【初心者向け】ソーシャルレンディングの仕組みを分かりやすく解説

最近はマネー系の雑誌や経済誌などでもソーシャルレンディングが取り上げられる機会も増えており、どういった投資方法なのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、そういった初心者の方に向けてソーシャルレンディングの仕組みをわかりやすく解説したいと思います。

この記事を読むことで、ソーシャルレンディングが投資家や企業に人気の理由がわかります。新しい投資に興味のある方、投資先の選択肢を増やしたいという方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

目次

  1. ソーシャルレンディングの仕組みとは
  2. 企業がソーシャルレンディングを利用する理由
  3. 投資家がソーシャルレンディングを利用する理由
    3-1.高利回り5~15%が期待できる
    3-2.担保や保証付きの案件がある
    3-3.投資後は手間がかからない
  4. 安心して事業者を仲介役にできる理由
    4-1.資金を集めるには「金融商品取引業者」の許可が必要
    4-2.資金を融資するには”貸金業者”の許可が必要
  5. ソーシャルレンディングは「融資」ではなく「投資」
  6. まとめ

1.ソーシャルレンディングの仕組みとは

ソーシャルレンディングとは、

  • 資産を運用したい投資家
  • 事業資金を必要とする企業

この2者を、事業者が結びつける仕組みです。

事業者がインターネットを介して、個人の投資家から集めた資金を、企業へ貸し付けます。そして、資金の融資で発生した利息を、事業者と投資家で分け合うことで、サービスを成り立たせています。したがって、ソーシャルレンディングは、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。

なお、以前のソーシャルレンディングでは、個人への資金融資も行っていました。しかし、個人の融資先は返済能力の見極めが難しく、多くのデフォルト(貸し倒れ)が発生しました。そこで現在、国内事業者の融資先は、個人ではなく企業がメインとなっています。

※アメリカや中国などの海外では、個人への融資活動がいまだに活発です。

2.企業がソーシャルレンディングを利用する理由

「事業資金が必要なら、どうして銀行から借りないの?」と思われるかもしれません。それは、融資先企業が

  • 銀行から資金を借りられない
  • 銀行から資金を借りるメリットがない

という理由があるからです。ただ、「銀行から資金を借りられない=経営に不安がある」というわけではありません。その理由を今からご説明しましょう。

ソーシャルレンディングを利用する主な企業は、

  • 不動産事業
  • 貸金業
  • 再生エネルギー発電所の建設事業
  • アミューズメント事業

などを行うために、事業資金を得ようとします。しかし、このときに銀行を利用しないのは、

  • 創立の年数が浅く、銀行融資の対象外
  • 必要な資金が少額のため、銀行が融資に積極的ではない
  • 返済スケジュールと事業のキャッシュフローが合わない
  • 短期的に必要な資金なので、手早く欲しい
  • 返済の順序を後回しにできる形で借りたい
  • 建設前の物件のため、現時点で担保がない

などの理由があるからです。

もちろん、企業の返済能力や見込みについては、ソーシャルレンディング事業者が厳密な調査を行います。その結果、事業者は返済できる可能性の高い企業にだけ、資金を融資するのです。

3.投資家がソーシャルレンディングを利用する理由

投資家がソーシャルレンディングを利用する理由としては、

  • 高利回り5~15%が期待できる
  • 担保や保証付きの案件がある
  • 投資後は手間がかからない

などがあります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

3-1.高利回り5~15%が期待できる

投資家がソーシャルレンディングを利用する理由のひとつが、高利回りを期待できることです。世の中には、

  • 定期預金
  • 株式投資
  • 債券(国債・社債)
  • 投資信託
  • J-REIT(リート)

など、いろいろな投資方法があります。それらのリスクやリターンは、投資方法によって異なります。

一方、ソーシャルレンディングは、利回りが年利5~15%ほどです。よって、「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資方法と言われています。

ソーシャルレンディングは、今のところ高い利回りに対して貸し倒れの比率を少なくおさえることができているため、安定した利回りが期待できる投資手法として期待が集まっています。

しかし、投資したお金は、かならず手元に戻るわけではありません。何か経済上のトラブルに巻き込まれたときに、融資先企業が貸し倒れを起こすリスクは避けられないので注意が必要です。

3-2.担保や保証付きの案件がある

投資家がソーシャルレンディングを利用する理由として、案件に担保や保証が付いていることが挙げられます。

投資家が事業者にお金を預けるのは「投資」ですが、事業者が投資家から集めたお金を企業に貸し付けるのは「融資」です。融資の場合、事業者は資金の返済確率を高めるために、借り手の企業がもつ不動産などを担保に設定できます。

たとえば、融資先企業が、資金を返済できなかったとしましょう。

その場合、事業者は担保として設定された不動産を売却することができます。それで資金の一部もしくは全部が回収できるため、担保や保証付きの案件に限り、ソーシャルレンディングは株式投資や投資信託より、安定性が高いと言われています。

3-3.投資後は手間がかからない

投資家がソーシャルレンディングを利用する理由として、投資後は手間がかからないこともあります。

ソーシャルレンディングは、事業者と企業の間で取り決めた融資計画に、投資家が乗っかる形で投資を行います。そして、その融資計画には、融資期間があらかじめ定められるのです。

