2022年の市場動向を左右するのはリベンジ消費と中央銀行の政策。ナティクシスIMが世界の機関投資家に調査

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズが12月9日に発表した「グローバル機関投資家調査」で、世界の機関投資家の62%は、コロナ禍による自粛の反動による大規模な「リベンジ消費」が2022年の成長の重要なけん引役になると予想しているという調査結果を発表した。一方でサプライチェーンの混乱とインフレが最大のリスクと見られており、大半の投資家は、現在の需給の不均衡、インフレ、株式のバリュエーションの歪みの背景には政府の政策があると考えている。

同調査は21年10月~11月、北米、中南米、英国、欧州、アジア、中東の29カ国・地域の500の機関投資家を対象に実施した。7割(69%)の投資家は、インフレ率の上昇が最大のポートフォリオ・リスクであるとしているが、インフレは金融緩和策と低金利に起因する構造的なものと考える投資家が多く(55%)、循環的なものと判断している投資家は45%だった。インフレは数多くの長期にわたる経済的な問題をもたらすが、機関投資家にとっては金利政策の方が資産運用面におけるより喫緊の課題となっており、回答者の64%が金利を最大のポートフォリオ・リスクとして挙げた。

低金利環境が10年余り続き、パンデミック下では一部マイナス圏まで金利が低下していることを受け、機関投資家は利回り追求の動きを強めている。21年にはプライベート資産とオルタナティブ資産が選好され、現在、プライベートエクイティに投資している投資家の割合は84%、プライベートデットは81%、インフラは81%となっている。22年の展望では、最も魅力的なセクターとして45%の投資家がIT、41%がヘルスケア、40%がインフラ、34%がエネルギーを選んだ。

7割近く(68%)の投資家は、中央銀行が貨幣の増刷を止めれば長期にわたる強気相場に終止符が打たれることになるものの、そのタイミングは2022年より先になると見ている。企業・公的年金基金、保険会社、政府系ファンド、財団・基金など合計で13.2兆ドルを超える運用資産を有する世界の500の機関投資家を対象に行った調査では、機関投資家は2022年に向けて、株式(39%)、債券(37%)、キャッシュ(5%)、オルタナティブ資産およびその他資産(19%)に対する全般的な資産配分の大幅な見直しは、ほとんど計画していないことが明らかになった。むしろ、投資家は戦術的な投資に備えたポジションをとっている。

しかし、半数弱(45%)の投資家は、相場調整が生じた場合には過去最高を更新し続けるプライベート資産がセーフヘブンの役割を果たすと考えている。調査対象の投資家ボラティリティの高さとバリュエーションの歪みを背景に、アクティブ運用が選好されている。回答者の半数以上(56%)が、回復に対する最大のリスクとしてサプライチェーンの混乱を挙げた。機関投資家にとって中央銀行は市場のパフォーマンスという観点で極めて大きな役割を果たしており、47%の投資家は金融緩和策の縮小をリスクと捉えている。現時点では伝統的な経済要因が最大のリスクだが、最近検出された変異株「オミクロン」をはじめとして、新たな変異株が経済的リスクの3番目に挙げられている。

にもかかわらず回答者の60%がパンデミック収束後にはコロナ前の平常に戻ると考えており、消費行動にも反映されるようになると予想している。機関投資家はストリーミングやデジタル商品をそれほど重要視しておらず、むしろ劇場、レストラン、旅行などの対面型の体験がオンラインショッピング、Netflixといった巣ごもり型の消費を凌ぐと考えられている。

同社は「22年にはリベンジ支出が強力なけん引役になる。消費者の高額商品に対する繰延需要は大きいと考えられるが、サプライチェーンの混乱により価格上昇が続くと予想される。しかし、持続的な経済成長は、現在市場動向を大きく左右している中央銀行の政策次第。過半数の機関投資家は、中央銀行が市場の下支えにつながる政策を撤回すれば長期的な強気相場に終止符が打たれる」とまとめている。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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