2022年、資金を集めたファンドや成績の良かったアクティブファンドは?10本を比較

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インデックスファンドを除くアクティブファンドにおいて、2022年にリターンが高かったファンドや投資家から多くの資金を集めた10のファンドをピックアップして、各数値を比較してみました。どのようなファンドが、投資家からの信頼を得て多くの資金を集めているのでしょうか。

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​​※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. リターンと人気から10本のアクティブファンドをピックアップ
    1-1.トルコ株式オープン
    1-2.世界シェールガス株ファンド
    1-3.世界資源株ファンド
    1-4.ダイワ・ブラジル株式ファンド
    1-5.ひふみプラス
    1-6.東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型)
    1-7.キャピタル世界株式ファンド
    1-8.世界経済インデックスファンド
    1-9.三菱UFJ Jリートオープン(毎月決算型)
    1-10.セゾン・グローバルバランスファンド
  2. 各ファンドの運用成績など指標を比較
  3. アクティブファンドの強みや特徴とは?
    3-1.ベンチマーク指標を超える運用成績を目指す
    3-2.アクティブファンドの種類
  4. アクティブファンドを選ぶ時に確認したいポイント
    4-1.アクティブファンドが持つリスク
    4-2.信託報酬などの運用コスト
    4-3.投資対象や運用スタイル
    4-4.運用実績
  5. まとめ

1.リターンと人気から10本のアクティブファンドをピックアップ

アクティブファンドの中から2022年の運用成績や買付ランキング、純資産総額を考慮して、いくつかのテーマから10のファンドをピックアップしました。なお、ブル・ベア型ファンドや運用が複雑な通貨選択型は除外しています。

1-1.トルコ株式オープン

マザーファンドを通じて、トルコの株式に投資するファンドです。収益性と成長性、安定性を勘案し、銘柄選定を行います。

トルコの株式市場は、2020年の5月近辺を境に急激な高騰を続けています。トルコ株式オープンのトータルリターンも合わせて高いリターンを記録しました。

1-2.世界シェールガス株ファンド

主にシェールガスの探査、開発、生産を行う企業、もしくは関連企業の銘柄へ投資します。流動性の高さも銘柄選定の基準の一つです。コロナ禍以降、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の高騰が続いており当ファンドの基準価額も上がり続けています。

2022年には少し停滞しましたが、エネルギー供給が安定するまでは動向を押さえておきたいところです。

1-3.世界資源株ファンド

日本を除く世界各国の鉱山、金属精製、エネルギー、その他天然資源にかかわる企業の銘柄へ投資するファンドです。組入銘柄の選定にあたっては、埋蔵資源量、生産コスト、財務内容、マネジメント、成長性を重視するとしています。

組入銘柄は、鉱物資源や金の採掘を行っている企業が目立ちます。当ファンドもコロナ禍をきっかけに基準価額が右肩上がりとなりました。

1-4.ダイワ・ブラジル株式ファンド

ブラジルの株式への投資を行いつつ、中長期的なベンチマークであるボベスパ指数(円換算)を上回る運用成績を目指すファンドです。経済情勢や業界動向の分析を行いつつ、個別企業のファンダメンタルズや、成長性、株価のバリューなどの総合的判断によって組入銘柄を選定します。

3年以上の期間で見ると、収益はマイナスとなっていますが、直近1年間ではプラス収益で終えています。今後のブラジル経済に注目したいところです。

1-5.ひふみプラス

国内の上場株式へ投資するファンドです。経済の循環や構造の変化、発展段階など総合的に分析の上、適切な株式市場を選択し、定性定量の両面から、さらに調査と分析の上、銘柄選択を行うとしています。独立型投信の中でも、多くの資金を集めているファンドです。

2022年はやや後退しましたが、投資家からの注目度は依然として高いままです。

1-6.東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型)

複数の資産へ分散投資するバランスファンドです。各資産への配分比率は、日本債券70%、日本株式15%、日本REIT15%を基本とします。価格変動リスクが高くなった時は、リスク許容範囲の年率3%を基準に、株式のREITの割合を引き下げる運用を行います。

長期運用目的で国内株式のバランスファンドを選択する投資家からの注目度が高いファンドです。コロナ禍前と以降で運用成績の明暗が別れており、コロナ禍以降は苦戦を強いられています。