つまり、投資家は投資が一度完了したら、融資期間の終了まで投資家の都合で資金を引き上げることができません。

例外として、融資先企業が資金を早めに返済した場合は、融資期間の終了を待たずに、資金が戻るケースもあります。しかしそれ以外は、基本的に投資家は融資期間の終了を待つしかありません。

しかし、裏を返せば、投資家は運用状況を気にする必要がないということです。投資の運用中、事業の進捗はほとんどわかりません。したがって、投資家はその間に何も気にせず、利息の発生を楽しみに待てばよいのです。

しかし、運用がうまくいっているか心配な場合や貸し倒れリスクが気になるという方は、担保や保証付きの案件を選ぶのがいいでしょう。その分、保証の無い案件よりはリターン(利回り)が下がるので、メリット・デメリットをしっかり検討してから決めると良いでしょう。

4.安心して事業者を仲介役にできる理由

投資家が、企業との仲介役である事業者に安心してお金を預けられる理由は、事業者が

  • 金融商品取引業者
  • 貸金業者

の許可を取っているからです。それでは、この2つはどういったものなのでしょうか。

4-1.資金を集めるには「金融商品取引業者」の許可が必要

ソーシャルレンディング事業は、誰もが自由に行えるわけではありません。投資家から集めた大事なお金を管理する必要があるため、事業者には「金融商品取引業者」の許可が必要です。詐欺や犯罪が起こらないように、特別な登録を受けた事業者のみが、投資家の資金を集められます。

実際に、事業者HPの会社概要やページの最下部には、金融業者としての登録番号が記載されています。金融商品取引法の法律に従って、監督官庁の指導のもと、安全に事業を運営しているのです。

4-2.資金を融資するには「貸金業者」の許可が必要

ソーシャルレンディング事業を行うには、金融商品取引業者の許可だけでは足りません。事業者にはもうひとつ、「貸金業者」の許可も必要なのです。

金融商品取引業者の登録だけでは、事業者が投資家から資金を集めるだけに留まります。よって、集めた資金を企業へ融資するために、事業者は別途で貸金業者の許可も取らなくてはいけません。貸金業を行う場合、適用される法律も貸金業法に変わります。

そのように、ソーシャルレンディング事業を行うためには、2つ(金融商品取引業者と貸金業者)の許可が必要です。ただ例外として、

  • 海外企業が資金の貸付を行う(海外企業が現地の法律に則り、資金を融資)
  • 他の貸金業者が貸し付けた債権を購入して、投資案件にする

これらの場合は、貸金業者の許可がいりません。金融商品取引業者の許可のみで運営ができます。

また、金融商品取引業と貸金業を、ひとつの会社で兼ねないケースもあります。

たとえば、業界最大手サービスのmaneoを例にしてみると、金融商品取引業をmaneoマーケット株式会社が担当しています。そして貸金業務は、maneo株式会社が担当しています。

5.ソーシャルレンディングは「融資」ではなく「投資」

投資家にとって、ソーシャルレンディングは”「融資」ではありません。融資の場合は融資先に返済義務が生じますが、投資家が行うのはあくまでソーシャルレンディング事業者への「投資」です。実際の融資は、貸金業者の許可をもつ事業者が行います。

投資は融資と異なり、返済義務がありません。融資先企業の事業がうまくいかなかった場合、最悪資金が戻らない可能性があります。「ソーシャルレンディングは、投資家が企業へ資金を融資するもの」と勘違いしていると、いざ貸し倒れが起こった時に後悔をすることになりますので、始める前に注意をしましょう。

したがって、ソーシャルレンディングは貸し倒れのリスクもある投資方法と、しっかり理解する必要があります。

6.まとめ

以上、ソーシャルレンディングの仕組みをわかりやすくご紹介しました。

おさらいすると、ソーシャルレンディングとは、事業者がインターネットを介して、個人の投資家から集めた資金を、企業へ貸し付ける仕組みです。

そして、企業がソーシャルレンディングを利用するのは、

  • 銀行から資金を借りられない
  • 銀行から資金を借りるメリットがない

という理由があるからでした。そしてこの場合は、企業が経営不振というわけではありません。

反対に、投資家がソーシャルレンディングを利用する理由としては、

  • 高利回り5~15%が期待できる
  • 担保や保証付きの案件がある
  • 投資後は手間がかからない

からとお伝えしました。

そして投資家が、企業との仲介役である事業者へ安心してお金を預けられるのは、事業者が

  • 金融商品取引業者
  • 貸金業者

の許可を取り、監督官庁からの指導を受けているからです。

定期預金などの資産を高い利回りで運用して見たいという方、投資先の選択肢を増やしたい方は、ぜひソーシャルレンディングをご検討されてみてはいかがでしょうか。

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石村淳

石村淳

ローリスクでの資産運用を目指すフリーライター。ソーシャルレンディングや仮想通貨などで、少しずつ資産を増やしています。HEDGE GUIDEではソーシャルレンディング記事が担当です。読者の方の疑問が残らないように、わかりやすく読みやすい文章を心がけています。