22年に実施される利上げの回数は当初よりも減少か。2月マクロ・マーケット見通し

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社は2月18日、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・ソリューションズによる2022年2月マクロ・マーケット見通し(Perspectives)の和訳を発表した。米連邦準備制度理事会(FRB)が3月にも利上げを始める方向を公表したことを受け、さまざまな予測が交錯する中、同社の基本シナリオは、①22年に実際に実施される利上げの回数は当初よりも少なくなると予想②インフレ沈静化を予想するが、依然として以前よりも高い水準にあるため、中銀は慎重な政策のかじ取りを強いられる③経済成長が堅調で潜在的な成長率を上回ると考えられることから、同社はリスク資産に対する建設的な見方を維持している。

「スイートスポットを探して」と題したレポートで、同社は次のように解説する。米国の1月のインフレ率は総合指数が前年同月比7.5%増、コア指数が同6%増となり、再び上昇に転じた。上昇率は1982年以来の大きさで、「確かに市場関係者を不安にさせるが、これはパンデミックの影響の遅れによる可能性が高い」と指摘。

最近、耐久財消費はサプライチェーンへの負荷が継続しているが、やがてサービス消費の回復を予想する。また、消費者物価指数(CPI)を担当する米労働統計局は、2年に1度のカテゴリー比率の変更にあたり、パンデミック時に見られた非典型的な消費パターンの調整を行わないことを決定したことから、同社は商品価格の影響度が増すと考えており、ベース効果の影響が現れた後、「特に今年の後半にインフレが鈍化するという状況が整いつつある」と予想。また、雇用市場のタイトな需給情勢のため、賃金上昇による製品価格のインフレのリスクが高まっていると見ている。

実際、米国の最新の雇用統計では、1月の賃金が前年同月比で5.7%上昇しており、欧州の賃金上昇はまだ明確ではないものの、採用難を訴える企業が増えている。また、エネルギー価格は欧州の家計に影響を与えやすく、上昇が長引くほど、需要に実際に影響を与える二次的効果が発生する可能性が高くなることから「金融政策が果たすべき役割は大きくなる」としている。

昨年12月以降、イングランド銀行(BOE)はすでに2回の利上げを行っており、FRBのフォワードガイダンスでは、あらゆる面で引き締めサイクルの加速が示唆されている。市場では、FRBは22年に6回以上の利上げを行い、その最初の利上げは3月に行われ、バランスシートの縮小はその直後(6月の可能性が高い)に開始されると予想されている。欧州中央銀行(ECB)も22年後半に理論上の利上げを行うために備えている。だが、市場予測では、早ければ7月に最初の利上げが行われ、1年後には政策金利がゼロを超えると見込まれている。

これに対し、同社は「少なくとも今年中は想定よりも実際の利上げ回数が減る」というシナリオを描く。「市場予測は過剰に反応する傾向があり、予測値は高くなり過ぎ」ており、さらに「中央銀行は積極的な金融引き締めによって供給主導型インフレに対処することは逆効果で、結果的に需要、ひいては成長を抑制することになることを、すでに数回の利上げが行われている年央のある時点で認識する」と説明。現在のインフレは、エネルギーの不均衡と供給のボトルネックが大きな要因となっているため、金融政策の効果は限定的と予想した。

「中央銀行の政策担当者は、より多くの経済指標の発表を待つ傾向がある。政策を正しく調整し、過剰な金融引き締めを避けるためだが、このような背景から、政策の失敗、すなわち過剰な引き締めで成長が過度に鈍化したり、引き締めが弱すぎて物価上昇期待が定着したりするリスクは、依然として高くなっている」と同社は指摘する。中央銀行は今後数ヶ月間、難しいバランス調整を強いられることになり、市場のストレスを回避するためのフォワードガイダンスが重要だとしている。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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