資産運用大手のアクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社(アクサIM)は2月16日、上級職の報酬にESG目標を盛り込むと発表した。約400名の繰延報酬(2024年に支給)には既存の基準に加え、社員が所属する事業分野や職務権限に応じて3つのESG指標が盛り込まれる。同社は2050年までに企業および投資家としてネットゼロの達成にコミットしており、その一環の施策と位置付けている。
今回盛り込まれるESG指標はいずれも2025年までに①企業ポートフォリオの加重平均炭素強度(WACI)の25%削減目標を達成する②不動産ポートフォリオ運用資産(AUM)の50%をCRREM の炭素削減経路に合わせる③業務上のCO2排出量に関して中間目標である26%削減を達成する――とした。
企業ポートフォリオの加重平均炭素強度(WACI)の25%削減目標では、繰延報酬のESG部分に関してアクサIMコアの対象社員については75%、トランスバーサル(社内横断)部門の対象社員は37.5%考慮する。不動産ポートフォリオ運用資産(AUM)の50%をCRREM の炭素削減経路に合わせる指標では、繰延報酬のESG部分に関して、アクサIMオルツの対象社員は75%、トランスバーサル部門の対象社員は37.5%考慮する。
三つ目の、業務上のCO2排出量に関して中間目標である26%削減を達成するという指標では、繰延報酬のESG部分に関してアクサIMコア、アクサIMオルツ、トランスバーサル部門の対象社員について25%考慮する。
新しいポリシーは、「アクサIMプログレスモニター」に反映されている。アクサIMプログレスモニターとは、同社が「責任ある資産運用会社を目指す上で、達成することが極めて重要となる一連の指標」だとしている。財務目標などの指標と並んで、アクサIMの投資家および事業者としての進捗を示す追加指標として位置づけており、進捗は今年から毎年報告していく予定。
同社では今回の方針を「アクサIMプログレスモニターを立ち上げたことで、当社の非財務目標を財務目標と並行して目に見える形で位置づけ、社員もサステナビリティの道程に加わり、組織としての関与を強めていくことを選択した。調整繰延報酬ポリシーは、ネットゼロとその先への道において、当社の目標を達成し、変化をもたらすための重要な要素」と説明している。
![](https://hedge.guide/wp-content/uploads/2018/07/image_409540834-_sq-150x150.jpg)
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
![](https://hedge.guide/wp-content/uploads/2018/07/image_409540834-_sq-150x150.jpg)
最新記事 by HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム (全て見る)
- サーキュラーエコノミーに特化した創業支援プログラム「CIRCULAR STARTUP TOKYO」第1期DemoDay(成果発表会)を開催します - 2024年7月23日
- 積水ハウスと東大大学院農学生命科学研究科、生物多様性と健康に関する共同研究結果を発表 - 2024年7月19日
- オキシデンタル傘下1PointFive、マイクロソフトとDACによる炭素除去契約を締結。過去最大規模 - 2024年7月12日
- 積水ハウスとシンク・ネイチャー、庭の樹木を提案するツールをグリーンテック・スタートアップと共同開発 - 2024年7月12日
- シュローダー、初のインパクト・レポートを発表。運用資産総額約52.5億ドルに - 2024年7月12日