韓国の科学技術省は2月27日、同国のメタバースエコシステム「Expanded Virtual World」構築のために1億8,500万ドル(約210億円)を投資することを発表した。
同省が提示した今回の資金は、メタバースエコシステムの構築の他に、分散型クリエイター経済の発展、人材育成、VR/ARデバイスの開発に取り組む企業の支援にも充てられる。
今後は個人情報や知的財産の保護、違法行為の監督など、仮想空間における問題に取り組むため、政府内に協議会の設立が予定されているという。
同省は、1月10日にもデジタルニューディール2.0(Digital New Deal 2.0)計画の一部として、メタバースに関する戦略(pan-government strategy on metaverse)を発表している。韓国が破壊的イノベーションや新興技術に適切に対応し、将来に備えるための戦略だ。
この戦略は以下の4つを主題としている。
- メタバースプラットフォームエコシステムの再活性化、メタバースプラットフォームを成長させるための環境の醸成
- メタバース分野の人材の育成、地域による制約を受けないメタバースの利用機会やメタバースイベントへの参加機会の提供
- メタバースを専門とする先導的企業の育成、これを支援する実証施設などのインフラや資金の提供
- 倫理的原則の設定やデジタル資産・著作権の保護を含む模範的メタバース世界の作成
同国では、2026年までにメタバース領域での世界ランクを5位まで上げるとしたほか、生活、観光、教育や芸術など各分野でのメタバースプラットフォーム構築を支援する方針を示した「メタバース新産業先導戦略」を発表している。
その他暗号資産領域における直近の動向として、政府系ファンドKorea Investment Corpが、先端技術分野へのエクスポージャーを増やす計画を立てていることが判明した。サムスンやグループなど同国の大手企業では、NFT(非代替性トークン)やメタバース領域への資本投入が進んでいるという。
今後、科学技術省ではメタバースエコシステムの他にメタバースの開発者を対象とした、開発コンテストやハッカソンの実施も予定されているようだ。
【参照記事】South Korea places $185M bet on the metaverse
株式会社techtec リサーチチーム
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