2022年に考慮すべきテールリスクは?サクソバンク証券が10トピックを大胆予測

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サクソバンク証券株式会社は12月17日、「2022年の大胆予測」として10項目のトピックスを発表した。「可能性が低く過小評価されているものの、実現した場合は金融市場全般にわたり劇的な影響が生ずる可能性がある」話題、いわゆるテールリスクを重点的に取り上げており、「公式な市場予測ではないが、こうした事態が実現する可能性をごく低く見積もりがちな投資家に、リスク分散で判断ミスをおかさないよう警告するもの。範囲を限定せずに起こりうる事態を広く検討する習慣を身につける練習になる」と説明している。

掲げられたトピックスは①化石燃料撤廃計画は暗礁に②Facebook、若者離れで苦境にもがく③米中間選挙が憲法上の危機に発展④米インフレ率、賃金物価スパイラルで15%を突破⑤EU発表のスーパーファンドは気候・エネルギー・防衛にフォーカス、財源は民間年金資産⑥女性版Reddit Armyが企業の男性優位に挑戦⑦インドが湾岸諸国会議の非議決権メンバーに⑧NFTベースのデジタル権プラットフォームで劣勢に転じるSpotify⑨極超音速技術が宇宙開発競争と新たな冷戦要因に⑩医学の飛躍的進歩で平均余命が25年延長――となった。

トップの「化石燃料撤廃計画は暗礁」は、政策担当者がインフレと社会不安リスクを封じ込めるため、低炭素化への将来の道筋を再設計する中、今後の排出量削減目標を引き下げ、化石燃料への投資を支持するというブラックな予測。「Facebookの若者離れ」は、利益と引き換えに個人情報を利用することに反発して若者のFacebook運営プラットフォーム離れが進行。親会社のMeta(メタ)は若者ユーザーをメタバース(3D仮想空間)に取り込もうと試みているが難航するという予測で、それなりに現実性がある。

日本人も気になる「米インフレ率、賃金物価スパイラルで15%を突破」は、22年第4四半期までに米CPI上昇率が年率15%に到達、意欲的で有能な人材を獲得するため企業が提示給与を引き上げる動きが、1970年代以降見られなかったほどの賃金物価スパイラルを引き起こすというもの。「EU発表のスーパーファンド」は、EUが新税でなく年金運用資金を財源とする3兆ドルのスーパーファンドをローンチ。ファンドの目的は「ポピュリズムの台頭防止、気候変動ペースの低下活動の推進、米国安全保障範囲の縮小を受けた国境防御」で、実現すれば相当な破壊力だ。「女性版Reddit Army」は、女性トレーダー集団が20~21年のミーム銘柄Reddit Armyの手法を模倣し、職場での男女平等が進んでいない企業に団結して攻撃を仕掛け、標的企業の株価を乱高下させるというもの。経営陣にとっては脅威だろう。

テクノロジー関連では、極超音速技術を使った最新のミサイル試験により各国の大手軍事企業がこぞって大量開発に乗り出す、医学の飛躍的進歩で平均余命が25年延長は一見、朗報だが、「倫理、環境、財政的な危機の発端」となる可能性も示唆する。

辛辣なトピックスが並ぶが、同社は「実業界と政界のサイクルには必ず期限があるのに対し、ペースの緩急はあっても世界の進化が止まることはない」というコメントを添えた。

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