DXで注目の上場企業は?DX関連ファンドに投資するメリットと注意点、主な銘柄紹介も

DX(デジタルトランスフォーメーション)の概念は、未来の社会インフラを構築する上で欠かせない考え方です。スマートシティの実現や働き方改革、労働環境の改善、生産性向上に向けて、DXは欠かせないインフラ基盤となります。社会のDX化が進むにつれて、DXに積極的に取り組んでいる企業への投資も活発になるでしょう。

この記事では国内のDX関連銘柄の紹介と、投資にあたってのメリットと注意点を紹介しています。DX関連銘柄のファンドに興味がある方はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. DX抜きには語れない今後の世界
    1-1.社会インフラから新しいビジネスモデルまで
    1-2.DXで出来るようになること
    1-3.DXで推進されるスマートシティとは
  2. 国内の主なDX関連企業
    2-1.DXグランプリ2021
    2-2.DX銘柄2021
  3. DX関連ファンドへ投資する理由
    3-1.テクノロジーの進化とともに需要が高まる
    3-2.DXに取り組む企業の優位性 生産性、競争力強化
  4. DX関連ファンドへ投資する際の注意点
    4-1.大型株投資と同じにならないように
    4-2.企業毎の取り組みを確認する
  5. DXをテーマとしたファンド
  6. まとめ DX関連銘柄は具体的な取り組みや成果に注目

1.DX抜きには語れない今後の世界

総務省ではDXの定義を「ITの浸透によって人々の生活をあらゆる面でより良い方向へ変化させる」としています。国として社会のDX化を進める方針を打ち立ててしばらく経ちますが、今後も順調にDX化の流れが加速するでしょう。

DXが社会に及ぼす影響として、以下の2点を考察しました。

1-1.社会インフラから新しいビジネスモデルまで

DXを取り入れた社会インフラの改善はすでに進められており、主な分野は行政、暮らし、労働環境の3つとなっています。主な改善点として以下3点をピックアップしました。

  1. 行政サービスの簡素化
  2. 暮らしの手続きの簡素化とサービス向上
  3. 労働環境の改善と変化

参考:国土交通省のレポート

今までは様々な手続きに対して面倒な作業が発生していた日本社会でしたが、DX概念の浸透によって大きく社会構造が変化する局面を迎えています。DXによる社会変革に伴って、あると便利だな、と思うサービスを具現化するビジネスの誕生も期待されます。

1-2.DXで出来るようになること

DXで実現できることは多岐にわたりますが、基本となるものは、業務の効率化、暮らしの手続きの簡素化が挙げられます。今まで人の手で行っていた危険な仕事を、機械に任せることも可能です。

DX化によって実現できることを、以下4点ピックアップしました。

  1. 業務内容の自動化
  2. AR技術による技術伝承
  3. 監視の無人化
  4. スマートシティ構想の推進

DXの概念はAIや機械学習の技術と深く関連しており、製造業では生産ラインの監視、検品にAIや機械学習の技術が投入されています。技術やスキルの継承として技術者のノウハウをデータベース化し、体験型のマニュアルとしてAR技術を活用している企業もすでに存在しています。

スマートシティの中に生きるDXの概念は、デジタル庁の誕生により更に加速することが予想されており、マイナンバーカードや運転免許証は近い将来電子化され、より行政手続きの簡素化が進むと見られています。

しかし現状、例えば一部の自治体では有料ゴミ袋のクレジット払いや電子マネー、バーコード決済に対応していないなど、これから改善に手をつけなければならない部分は非常に多く、課題となっています。

1-3.DXで推進されるスマートシティとは

スマートシティとはDXの概念を元にITやAIの技術を街中に取り込み、より便利に生活できる街を目指す構想です。様々なサービスをネットワークの活用によってシームレスに接続する点がポイントです。

