世界の株式に投資できる投資信託、主なファンド5つを比較解説

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世界中の株式を運用対象とした投資信託を購入することで、国内外の幅広い株式に投資することが可能です。ファンドによって先進国や新興国など対象国の区分などもあるものの、簡単に地域分散投資を行うことができます。

しかし、投資信託は投資できる対象が多いことから、全世界の株式を対象にしたファンドを選ぶポイントがわからない、そもそもどのようなファンドを選択すればいいのかわからない、と悩む方もいるでしょう。そこで、今回は全世界の株式に投資する意味やメリットとデメリット、主なファンドについて解説していきます。

目次

  1. 世界の株式に投資できる投資信託とは
  2. 全世界株式ファンドの特徴
    2-1.世界的企業へ少額から投資できる
    2-2.分散投資がリスク軽減につながる
    2-3.短期的に大きな値上がりは望めない
  3. 主な全世界株式ファンド5つを比較
  4. まとめ

1.世界の株式に投資できる投資信託とは

世界中の株式に投資できる投資信託とは、文字通り世界中の国々、例えば米国や中国、日本、欧州などの様々な株式銘柄を運用対象とするもののことです。

なお投資信託における投資地域については、主に下記のように種類と傾向が分かれます。全世界対象のファンドの場合、基本的にはどちらも含めての投資が実行されます。

種類 傾向
先進国 世界的な恐慌などの環境・経済的な出来事以外では、価額に大きな変化は起こりにくい。また変動幅が小さくなりやすいため、リターンも小さくなる可能性が高い
新興国 値動きが激しく、リスクも高いものの、地域として今後の成長が見込める。そのため高いリターンを得られる可能性がある

株式は企業が発行する有価証券で、主に売却によって資金調達のための手段として用いられます。株式の動向はそれぞれの地域によって傾向が異なるため、大まかでも傾向を把握することは大切なポイントだといえます。ちなみに、一般的な全世界株式ファンドでは、アメリカ企業の株式を多く含んでいます。

2.全世界株式ファンドの特徴

全世界株式ファンドの特徴や主なメリット・デメリットを見ていきます。

2-1.世界的企業へ少額から投資できる

全世界株式を対象とした投資信託では、世界的な企業に対して少額から投資可能です。個別株式への投資の場合、最低購入価格は数十万円~数百万円にのぼる銘柄も一般的であるため、投資初心者の方にとっては投資のハードルは低いとはいえません。また分散投資を考えると、さらに多くの資金が必要になってしまいます。

この点、全世界株式ファンドでは多数の銘柄に対し、より少ない金額から投資を行うことができるため、効率よく投資することができます。また組み入れ銘柄の中にはアップルやトヨタ自動車といった世界的企業が入っているケースが多いことから、そうした世界的銘柄に投資したいと考える方にとっても便利だといえます。

2-2.分散投資がリスク軽減につながる

たとえ大企業だとしても、株価が急落したり倒産したりするリスクがあります。そのため一つの銘柄に投資を行うより、複数の銘柄に分散したほうが、個別企業の経営状況やニュースといった要因に左右される懸念を減らすことができます。

また、国単位で考えた場合、政治や経済の動向によるカントリーリスクが存在します。一般的に先進国ではリスクが低く新興国では高い傾向にありますが、これも同様に、複数の国に投資対象を分散させることで全体のリスクを軽減することが可能になります。

全世界株式ファンドでは銘柄と地域の分散が合わせて可能なため、値動きが大きめの資産である株式を投資対象にしながらも、リスクを抑えつつ長期的な成長を狙うことが可能になります。

2-3.短期的に大きな値上がりは望めない

上記のように分散性に長けた商品であるぶん、短期的に基準価額が急騰したり急落したりすることは少なく、あったとしても個別銘柄に比べればその幅は小さいといえます。したがって、短期的に大きな利益を狙うには向いておらず、長期的に国や企業の成長を期待して運用していくスタイルが前提となる点には注意が必要です。