1-7.キャピタル世界株式ファンド

運用会社のキャピタル・グループが運用する世界株式ファンドです。やや複雑なファンズオブファンズ形式を経て、世界の株式へ投資しています。運用成績もさることながら、半期に一度の分配金を継続的に出し続けたことも、投資家からの支持に繋がっているのではないでしょうか。

米国の利上げが始まって以来、世界の株式へ投資する当ファンドも影響を免れることはできず、運用成績は苦戦しています。

1-8.世界経済インデックスファンド

国内、先進国、新興国の公社債や株式へ投資するバランスファンドです。株式と債券の組入比率は株式50%、債券50%を基本としています。

当ファンドで投資家から預かった資産を、各インデックスファンドへ分散投資するファミリーファンド形式を採用しています。少額にて細かい分散投資ができるため、長期運用の際に選ぶファンドとして一定の需要を獲得しているファンドです。

1-9.三菱UFJ Jリートオープン(毎月決算型)

国内の金融取引所に上場しているJ-REITへ分散投資を行います。銘柄は、事業内容および財務内容等の分析、キャッシュフロー、配当利回り、PBRの分析を元に選出しています。

最近の利上げの流れによってやや基準価額は停滞気味ですが、依然として投資家からの資金を集めています。

1-10.セゾン・グローバルバランスファンド

国内外の株式や債券のインデックス型外国投資証券へ投資するバランスファンドです。株式と債券の比率は原則として、50%ずつです。

セゾン投信が運営するオーソドックスなバランス型ファンドです。長期運用のベースとして選択する人によって多くの資金が集められています。

2.各ファンドの運用成績など指標を比較

前出の10のアクティブファンドの各数値を以下の表にまとめました。数値は2023年1月23日時点の情報です。

項目 基準価額 運用管理費用 純資産 リターン/1年 シャープレシオ
トルコ株式オープン 9,821 円 1.98% 50.02 億円 96.35 1.97
世界シェールガス株ファンド 16,084 円 1.83% 9.06 億円 45.19 1.23
世界資源株ファンド 10,760 円 1.68% 37.10 億円 30.26 1.08
ダイワ・ブラジル株式ファンド 5,557 円 1.85% 26.15 億円 18.39 0.64
ひふみプラス 44,914 円 1.08% 4,708.98 億円 -4.31 -0.23
東京海上・円資産バランスファンド 10,453 円 0.92% 2,038.75 億円 -4.22 -1.31
キャピタル世界株式ファンド 20,175 円 1.70% 3,319.25 億円 -8.07 -0.21
世界経済インデックスファンド 28,217 円 0.55% 1,668.24 億円 -0.95 0
三菱UFJ Jリートオープン(毎月決算型) 10,097 円 1.10% 44.46 億円 -0.6 0.02
セゾン・グローバルバランスファンド 18,997 円 0.58% 3,308.76 億円 0.01 0.07

リターンが最も高いのは、急騰を続けているトルコ市場を反映したトルコ株式オープンです。しかし、直近1年間の成績と、純資産の増加は必ずしも一致しておらず、トルコ株式オープンの資金流入は限定的です。

一方、運用成績はやや減ながらも、国内株式のひふみプラスや円資産バランスファンド、キャピタル世界株式ファンドは、依然として多くの純資産を集めています。

投資信託にはハイリスク・ハイリターンな運用よりも、長期運用を前提としたファンドが求められているのかもしれません。

3.アクティブファンドの強みや特徴とは?

インデックスファンドと対照的なファンドとして挙げられるアクティブファンド。その具体的な運用方法や特徴を紹介します。

3-1.ベンチマーク指標を超える運用成績を目指す

アクティブファンドとは、市場平均であるベンチマーク指数を上回るリターンを目指す投資信託のことを言います。資産を大きく増やしたい場合はアクティブファンドを選ぶ選択肢も有効ですが、リスクを取って運用するため市場が下落するタイミングでは、基準価額が大きく下がることもあります。

