投資されないというのも、積立投資を行う場合のデメリットといえます。

ETFは定期的な決算を迎えたのちに、利益や配当を分配金として現金で支払う仕組みになっています。一般的な投資信託の積立では、分配金を再投資するよう設定できるケースがあり、積立資金と分配金の再投資による複利運用が可能です。

ETFで分配金を再投資したい場合は、基本的には自動的に再投資ができないため、利益に応じて自分でETFを購入する必要がありますので注意しましょう。

4.ETFを積立投資する方法

ETFを積立投資するには下記の方法があります。

  • 株式累積投資(るいとう)でETFを積み立てる
  • 自動積立サービスを利用する
  • ロボアドバイザーを利用する
  • 自分でETFを積み立てる

4-1.株式累積投資(るいとう)でETFを積み立てる

株式累積投資(るいとう)を行うことで、ETFの積立投資を行うことができます。株式累積投資とは、毎月定額で株式を購入する投資方法のことで、1銘柄につき毎月1万円以上1,000円単位の定額で同じ銘柄を買い付けます。

るいとうサービスを提供している証券会社のうち、野村證券SMBC日興証券などではETFでの累積投資にも対応しています。少額から投資を始められることや、定額での積立投資であるため、ドルコスト平均法を生かした効率的な投資ができるなどのメリットがあります。

一方で、るいとうを扱う証券会社は少なく、基本的には支店取引が可能な証券会社以外では利用できません。取引を支店またはコールセンター経由で行うため、ネット証券と比較して手間が掛かるというデメリットがあります。

また、大手証券会社での取引となるため、取引手数料が割高になるデメリットにも注意したいところです。

4-2.自動積立サービスを利用する

ネット証券の自動積立サービスを利用することで、ETFの積立投資が可能です。

マネックス証券の「マネックスアドバイザー」では、高度な金融工学理論やマーケットの専門家によるサポートを受けながら、毎月定額でETFを積み立てることができます。またSBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」では、米国ETF全銘柄を定期的に買い付けることができます(※1口単位での取引)。

ただし、マネックスアドバイザーの利用においては、運用銘柄残高の0.33%に相当する金額が助言報酬となります。

米国株式・ETF定期買付サービスでは、手数料は通常取引と同じになり、NISA預かりでの買付や対象銘柄の買付では手数料が無料になりますが、設定内容によっては手数料が割高になるケースもあります。

4-3.ロボアドバイザーを利用する

対象銘柄にETFが含まれるロボアドバイザーサービスを利用すれば、ETFの積立投資が可能です。「WealthNavi(ウェルスナビ)」「THEO+(テオプラス)ドコモ」「FOLIO ROBO PRO」などのロボアドバイザーサービスでは、海外ETFが対象銘柄となっています。

運用を一任できるため、投資経験や知識が少なくても利用しやすいことや、分散投資効果が高いことがロボアドバイザーサービスを利用するメリットです。また、少額から資産運用を始められるというのも、ロボアドバイザーサービスの特色といえます。

一方で、投資経験が身につきにくいことや元本割れのリスクがあることがデメリットとなります。

4-4.自分でETFを積み立てる

既出のサービスを利用せず、自分でETFを積み立てることも可能です。ETFは1口単位や10口単位で購入できるため、少額での積立投資がしやすい金融商品です。積立投資のための予算を決めて、その範囲内で価格と相談しながらETFの買付を行いましょう。

分配金を再投資することで資産の複利運用が可能です。サービス利用時に比べて買付の手間が掛かってしまうのがデメリットといえます。

まとめ

今回はETFに積立投資を行う方法やメリット・デメリットについて紹介しました。

ETFは少額から購入でき、運用コストも低いため、長期的な運用に向いていますが、通常は毎月定額での買付が難しく、分配金を自動で再投資できないなどのデメリットがあります。

ETFの積立投資を行う場合は、証券会社などが提供する株式累積投資サービスや自動積立サービス、ロボアドバイザーサービスの利用を検討してみましょう。また、自分で毎月ETFを購入することで積立投資を行うことも可能ですので、自分に合った方法を探してみるといいでしょう。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。