1年間のトータルリターンが高い投資信託10本を比較【2022年7月】

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トータルリターンは、ある一定期間における投資状況の成績を確認できる総合的な損益金額を表す指標です。投資信託のトータルリターンは、運用益から信託報酬など様々な費用を差し引いて求めるので、過去の運用成績を重視して投信銘柄を選びたい方に適した指標となっています。

この記事では、1年間のトータルリターンが高い投資信託について、手数料等の比較も併せてご紹介します。過去の運用実績で銘柄を選びたい方や、トータルリターンについて詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

※本記事は、投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は、2022年7月3日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. トータルリターンとは
  2. 1年間のトータルリターンが高い投資信託10本
    2-1.UBS原油先物ファンド
    2-2.DIAMコモディティパッシブ・ファンド
    2-3.iシェアーズコモディティインデックス・ファンド
    2-4.シェール関連株オープン
    2-5.ダイワ/RICIコモディティ・ファンド
    2-6.世界シェールガス株ファンド
    2-7.米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型、為替ヘッジなし)
    2-8.GSMLPインフラ関連証券ファンド 年2回決算コース
    2-9.DWSコモディティ戦略ファンド Bコース(年1回決算型、為替ヘッジなし)
    2-10.資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル・コース
  3. トータルリターンが高い投資信託の注意点
  4. まとめ

1 トータルリターンとは

トータルリターンとは、一定期間内の運用で利益をどれだけ上げたのかを示す指標です。投資信託のトータルリターンは、信託報酬や分配金などを含めて計算するため、数値が高ければ高いほど運用成果を順調に出している銘柄となります。対象期間は1年や3年、ファンドの新規設定以降など様々です。

例えば、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXISプラスコモディティインデックス」の過去1年間のトータルリターンは65.8%なのに対し、アセットマネジメントOneが運用する「DIAMシェール株ファンド」の年間トータルリターンは61.0%なので、年間トータルリターンで見ると、前者のほうが順調に運用収益を上げていることを示しています(2022年7月1日時点)。

このように、トータルリターンは、数あるファンドの中から運用成績の高い商品を選ぶ参考材料となり、ファンド分析や投資判断に役立てることができます。

2 1年間のトータルリターンが高い投資信託10本

1年間のトータルリターンが高い投資信託をご紹介していきます。なお、以下の投資信託銘柄に関する情報は、2022年7月1日時点のものであり、購入時手数料等は、証券会社によって異なる場合もあるのでご了承ください。

2-1 UBS原油先物ファンド

ファンド名 UBS原油先物ファンド
総資産額 104億9300万円
委託会社 UBSアセット・マネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.30%
信託報酬 年率0.814%
信託財産保留額 0.30%
1年間のトータルリターン 105.18%

UBS原油先物ファンドとは、UBSアセット・マネジメント株式会社が運用を行い、「UBSブルームバーグCMCI指数のWTI原油先物指数」の連動を目指すファンドです。このファンドは、原油市場の上昇によって高いリターンを期待できる反面、原油市場の値動きに依存することになるので、様々な資産に分散されているファンドと比べて、リスクも高くなります。

1年間のトータルリターンは、105.18%となっており、世界的な高インフレや原油高を背景にきわめて高いリターンを記録しています。

2-2 DIAMコモディティパッシブ・ファンド

ファンド名 DIAMコモディティパッシブ・ファンド
総資産額 38億900万円
委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
購入時手数料(上限・税込) 0.00%
信託報酬 年率0.275%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 90.53%

DIAMコモディティパッシブ・ファンドとは、アセットマネジメントOne株式会社が運用を行い、「S&P GSCI商品指数」の連動を目指すファンドです。原油や天然ガス、アルミニウム、銅、金、銀、畜産物、農産物など24種の商品に投資を行っているので、1つ購入するだけで、コモディティセクター全体に分散投資することが可能になります。

1年間のトータルリターンは90.53%となっており、物価上昇の恩恵により高い数字を記録しています。

2-3 iシェアーズコモディティインデックス・ファンド

ファンド名 iシェアーズコモディティインデックス・ファンド
総資産額 35億7900万円
委託会社 ブラックロック・ジャパン株式会社
購入時手数料(上限・税込) 0.00%
信託報酬 年率0.258%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 88.40%

iシェアーズコモディティインデックス・ファンドとは、ブラックロック・ジャパン株式会社が運用を行い、「S&P GSCIトータルリターン指数」の連動を目指すファンドです。世界の商品市場の総合的な値動きを網羅しているため、代表的なエネルギーセクター全体に分散投資できるのが特徴です。

1年間のトータルリターンは88.40%となっており、商品市場の上昇により高い運用成績を残しています。

2-4 シェール関連株オープン

ファンド名 シェール関連株オープン
総資産額 35億6500万円
委託会社 岡三アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.30%
信託報酬 年率1.705%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 84.50%

シェール関連株オープンとは、岡三アセットマネジメント株式会社が運用を行い、米国、カナダ、メキシコのシェール関連企業に投資を行うアクティブファンドです。投資対象は、シェールガスおよびオイルの生産拡大により成長が期待できる企業と、エネルギーコストの低下により恩恵を受ける企業となります。

1年間のトータルリターンは、原油高の影響により84.50%と高い数字を記録している一方、信託報酬は割高に設定されています。

2-5 ダイワ/RICIコモディティ・ファンド

ファンド名 ダイワ/RICIコモディティ・ファンド
総資産額 83億6900万円
委託会社 大和アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.30%
信託報酬 年率1.133%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 79.58%