運用方針や組入銘柄の選択は、ファンドマネージャーの責任で行われます。アクティブファンドを選ぶ時は、自分のリスク許容範囲を確認の上、ファンドを選びましょう。

3-2.アクティブファンドの種類

大きく分けるとアクティブファンドには、以下3つの種類があります。

  • バリュー型
  • グロース型
  • テーマ型

バリュー型は、企業の利益水準や資産価値から見て、割安と見られる銘柄を中心に投資する運用方法です。選定の際に基準となる指標は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を用います。これらの数値が低いファンドをスクリーニングし、分析の上銘柄選定を行うのがバリュー投資です。

グロース投資は、これからの成長が期待される銘柄へ投資する運用手法です。具体的には、企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄をスクリーニングします。企業の成長に資金を投入するために配当利回りが低い傾向があるため、グロース銘柄を探す時は、あえて配当利回りが低い銘柄をピックアップし、積極的に投資する方法が取られることもあります。

テーマ型ファンドは、昨今よく見受けられるファンドです。トレンドとなりうるテーマを軸として銘柄を選択します。最近では、AIやDX、ESGなどがテーマとされるケースが多くみられます。テーマ型ファンドはわかりやすさが強みです。明確なテーマは訴求の強さにもつながり、投資家からの資金を募りやすくなります。

4.アクティブファンドを選ぶ時に確認したいポイント

アクティブファンドを選ぶ時に確認しておきたいポイントを以下、4つの項目にて紹介します。

  1. アクティブファンドが持つリスク
  2. 信託報酬などの運用コスト
  3. 投資対象や運用スタイル
  4. 運用実績

4-1.アクティブファンドが持つリスク

アクティブファンドに限らず、全てのファンドはリスクをもっています。アクティブファンドの場合、ファンド運営に影響を及ぼす一般的な事象に加えて、ファンドマネージャーが採用する運用方針によってファンドの成績が左右される点に注意が必要です。

インデックスファンド以上に目論見書や、ファンドが目指す目標などを吟味して投資を決めましょう。月次レポートによるファンドマネージャーからの報告では、決してネガティブな発言は掲載されません。アクティブファンドの運用には、最後まで自己責任の原則が強く求められます。

4-2.信託報酬などの運用コスト

アクティブファンドを選ぶ時は、運用コストも入念に確認しておきたい項目です。インデックスファンドに比べてアクティブファンドの信託報酬は高く設定されており、多くの場合1%以上となっています。

高いファンドでは、3%近くに設定されていることもあります。信託報酬は日々の基準価額から引かれるため、資産形成の思わぬ重しになりかねません。運用の内容と信託報酬のバランスをよく考慮しましょう。

4-3.投資対象や運用スタイル

アクティブファンドの投資対象は、株式や債券、不動産、商品など、インデックスファンドと同様に多岐にわたります。また、アクティブファンドの運用スタイルは、インデックスファンドと異なり、多種多様です。

前述のバリュー投資やグロース投資はわかりやすい運用方法ですが、相場の下落局面でも収益を出すファンドや、オプション取引を活用した通貨選択型ファンドなど、運用そのものがとても難解なファンドも存在します。

アクティブファンドに投資する時は、運用スタイルが理解できないファンドへの投資はやめておきましょう。リスク性向を掴めないあまりにリスク対策が十分に行えず、知らない間に資産が減っていた、という事態にもなりかねません。

4-4.運用実績

目論見書には基準価額の推移や、純資産総額の増減、分配金実績、組入銘柄など、ファンドに関する詳しい情報が記載されています。また、代表的な資産クラスとの騰落率の比較も確認可能です。

アクティブファンドでは、市場平均をどの程度上回っているか?という点が評価ポイントです。ファンドを選ぶ時は、過去の実績をよく確認し、良い運用ができているファンドなのか、判断しましょう。

ただし、情報は過去のものであり、未来を約束するものではないことは、念頭に置いておきましょう。

まとめ

2022年のアクティブファンドの成績や、純資産の増減などを確認しました。基本的には長期運用を前提としたファンドに資金が集まる傾向に変化はありません。長期運用には投資信託という考え方が浸透している証拠とも見ることもできます。

投資信託を長期運用に活用する方針に間違いはありませんが、アクティブファンドの中には、トルコ株式オープンのように高いリターンを実現しているファンドもあります。余剰運用資金をあえてハイリスク運用に投じる方法を検討してみるのも、選択肢の一つです。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。