時価総額の小さいアルトコインの中から優れたプロジェクトを見分けるコツとは?

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今回は、アルトコインの見分け方について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 仮想通貨プロジェクトに投資する前の3つのポイント
    1-1. いわゆる「草コイン」とは?
    1-2. 仮想通貨トレードの分析手法
    1-3. 仮想通貨トレードのテクニカル分析
  2. 仮想通貨プロジェクトの見分け方
    2-1.仮想通貨プロジェクトはどこで見つけるか?
    2-2.仮想通貨プロジェクトを見分ける5つの観点
  3. まとめ

アルトコインの中でも時価総額が低く取引量の少ない仮想通貨は「草コイン」とも呼ばれ、一般的に草コインは投機性が高いものとみなされます。しかし、その中から将来有望なプロジェクトの仮想通貨を見分ける事が出来れば、リターンが数千倍・数万倍となる可能性もあります。

HEDGE GUIDEではあくまでも投資ポートフォリオの仮想通貨分のメインをビットコインやイーサリアムに振り分けることを推奨しています。しかし、ポートフォリオの1%でも草コイン投資に割り当てて、自分自身で判断をして投資できるようになると仮想通貨投資がまた一段楽しいものとなるでしょう。そこで今回は優れた仮想通貨プロジェクトの探し方について解説します。

①仮想通貨プロジェクトに投資する前の3つのポイント

ここでは仮想通貨プロジェクトに投資する前のポイントについて解説します。

1-1. いわゆる「草コイン」とは?

個人が発行するファントークンや街が発行しているソーシャルトークンなどの例外を除き、市場で取引されている仮想通貨は、なんらかのプロジェクトのユーティリティトークンとして発行されているケースがほとんどです。

仮想通貨プロジェクトは、イーサリアムやネムのようなブロックチェーンだけでなく、DeFiやゲームなどのdApps(ブロックチェーン上に構築されるアプリケーション)なども存在しています。現在、無数のdAppsがそれぞれトークンを発行しているため、玉石混合の状況となっており、優れたプロジェクトを見つけ出すことが困難になっているのです。

1-2. 草コイン投資はSeedラウンド投資に似ている

誕生間もない仮想通貨プロジェクトへの投資は、スタートアップ企業への投資とほとんど同様です。スタートアップ企業への投資は、シード、アーリー、シリーズA,B,Cとラウンドが分かれて行われることが世界的な基準となっていますが、仮想通貨プロジェクトにおいても同様の考え方が用いられています。

スタートアップ企業への早いステージでの投資はベンチャーキャピタルや大企業の投資部門、限られた投資家向けなど、あまりオープンではありませんが、仮想通貨プロジェクトは一般投資家でもシードラウンドに近い状態から参加できる場合があります。

1-3. 草コイン投資に伴うリスク

草コインは取引するユーザーが少ないため流動性が低く、ボラティリティが高くなります。つまり、値動きが激しくなるためトレードには向かない通貨だといえます。

また、仮想通貨プロジェクトは前評判が高いものであってもホワイトペーパー通りにいかないことも多く、プロジェクトが頓挫することも多々あります。例え多くの企業から出資を受けているプロジェクトであっても、ハッキングやコードエラー・市場環境の変化・内部チームの崩壊などにより、価格が暴落することもしばしばあります。

そのため草コイン投資を行う時は、じっくりと腰を据えて少なくとも3年から5年間は保有するつもりで、投資する際の資金量の2%程度にするなどのリスクヘッジが必要です。

②仮想通貨プロジェクトの見分け方

次に、仮想通貨プロジェクトの見分け方について解説します。

2-1. 仮想通貨プロジェクトはどこで見つけるか?

