英石油大手BP(ティッカーシンボル:BP)は2月27日、保有するロシア石油大手ロスネフチ(ROSN)の株式19.75%を売却すると発表した(*1)。
あわせて、バーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)とボブ・ダドリー前CEOは、ロスネフチの取締役を即日辞任した。ルーニーCEOは2020年より、ダドリー前CEOは13年より取締役に就いていた。
BPは30年以上にわたりロシアで事業を展開してきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロスネフチ株保有の見直しを迫られていた。BPのヘルゲ・ルンド会長は「ロシアのウクライナ軍事侵攻で状況が根本的に変わった」と述べ、国営企業であるロスネフチとの関係を続けることはできないと判断した(*1)。
英国政府はロシアのウクライナ侵攻をあおるロスネフチを糾弾。25日には、クワシ・クワーテング英民間企業・エネルギー・産業戦略相が、ルーニーCEOからロシア事業について聴取していた。その後、BPがロスネフチ株の売却を発表したことを受け、同相はロシアが不当にウクライナへ軍事侵攻したことで、プーチン大統領率いるロシアで商業的利益を有する英国企業にとっては警鐘を鳴らすものであったに違いないと述べるとともに、BPの決断を歓迎しているツイートをしている(*2)。
ロスネフチ事業はBPの石油・ガス生産量の3分の1を占めてきたが(*3)、今回の株式売却により、5月発表予定の22年第1四半期決算にて減損処理を行う予定だ。
BPの決断はロシアで事業展開する他の企業にも影響を及ぼすことは必至であるとみられ、今後も同様の動きが続くのか注目する必要がある。
【参照記事】*1 BP「bp to exit Rosneft shareholding」
【参照記事】*2 ツイッター「クワシ・クワーテング英民間企業・エネルギー・産業戦略相」
【参照記事】*3 CNBC「BP offloads its nearly 20% stake in Russia’s Rosneft」
【関連記事】在日ウクライナ大使館がTwitterで寄付先口座公表
【関連記事】ロシアのウクライナ侵攻による日本株への影響は?過去の類似事例も

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム (全て見る)
- プライベートサウナ付き宿泊施設の運営ベンチャーがFUNDINNOで事業拡大に挑戦 - 2023年1月26日
- 細胞医療の新技術を酪農分野やバイオマス分野に展開。医療ベンチャーがFUNDINNOで2回目の挑戦 - 2023年1月23日
- 「停電対応LEDで災害時にも安心・安全な社会をつくる」メーカー兼販売店がFUNDINNOで資金調達へ - 2023年1月23日
- 手待ち服とEC商品とのコーデ提案で着回しアイデアが広がる、ファッション体験アプリ開発企業がFUNDINNOで資金調達へ - 2023年1月20日
- クボタのESG・サステナビリティの取り組みは?株価や配当推移も - 2023年1月19日