バランス型投資信託のメリット・デメリットは?具体的なファンドも解説

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バランス型投資信託の購入は、日本も含めた株式・債券に広く投資することを意味します。そのため、バランス型投資信託を購入することで、様々な地域や企業に対して、分散投資が可能です。

しかし「バランス型投資信託って利益的にどうなの?」「バランス型投資信託のデメリットは?」といった疑問の声もあります。そこで、今回の記事では、バランス型投資信託の特徴やメリット・デメリットについて詳しく触れていきます。また、購入できるファンドについても解説するので、購入を検討する際の参考にしてください。

目次

  1. バランス型投資信託とは
  2. バランス型投資信託のメリット
    2-1.様々な金融商品に分散投資ができる
    2-2.知識がなくても投資ができる
  3. バランス型投資信託のデメリット
    3-1.投資配分を調整できない
    3-2.細かい銘柄を把握できない
  4. バランス型投資信託の主なファンドを解説
    4-1.ニッセイ・インデックスバランスF6資産均等型
    4-2.たわらノーロード バランス(堅実型)
    4-3.UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)
  5. まとめ

1.バランス型投資信託とは

バランス型投資信託とは、国内外の株式や債券、不動産など様々な資産を対象に運用を行う投資信託です。バランス型投資信託に含まれる金融商品の種類は以下のようになります。

  • 株式:国内・海外(先進・新興国を含む)
  • 債券:国内・海外(先進・新興国を含む)
  • REIT:国内外の不動産
  • コモディティ:金や原油などの商品

投資信託の場合、投資対象は各ファンドマネージャーが決定します。そのため、出資者が配分を決めることはできません。しかし、バランス型投資信託の投資対象は幅広いため、分散投資に特に向いている資産運用方法だといえます。
加えて、実際に運用されているファンドを見ると、例えば以下のような投資配分のものがあります。

  • 株式25%、債券50%、REIT25%
  • 株式33%、債券33%、REIT33%
  • 株式40、債券40%、REIT20%

実際の投資配分は、経済状況などによって変動する場合も少なくありません。しかし、基本的には上記のように配分が最初から決まっています。そのため、投資対象とする金融商品や地域などをあらかじめ決めておくと、スムーズな投資が可能です。

ちなみに商品選択の際に、商品名+数字が記載されている場合、その数字は資産配分を示しているため、商品選択の指標とすることもできます。

2.バランス型投資信託を購入するメリット

バランス型投資信託は傾向の異なる金融商品が多く含まれるため、それぞれの傾向を把握することが大切です。ここでは、バランス型投資信託のメリットを見ていきましょう。

2-1.様々な金融商品に分散投資ができる

バランス型投資信託では、株式や債券などに対して少額から投資することが可能です。現物の株式や債券の場合、最低の購入数が決まっていることから、数十~数百万円単位の資金が必要となるケースも少なくありません。

しかし、バランス型投資信託の場合は、少額から株式や債券だけでなく、不動産などに対しても投資が可能です。投資配分はファンドによって異なるものの、少額から投資ができる点はメリットだといえます。

2-2.知識がなくても投資ができる

バランス型投資信託の場合、出資者(購入者)に資産運用の知識がなかったとしても、購入するだけでリスクを軽減しながら投資を行うことが可能です。

例えば、個別の株式投資をおこなう場合、運用にはある程度の知識が必要とされます。株の場合は、業界や企業の業績、市況などから出資者が売買のタイミングを判断しなければならず、上手く分析できなければ最悪の場合は無価値となるケースもあります。

しかし、バランス型投資信託では、商品を購入するだけで複数の国内外の株式や債券などに投資することになるため、個別の株式や債券などの内容を深く知らずとも投資が可能です。

資産配分に関しては、個別の株式・債券の場合、定期的に計画に合わせたリバランス(資産比率の再配分)が必要です。しかし、バランス型投資信託では、ファンドマネージャーがつど割合を調整しているため、出資者はファンドに対する投資金額の配分を変えて様子を見るといった、より簡単な資産運用ができます。

3.バランス型投資信託のデメリット

以下ではバランス型投資信託のデメリットについて触れていきます。分散投資ができるといったメリットだけでなく、自分では配分調整できないなどのデメリットは無視できません。