まず、市場にどのような仮想通貨プロジェクトがあるのかを知る必要があります。仮想通貨関連メディアで紹介されるタイミングでは、価格はある程度上がっている事が多いです。

人より一歩早いタイミングで新たな仮想通貨プロジェクトを見つける方法としては、CoinMarketCapで時価総額の少ない仮想通貨の概要欄を読んで興味を持った通貨を調べて行くなど、独自に動く必要があります。他には、海外の仮想通貨取引所のローンチパッド(プロジェクトの資金調達ツール)に登録されている銘柄などを調べて見る方法もあります。

2-2. 仮想通貨プロジェクトを見分ける5つの観点

次に仮想通貨プロジェクトを見分ける際に必要な5つの観点について解説します。仮想通貨プロジェクトは、以下の5つの観点で検証すると、その仮想通貨の将来性が見えてくると思います。

  1. プロジェクトの創業者のバックボーン
  2. どこで、何をする為のプロジェクトか?
  3. 技術的な強み
  4. 投資家の顔ぶれ
  5. 提携先などの顔ぶれ

それぞれの詳細について以降で説明していきます。

①プロジェクトの創業者のバックボーン

まずは、プロジェクトの創業者のバックボーンについて調べてみましょう。その創業者が過去にどの大学で何を勉強したのか?どんな企業で何をしていたのか?と言う点を知る事は、そのプロジェクトの成功に大きく左右すると言えるでしょう。

ブロックチェーンのプロジェクトであっても必ずしもコンピューターサイエンスを勉強している必要が創業者に必要と言うわけではありません。1人でプロジェクトを立ち上げる場合はほとんどないため、創業メンバーの中にIT系の技術者が含まれていることが殆どであるからです。

仮想通貨プロジェクトは、新しいブロックチェーン技術の完成を目指す一方で、ユースケースにおいて利用されるために必要な顧客の獲得、つまりマーケティングの要素も必要であるといえるため、どちらか一方に偏っていてはバランスの取れたプロジェクトとは言えないでしょう。

②どこで、何をする為のプロジェクトか?

あるブロックチェーンプロジェクトが、どの産業分野で何をするために始められているのかと言う点は、そのプロジェクトがビジネスとしてスケールするかどうかと言う点に大きく関わります。

例えば、リップルなどの国際送金の代替手段を目指して開発されているプロジェクトであれば、国際資金の市場規模が54兆円で、自動車販売の市場規模が57兆円ということを比較すると、そのプロジェクトが対象としている市場規模がわかり、どの程度のシェアを獲得することでどの程度の売上が見込めるかということも推測することが可能です。

また、市場規模に関しては将来的な予測も大切で、関連する産業のシンクタンク等の調査結果と合わせて、判断すると良いと思います。

③技術的な強み

そのプロジェクトのブロックチェーンとしての技術的な強みを理解する事は、対競合観点で非常に重要となります。現在のブロックチェーンにはスケーラビリティー問題などの課題があり、その点においてどのような特徴を持っているのかと言う視点で見ると将来性が見えてきます。技術的な強みに関してはホワイトペーパーに書かれているため、プロジェクトを見極めるためにはホワイトペーパーを読み解く必要があります。

④投資家の顔ぶれ

プロジェクトに先行投資している顔ぶれもそのプロジェクトの優劣を判断するヒントとなります。投資をしていると言う事は、そのプロジェクトの将来性が期待できるからこそ投資をしているわけであり、どのような組織や企業が投資しているかを確認する事でユースケースが想定できます。

また、投資をしている企業の顧客資産などはそのプロジェクトにとっても利用できることが多いため、将来的にどのような使われ方をしそうかと言うことを推測することも可能です。

⑤提携先

また、そのプロジェクトが提携している先や、そのプロジェクトが持つブロックチェーン技術を利用した他の団体の運営によるプロジェクトにどのようなものがあるのかと言う点を確認することも大切です。

③まとめ

仮想通貨プロジェクトの優劣を見極めるための作業は、トレードとは異なる作業ですが、あるブロックチェーンについて詳しくなればなるほど仮想通貨の世界が魅力的で楽しくなるはずです。まずは、興味を持った通貨のホワイトペーパーを読むところから始めてみてはいかがでしょうか?

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12