ブロックチェーン関連の投資信託の運用成績や信託報酬は?【2022年4月】

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ブロックチェーン技術は近未来の新しい金融システムや、デジタル承認システムに活用できるとされており、金融や承認システムへの部分的な導入を世界各国で実施中です。

当記事では、ブロックチェーン関連のファンドの概要を説明しています。また、ブロックチェーンを取り巻く背景を確認し、投資意義についても解説しています。ブロックチェーン技術への投資に興味がある方はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。
※2022年4月1日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. ブロックチェーン関連のファンド
  2. ブロックチェーン関連ファンドの概要
    2-1.次世代金融テクノロジー株式ファンド
    2-2.インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド
  3. ブロックチェーンとは?ブロックチェーン技術の活用
    3-1.障害が起きにくくデータ改ざんに強い
    3-2.ビットコインとブロックチェーン
    3-3.世界や国内での活用事例
  4. 投資対象としてのブロックチェーン技術
    4-1.将来性が見込まれるブロックチェーン技術
  5. まとめ

1.ブロックチェーン関連のファンド

ブロックチェーン関連のファンド概要を以下にまとめました。

ファンド名 基準価額 純資産 信託報酬 トータルリターン/1年 トータルリターン/3年 シャープレシオ/1年
SOMPO-次世代金融テクノロジー株式ファンド 16,149円 5,872百万円 1.793% -12.39% 11.60% -0.73
インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド 26,887円 20,450百万円 1.573%以内 -20.27% -0.73

※数値は2022年4月1日時点
※SBI証券取り扱いのファンドより抜粋

ブロックチェーンに限定したテーマを取り扱っているファンドは2本と、現状では多くありませんでした。

投資家の注目はブロックチェーンを用いた暗号資産(仮想通貨)への投資に向けられており、個人投資家のブロックチェーン技術への注目度は高くないと言えるでしょう。

2.ブロックチェーン関連ファンドの概要

ブロックチェーン技術へ投資する2つのファンドの概要を詳しく見ていきましょう。

2-1.次世代金融テクノロジー株式ファンド

次世代金融テクノロジー株式ファンドは、SOMPOアセットマネジメントが運営するファンドです。金融とテクノロジーの融合によって生まれる新しい金融サービスを提供する企業へ投資します。また、ブロックチェーン技術を活かしたサービスに欠かせない技術や製品を提供する会社も投資対象としています。

ニューバーガー・バーマン株式会社の投資助言に基づき、SOMPOアセットマネジメントが直接運用を行います。

2022年2月末発行の月次報告書によると、銘柄構成は7割が米国企業となっており、その他、日本を始めとするアジアの企業が続いています。同月次報告書に記載されている組入銘柄の上位10社は以下のとおりです。

  1. ブロック(アメリカ)
  2. NAVER(韓国)
  3. ブラックナイト(アメリカ)
  4. ADYEN(オランダ)
  5. WEX(アメリカ)
  6. EQUINIX(アメリカ)
  7. インターコンチネンタル取引所(アメリカ)
  8. トランスユニオン(アメリカ)
  9. SBIホールディングス(日本)
  10. ナイスインフォメーションサービス(韓国)

金融業を営む会社や、取引所など、情報サービス系の会社が組入銘柄上位を占めていました。日本からは、暗号資産の取引所をもつSBIホールディングスが9番目にランクインとなっています。

ファンドマネージャーによると、引き続き金融テクノロジーの開発、運用に積極的な姿勢を見せる企業に積極的に投資すると報告されています。また、ブロックチェーン関連の技術やサービスを提供する企業を中心に投資を続けていく方針が明示されていました。

2-2.インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド

世界ブロックチェーン株式ファンドはインベスコ・アセット・マネジメントが運営するファンドです。コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックスをベンチマークとし、連動する運用成績を目指します。

組入銘柄は国内外のブロックチェーン関連株式です。2022年2月末発行の月次報告書によると、銘柄構成や組入銘柄は、米国が3割、日本が2割強となっていました。同月次報告書にて記載されていた組入銘柄の上位10社は以下のとおりです。

  1. カカオ(韓国)
  2. SBIホールディングス(日本)
  3. 台湾積体電路製造(台湾)
  4. マネックスグループ(日本)
  5. GMOインターネット(日本)
  6. コインベースグローバル(アメリカ)
  7. ビットファームズカナダ(カナダ)
  8. スタンダード・チャータード(イギリス)
  9. CMEグループ(アメリカ)
  10. シルバーゲートキャピタル(アメリカ)