3-1.投資配分を細かく調整できない

バランス型投資信託では複数の金融商品が同時に運用されます。しかし、この投資先への配分はファンド側で決定しているため、出資者が調整をすることはできません。

仮に先進国の投資割合をもう少し上げたいなどと感じた場合、対処方法は以下の3つとなります。

  • 先進国の投資割合が低いファンドを売却する
  • 先進国の投資割合が大きい新しいファンドに投資する
  • ファンドが配分を変えるまで保有する

バランス型投資信託では分散投資が簡単にできるものの、自分の意思では細かく投資配分を変えられない点には注意が必要です。あらかじめ自分の納得がいく資産配分のファンドを選んだり、バランス型以外のファンドも検討したりすることが大切といえます。

3-2.細かい銘柄を把握できない

バランス型投資信託では、株式や債券などでどのような銘柄を保有しているか、個別にすべて把握することはできません。資産配分などについては目論見書などで簡潔にわかるものの、株式といっても先進国のものなのか、新興国のものなのか、細かな情報までは出ていないものもあります。

ただ、投資するファンドについては、ある程度事前にどのような傾向なのかをチェックすることが大切です。例えば、株式の比率が25%と記載されている場合、日本株のみなどの投資傾向は目論見書などに記載されています。細かい数字を事前にチェックすることで、個別銘柄を把握しなくてもどのような運用をするのかは想定可能です。

4.バランス型投資信託の主なファンドを解説

ここでは、バランス型投資信託における主なファンドについて3つほど解説します。それぞれの投資信託の特徴を確認しましょう。

※2020年8月1日時点の情報です。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

4-1.<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスF6資産均等型

信託報酬 0.1749%
純資産総額 599百万円
基準価額 10,563円
委託会社 ニッセイアセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる金融機関 SBI証券
楽天証券
岡三オンライン
auカブコム証券
SMBC日興証券
マネックス証券
松井証券

ニッセイ・インデックスバランスF6資産均等型は、国内外の株式や債券、REITを運用する6つのマザーファンドを投資対象としています。マザーファンドの投資先は、全て先進国です。

6つのマザーファンドはTOPIXやFTSE世界国債インデックスなど、それぞれ異なる指標で運用されています。投資配分はそれぞれ1/6ずつです。

そして、ニッセイ・インデックスバランスF6資産均等型は、NISAの対象として取り扱われている投資信託です。信託報酬が0.1749%とコストが低く、複合的に先進国に対して投資できるバランス型投資信託だといえます。

4-2.たわらノーロード バランス(堅実型)

信託報酬 0.242%
純資産総額 1,124百万円
基準価額 10,670円
委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
為替ヘッジ あり
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる金融機関 SBI証券
auカブコム証券
SMBC日興証券
マネックス証券
楽天証券
岡三オンライン

たわらノーロード バランス(堅実型)は、国内株式パッシブ・ファンド(最適化法)・マザーファンドなどの9つのマザーファンドを通じて、先進国と新興国の株式・債券、REITに対して投資を行います。

たわらノーロード バランス(堅実型)の資産配分は、債権が70%以上を占めており、次いで株式、REITです。また、先進国株式と債券については、為替ヘッジありとなっているため、為替リスクの軽減が可能です。

つみたてNISA・NISAどちらにも対応しています。

4-3.楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)

信託報酬 0.233%
純資産総額 4,632百万円
基準価額 10,627円
委託会社 楽天投信投資顧問
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる金融機関 SBI証券
auカブコム証券
岡三オンライン
楽天証券
SMBC証券
マネックス証券
松井証券

楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)は、日本・新興国・債券の対象に株式を中心に投資を行います。投資対象そのものは、バンガード・トータルワールド・ストックETF(全世界株式)とバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド(債券)の2つです。

また、それぞれのファンドは以下の指標に基づいて運用されています。

  • FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(全世界株式):運用株式は7,400銘柄から構成されており、先進国と新興国を含む。
  • ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックス(債券):米国・汎欧州・アジア太平洋の3つのアグリゲートを含む。それぞれ社債や国債なども含むが、投資適格(BBB)を満たしているものでなければ、この指標に含まれない。

NISA・つみたNISAどちらにも対応しており、株式・債券をメインに投資可能です。

まとめ

バランス型投資信託は、少額から分散投資ができるなど複数のメリットがある金融商品です。日本国内の証券会社・金融機関など多くの場所で購入できます。また、バランス型投資信託は元本割れのリスクがあるものの、選択する商品によってリスク軽減が可能です。

投資信託は基本的に、中長期的に投資する金融商品です。購入や運用にあたっては焦らずに、投資する地域や株式・債券の特性を把握する所からスタートしてみましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。