ダイワ/RICIコモディティ・ファンドとは、大和アセットマネジメント株式会社が運用を行い、「ロジャーズ国際コモディティ指数」の連動を目指すファンドです。構成銘柄は、穀物、家畜、貴金属、エネルギーなど商品市場に幅広く投資をしており、構成比率上位は、エネルギー、穀物、産業金属が54%を占めています。

1年間のトータルリターンは、商品市場全体の上昇を背景に、79.58%と高い数字を記録しています。

2-6 世界シェールガス株ファンド

ファンド名 世界シェールガス株ファンド
総資産額 8億8900万円
委託会社 キャピタル・アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.30%
信託報酬 年率1.826%
信託財産保留額 0.30%
1年間のトータルリターン 79.14%

世界シェールガス株ファンドとは、キャピタル・アセットマネジメント株式会社が運用を行い、シェールガス関連ビジネスを展開する企業の株式に投資するアクティブ型ファンドです。

このファンドは、マクロ経済動向から分析するトップダウンアプローチと、個別企業の利益成長率等から分析するボトムアップアプローチを組み合わせた投資戦略で銘柄選択し、ポートフォリオを構築するのが特徴です。

1年間のトータルリターンは、79.14%と高い運用成績を挙げている一方、アクティブファンド特有の割高な信託報酬となっています。

2-7 米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型、為替ヘッジなし)

ファンド名 米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型、為替ヘッジなし)
総資産額 15億6000万円
委託会社 野村アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.85%
信託報酬 年率0.913%
信託財産保留額 0.30%
1年間のトータルリターン 71.05%

米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型、為替ヘッジなし)とは、野村アセットマネジメント株式会社が運用を行い、米国に上場されているエネルギー関連事業等を投資するファンドに投資するファンド・オブ・ファンズです。

1年間のトータルリターンは、71.05%と高い数字を記録しています。

2-8 GSMLPインフラ関連証券ファンド 年2回決算コース

ファンド名 GSMLPインフラ関連証券ファンド 年2回決算コース
総資産額 8億7700万円
委託会社 ゴールドマン・サックス・アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.85%
信託報酬 年率1.903%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 70.34%

GSMLPインフラ関連証券ファンド 年2回決算コースとは、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメント株式会社が運用を行い、米国やカナダを中心としたエネルギー・インフラ関連企業が投資対象となります。

1年間のトータルリターンは、エネルギーセクターの値上がりを背景に70.34%と高い運用成績を残しています。

2-9 DWSコモディティ戦略ファンド Bコース(年1回決算型、為替ヘッジなし)

ファンド名 DWSコモディティ戦略ファンド Bコース(年1回決算型、為替ヘッジなし)
総資産額 116億8200万円
委託会社 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.85%
信託報酬 年率1.243%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 68.0%

DWSコモディティ戦略ファンド Bコース(年1回決算型、為替ヘッジなし)とは、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用を行い、ファンドを通じて商品市場に投資するファンド・オブ・ファンズの投資信託です。

1年間のトータルリターンは、68.0%と高い数字を記録する一方、購入時手数料と信託報酬は高めに設定されています。

2-10 資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル・コース

ファンド名 資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル・コース
総資産額 89億5600万円
委託会社 日興アセットマネジメント株式会社
購入時手数料(上限・税込) 3.85%
信託報酬 年率1.10%
信託財産保留額 0.00%
1年間のトータルリターン 67.93%

資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル・コースとは、日興アセットマネジメント株式会社が運用を行い、世界の資源株を投資対象としているファンドです。ブラジルレアル・南アフリカランド・オーストラリアの高金利通貨からいずれかを選択し、対米ドルの為替取引を行うことで、スワップ収益などの享受も期待できます。

1年間のトータルリターンは、67.93%と高い成績をマークしている一方、購入時手数料と信託報酬は割高に設定されています。

3 トータルリターンが高い投資信託の注意点

トータルリターンの高い投資信託は、ハイリスク・ハイリターンになりやすい点に注意しましょう。特に市場平均以上の運用成果を目指すアクティブファンドは、ファンドマネージャーの手腕により高いリターンを狙える一方、価格変動リスクも高くなります。

また、取引コストも割高です。トータルリターンの高い投資信託は、アクティブファンドや先物商品を組入れて運用するファンドが多く、運用手数料である信託報酬も高くなります。

このほか、トータルリターンを短期で判断しないことも大切です。例えば、1年間のトータルリターンで高い数字を出していた場合でも、一時的な要因により、その期間だけ好成績だった可能性もあるので、3年や5年などの長期のトータルリターンも含めて確認しておく必要があります。

まとめ

トータルリターンが高い投資信託は、運用成績重視の方に適した商品となっている一方、ハイリスク・ハイリターンな銘柄も多いため、目論見書などでファンド組入銘柄やリスク等を確認した上で、投資判断を行うことが大切です。

当記事で紹介した1年間のトータルリターン上位10銘柄は、すべて原油などのエネルギー関連ファンドでした。しかし今後の資源価格の変動によっては大きくパフォーマンスが変動する可能性があるため、現時点の成績のみでは判断せず、3年・5年のトータルリターンなどの指標も含めて総合的に投資判断をする必要があります。

また、各ファンドの特徴や手数料、注意点なども十分に理解した上で、慎重に検討しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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