スペインのバルセロナ市ではWi-Fiネットワークを使い、スマートシティ化を進めています。主な事例として、以下のような取り組みを実施しています。

  1. Wi-Fiを使い市中のゴミ箱の空き状況を把握
  2. 位置情報検知やIPカメラによる不審者の検出
  3. 市中の駐車場の空き状況をWi-Fiにより提供

IOTとWi-Fiを組み合わせたスマートシティ化の事例です。日本でも公衆Wi-Fiを提供している自治体が増えており、近い将来Wi-Fiなどのネットワークを通して手元で様々な街の情報が確認できるようになるでしょう。

2.国内の主なDX関連企業

経済産業省では以下の項目を元にDXに積極的に取り組んでいる企業をピックアップしています。評価項目は以下の通りです。

  1. 経営ビジョン・ビジネスモデル
  2. 戦略
  3. 戦略実現のための組織・制度等
  4. 戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
  5. 成果と重要な成果指標の共有
  6. ガバナンス

デジタル技術を具体的な戦略をもって企業運営に取り組み、「実際に運営できているか」「改善、評価を行っているか」という点が見られています。

2-1.DXグランプリ2021

DX銘柄の中でも特に優れた取り組みを行った2社がグランプリに選出されています。

株式会社日立製作所(電気機器)【証券コード6501】

日立製作所では、自治体が取り組むDX化を自社のシステムにより具現化する「自治体DX」を進めてきました。自治体が重点的な課題とするDX化には以下のような内容が挙げられます。

  1. 自治体の情報のデータベース化
  2. 行政手続きのオンライン化
  3. 自治体のAI,RPA化の促進
  4. テレワークの促進

以上の課題を解消するため、日立グループでは、自治体DXの取り組みとして以下のテーマを掲げました。

  1. 住民手続きのデジタル化
  2. 職員環境のデジタル化
  3. 地域間連携でのデジタル化
  4. 自治体DXの推進基盤整備

以上のテーマを軸に、階層ごとに重点取組事項が設定されています。自治体の課題を日立グループのテクノロジーと製品を使い、改善を進めていく壮大な計画が評価され、2021年のグランプリとなりました。

SREホールディングス株式会社(不動産業)【証券コード2980】

SREホールディングスはクラウドとAIのコンサルティングと不動産業を手掛ける会社で、不動産に大胆にDXを取り入れたことが評価されDXグランプリに選ばれました。

顧客から不動産の情報を取得し、AIソリューションをもって物件の仲介を行っています。従来の人が介在する不動産仲介の世界は、DXの進化により一変する可能性があります。現在の仲介手数料も作業が全て自動化されると今よりは安くなるかもしれません。不動産のDX化は消費者側にも大きなメリットをもたらすでしょう。

2-2.DX銘柄2021

その他にもDX推進企業が挙げられています。以下では2社を紹介します。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス(小売業)【証券コード:3382】

セブンイレブンのレジは他の大手コンビニと比べてセルフレジの導入などが遅れていましたが、最近では導入する店舗も増えてきており、本格的にDX化に取り組む姿勢が見えています。

株式会社セブン&アイ・ホールディングスでは、商品流通の範囲からよりDX化を進めていく方針で、在庫の過不足なくいつも安定した商品供給を目指すとしています。

東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8616】

中堅証券会社の東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社は、フィンテック分野でのDX化が評価され、DX銘柄に選出されました。DX銘柄に選ばれた証券会社は東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社だけです。

主な成果としては、フィンテックプラットフォームとして、お金のWEBコンテンツやスマホ専業証券への取り組み、ブロックチェーンを活用したサービスの拡充が挙げられます。中堅証券会社でありながら、先進技術のブロックチェーンをサービスへ活用する取り組みが注目されています。

3.DX関連ファンドへ投資する理由

DX関連ファンドへの投資が注目される主な理由を2つの点から解説します。

3-1.テクノロジーの進化とともに需要が高まる

社会インフラのDX化が進むにつれて、DXに関連する企業の活躍の場はますます範囲を広げていくでしょう。とくにスマートシティ化にともなう関連コンテンツはプロダクト化がしやすく、生活に直結する家電やライフハック系のサービスが数多く誕生しています。