3.主な全世界株式ファンド5つを比較

以下では、全世界株式ファンドについて、主なものを5つピックアップして解説します。それぞれの投資信託の特徴を確認し、購入検討の材料にしてみてください。

※2020年8月31日時点の情報です。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

ファンド名 信託報酬 純資産額 基準価額 主な組入銘柄 購入できる金融機関 指数
たわらノーロード全世界株式 0.132% 3.25億円 11,064円 Microsoft
Apple
Amazon
Facebook
アリババ
テンセント
SBI証券
楽天証券
マネックス証券[PR] 松井証券
岡三オンライン
MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース、配当込み)
eMAXIS Slim 全世界株式 0.1144% 443.63億円 11,836円 Microsoft
Apple
Amazon
Alphabet
ジョンソン&ジョンソン
auカブコム証券
SMBC日興証券
GMOクリック証券
楽天証券
LINE証券
MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース、配当込み)
SBI・全世界株式インデックス 0.0682% 9,157百万円 11,200円 Microsoft
Apple
バークレイズ
サムスン
トヨタ
HSBC
テンセント
HD FC Bank
SMBC日興証券
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
岡三オンライン
GMOクリック証券
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)
野村インデックスファンド・外国株式 0.605% 169.9億円 30,843円 Microsoft
Apple
JP モルガン
ジョンソン&ジョンソン
SBI証券
auカブコム証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
MSCI-KOKUSAIインデックス(円換算ベース)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 0.132% 496.40億円 11,553円 Apple
Microsoft
Alphabet
Amazon
JPモルガン
Facebook
Royal Dutch
auカブコム証券
SMBC日興証券
岡三オンライン
楽天証券
松井証券
マネックス証券
SBI証券
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

上記の表を比較してみると、組み入れ銘柄には、どれもAppleやAmazon、Facebookなど米国の大手企業が名を連ねています。米国企業は時価総額が大きく、世界経済に影響を与える力が強いことから、全世界株式ファンドでも同様に米国の比重が高い傾向となっています。その他の国の銘柄はファンドによってばらつきが見られます。

また信託報酬と純資産額はファンド選択の際の主な指数となり得るものです。信託報酬は運用者への手数料であり、ファンドの運用中には上記の年率が日割りで課されることとなります。そのため安いほうが有利となります。一方、純資産額はファンドの人気を示す指数であり、大きいほど投資が集まっているため、長期的に運用が継続される期待があるといえます。

他にも大きな違いは、何を指数としているのかという点です。今回、上記のファンドで使用されている指数は下記になります。

  • MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス
  • FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス
  • MSCI-KOKUSAIインデックス

MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスは、23ヶ国の先進国、26ヶ国の新興国の株価指数を表すものです。日本での外国株式の指数として多くのファンドで指数として使用されています。

FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスは、イギリスのFTSE社が提供している指数です。先進国と新興国を対象としており、約7,600銘柄を対象に組み入れ銘柄を決定しています。構成比率は、アメリカ株式が多く、次いで日本、ヨーロッパとなっています。ちなみに、FTSEの場合は、小型株も対象となることがMSCIとの違いです。

MSCI-KOKUSAIインデックスは、日本を除く22の先進国の株価指数を表す指数です。1,300の大型・中型株を対象としており、市場の85%をカバーしています。

対象とする指数が異なれば、値動きの傾向も上記に沿って変わることとなります。そのため投資信託を選ぶ際は、どの指数をベンチマークとしていて、その指数はどのような特徴を持っているのか、今後どのような値動きをしそうかを調べるのもポイントです。

まとめ

全世界に投資できる投資信託を購入することは、世界各国の企業の株式に対して分散投資を行うことを意味します。それぞれのファンドで連動する指数は異なるため、その指数がどのような特徴を持つかを把握しておくことも必要です。

投資信託には価格変動や元本割れのリスクはあるものの、全世界株式ファンドは分散性が高いため、個別株式に比べるとそういったリスクを低く抑えられます。一方、短期的なリターンではなく長期的なリターンを期待して運用することが求められます。購入や運用にあたっては焦らずに、投資する地域やファンドの特性を把握する所からスタートしてみましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。