株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」を展開する株式会社日本クラウドキャピタルは6月8日、経済産業省認定の「エンジェル税制認定業者」として認定されたと発表した。株式投資型クラウドファンディングの運営企業として、国内初の認定業者となる。
従来、エンジェル税制の認定業務は各都道府県が行い、ベンチャー企業は最大20種類ほどの書類を都道府県へ提出する必要があった。同社が経産省の認定業者となることで、ファンディーノにおいて資金調達するベンチャー企業のエンジェル税制適用の認定業務を各都道府県に代わって行えるようになるため、手続きは簡略化され、ベンチャー企業の負担が軽減される。
エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するため、ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度。 ベンチャー企業に対して個人投資家が投資を行った場合、投資時点と売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができる。日本では活用途上の制度だが、同社はファンディーノでの活用を図っている。2017年のファンディーノの調達件数は13件、エンジェル税制申請企業数4件、申請投資家数445人。18年は調達件数31件、エンジェル税制申請企業数8件、申請投資家数1370人、19年は調達件数30件、エンジェル税制申請企業数14件、申請投資家数1915人に上る。なお、17年はファンディーノの申請が日本全体申請数の約40%、18年は約68%に上昇。19年は統計中だが、圧倒的なシェアを占め、日本のエンジェル税制普及をけん引している。
エンジェル税制認定業者に認定されるには①民間のプロの目利きを持つ、②専門的知識や経験を活用して発行会社の成長を支援していく、③株式投資型クラウドファンディングの取扱業者であることが条件だ。ファンディーノはサービス開始から約3年間で132案件、累計成約額約30億円の実績を持つ。資金調達を行う企業は審査資料に基づき、審査グループが中心となって審査を進め、審査会議において内部管理統括責任者、コンプライアンス部長、広告審査部長の全員一致で審査通過となった企業が、ファンディーノで資金調達のための募集を行うことができる。この審査過程と資金調達後の企業の成長支援も継続的に行っていることが評価され、認定業者としての要件である「専門的知識や経験を活用して発行会社の成長を支援していく」という項目を満たした。「これからも安定した審査と資金調達企業の成長支援を行うことで、日本経済に寄与していく」と意欲を新たにしている。
ファンディーノは1口10万円前後の少額からIPOやバイアウトを目指すベンチャー企業の株式に投資できる。ベンチャー企業は各地から集まり、その中から厳しい審査を通過した企業のみが募集を行う。普通株式や新株予約権への投資となり、投資先企業からのIR情報を定期的に確認することが可能。企業によっては投資に対してエンジェル税制を活用できる場合や株主優待を設定している会社もあり、新しい投資体験を可能としているのも特徴だ。
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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム
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