関連銘柄については、自治体のDX化のように大きなプロジェクトに参加している企業もあり、投資対象の候補にあがるでしょう。

3-2.DXに取り組む企業の優位性 生産性、競争力強化

DXにいち早く取り組んでいる企業は、取り組みが遅れている企業に比べて高い生産性を維持し、競争力を強化することができます。

DX化は今後企業が取り組むべき課題として重要なテーマです。企業間の競争は常に熾烈なものですが、DX化へ取り組む姿勢と成果は競争を勝ち抜くために必要な要素です。

4.DX関連ファンドへ投資する際の注意点

DX関連ファンドは運用にあたって注意すべき点もあります。以下2点について解説します。

4-1.大型株投資と同じにならないように

販売用資料や目論見書を確認すると、従来からある大型株投資とあまり変わらない投資信託もあります。大企業が中心となってDXに取り組んでいるため、DXをテーマとしたファンドは大型株ファンドと同じ傾向になりがちです。

しかし大企業以外にも、テクノロジーを駆使して先進的なDX化に取り組んでいる企業も存在します。DX関連ファンドを選ぶ時は、構成銘柄および実際の取り組みと成果を見たほうが良いでしょう。

4-2.企業毎の取り組みを確認する

先述した経済産業省のDXグランプリの詳細が記載されているWEBページにて、DX化に積極的に取り組んでいる企業がラインナップされています。名前が知れ渡っている大企業が中心となっていますが、気になる企業があれば同サイトにてDX化への取り組みを確認してみましょう。

具体的な計画や成果まで詳細にレポートされている企業は、DX化が着実に進んでいるとみて良いでしょう。DXグランプリに選ばれている企業はすでに色々な分野でDX化を進めており、世の中の流れを知る上でも興味深い計画や成果が掲載されています。

5.DXをテーマとしたファンド

SBI証券でDXをテーマとして扱っているファンドを、純資産額の順に上から5つピックアップしました(情報は2021年9月14日時点)。

DX関連のファンドは新しくスタートしたものが多く、1年以上のトータルリターンが計算されているファンドは一つしかありませんでした。

トップ5は全てグローバルタイプのファンドで、構成銘柄を確認するとECサイトやビデオ会議に使うZOOMなど、非接触をテーマとした銘柄が取り入れられています。現状ではDX関連と感染症対策関連の銘柄で構成されています。

DX関連のファンドを調べる時の注意点として、検索するとDX(デジタルトランスフォーメーション)ではなくDX(デラックス)の意味で運営しているファンドも出てくる点です。内容はしっかり確認しましょう。

ファンド名 純資産(百万円) 基準価額 騰落率/トータルリターン(6ヶ月)
日興-デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド (愛称:ゼロ・コンタクト) 622,132 13,742 -3.44%
三井住友DS-グローバルDX関連株式ファンド(資産成長型) (愛称:The DX) 94,456 14,228 10.36%
三井住友DS-グローバルDX関連株式ファンド(予想分配金提示型) (愛称:The DX) 51,419 11,443 10.58%
UBS-UBSグローバルDX株式ファンド(資産成長型) 7,834 12,972 12.23%
UBS-UBSグローバルDX株式ファンド(予想分配金提示型) 1,894 11,216 12.02%

まとめ

DX関連ファンドを検討する時は、ファンドの月次レポートや販売用資料を確認の上、構成銘柄の企業がどのようにDX化に取り組み、現在どのような成果が出ているのか、確認しておきましょう。

IT関連のニュースをチェックしておくと、海外のDX関連の話題を確認できますし、国内企業のDX関連の話題はIT関連ニュースの他にも、経産省のサイトで詳しく確認できます。DX関連のファンドに関しては、投資先を探すと同時に最新テクノロジーの動向にも詳しくなれますので、そのような点でも興味深い投資先です。

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sayran

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「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。