日本でよく目にする企業の他に、アジアや米国の企業がバランスよく組み込まれています。暗号資産の取引所をもつ会社や、マイニングに関連する会社が上位を占めていました。

3.ブロックチェーンとは?ブロックチェーン技術の活用

ブロックチェーン技術とは、どういう先進技術なのでしょうか。投資対象として考える際に、ブロックチェーンの基本的な概要についておさえておきましょう。

3-1.障害が起きにくくデータ改ざんに強い

ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によって、過去から現在まで一本の鎖のように繋げて、正しい取引履歴を維持しようとする技術です。仕組み上データの改ざん、破壊が難しく、システム障害に強い特徴があります。その特徴から、銀行業務などのシステムに大きな変革をもたらすと期待されている次世代の技術です。

3-2.ビットコインとブロックチェーン

ブロックチェーンは分散型台帳システムを用いており、取引履歴を皆で共有することで信頼性を担保しています。

ブロックチェーンは、複雑な計算を用いて新しいブロック(取引履歴を格納するフォルダのようなもの)をつど形成し、チェーンでつなぐイメージ。分散型台帳システムは、行われた取引を共有する仕組みです。取引が新規に作られたブロックや、次のブロックに取り込まれる流れを承認と呼びます。

新しいブロックを生成する流れをマイニングと呼び、計算を行う人をマイナー、複数人でマイニングを行うグループはマイニングプールを呼ばれています。ビットコインのブロックチェーンでは、その仕組みを回すためにマイニングを行うと、ブロックを生成した報酬としてビットコインを受け取れるチャンスが得られるのです。

ビットコイン以外の暗号資産では、ブロックチェーン技術以外の台帳技術を用いているものもあります。ビットコインはブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨の一つです。

3-3.世界や国内での活用事例

世界の国でもっともデジタル化が進んでいる国の一つといわれているエストニアでは、2021年の時点で、ブロックチェーンと似たシステムである「KSI」が取り入れられ、デジタル承認のシステムが整備されています。

また、各国中央銀行のデジタル通貨への取り組みも進んでいます。デジタル通貨のメリットは、「決済効率の向上」「決済の安全性」「安全な金融システムへのアクセス」です。中央銀行だけでなく、民間の金融機関やフィンテック企業でもブロックチェーン技術や暗号資産を開発・提供する例が増えています。

データの改ざんがされにくく、障害にも強い特徴を活かして、行政のペーパーレス化や権利証明の手続きにも活用が検討されています。

4.投資対象としてのブロックチェーン技術

投資対象としてのブロックチェーン技術は、今後どのような成長の見込みがあるのでしょうか。投資対象としてのブロックチェーン技術を確認しておきましょう。

4-1.将来性が見込まれるブロックチェーン技術

今後期待されるブロックチェーン技術の活用シーンには以下のようなものがあります。

スマートコントラクトの活用

ブロックチェーン技術の特徴として、スマートコントラクトが挙げられます。スマートコントラクトは、取引をすべてオートマチックに処理することができ、透明性も確保できる大きなメリットを持っています。

スマートコントラクトでは、印鑑の押印やサインによる承認が必要なくなるため、ペーパーレス化に大いに活用できます。また契約内容を改ざんされにくい強みから、不動産登記などの権利証明、投票への応用も期待されています。

DX化を進めるなかで、ブロックチェーン技術は大いに活用されると予想されています。

中央銀行デジタル通貨の発行

中央銀行デジタル通貨の取り組みは世界中で本格化しています。デジタル通貨への主な取り組みは以下のとおりです。

  • デジタル人民元
  • デジタルユーロプロジェクト
  • R3コンソーシアムCBDC WG
  • VISAオフライン決済

日本銀行のサイトでも、デジタル通貨について言及されていますが、日本ではデジタルコイン実装の計画はないと公表されています。しかし、ブロックチェーンに関する研究は進めており、欧州中央銀行と共同で調査した結果を公表しています(参照:日本銀行 フィンテックセンター)。

まとめ

国内で設定されているブロックチェーン技術に投資する投資信託は、調査時点では2つのみでした。暗号資産への投資は視線を集めていますが、関連技術であるブロックチェーン技術には、今のところ投資対象として十分な注目はなされていないと見られます。

しかし、ブロックチェーン技術は、今後のスマートシティ、DX化に向けてAIや5Gとならんで欠かせない技術になるという見方があります。今後、世界でDX化が進むにあたって、ブロックチェーン技術はより注目度が高まると予想されています。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。