コミュニケーションアプリLINEを運営するLINE株式会社(以下、LINE社)は9月27日、同社の構想する「LINE Token Economy」において、「未来予想」「Q&A」「商品レビュー」「グルメレビュー」「スポットSNS」の領域でブロックチェーン技術を応用したDAppsを提供する計画を発表した。
LINE Token Economyは、LINE社が独自に開発したブロックチェーン技術を活用することで、サービス提供者とユーザーの関係がともに成長でき、LINEの提供するトークンを利用して経済活動を行うトークンエコノミーだ。LINE Token EconomyはLINE社が開発するブロックチェーン「LINK Chain」を基盤としており、データのハッキングや改ざんを防ぐ信頼性と安全性の高さが特徴だ。また、Link ChainではLINE社独自の仮想通貨である「LINK Point(日本向け)」「LINK(海外向け)」の利用が可能となる。
LINE Token Economyでは、様々な優れたDAppサービスを提供することでLINK PointおよびLINKがユーザーに活用され、実世界と暗号世界の距離を縮めていくことを目指す。LINE社は、現在普及を見せるICOにとどまらず、ユーザーにとって実際に価値の高いサービスやユーザーが価値を得られる仕組みを、ブロックチェーン技術を活用することによって構築、拡大したい考えだ。
今回発表されたDAppsは、未来予想プラットフォーム「4CAST」、知識共有プラットフォーム「Wizball」、商品レビュープラットフォーム「Pasha」、グルメレビュープラットフォーム「TAPAS」、ロケーションSNSプラットフォーム「STEP(仮)」の5つだ。それぞれのプラットフォームでは、サービス内でのユーザーのアクションがサービス価値を向上させた場合に、価値に貢献したユーザーに対してインセンティブが付与される仕組みとなっている。現在、未来予想サービス「4CAST」と知識共有プラットフォーム「Wizball」のβ版が一部のユーザーに先行公開されている。
DAppsは中央管理者が存在せず、不特定多数の者が自律的に行動した結果、全体のシステムが機能する自律分散型アプリケーションのことで、ビットコインやイーサリアムがその代表とされている。LINE Token EconomyのDAppsは現在、LINE社のみがサービスを提供するかたちとなっているが、現在開発者用キットの公開準備が進められており、2019年を目処にLINE社以外によるサービス提供も可能になるとしている。これにより、サービス提供者側は、独自にブロックチェーンネットワークやトークンエコノミーを開発・構築する手間をかけることなく、トークンエコノミーを導入することが可能となる。
潜在的な市場規模が67兆円とも試算されるブロックチェーン産業は、LINE社の掲げるトークンエコノミーに限らず、土地登記、シェアリングエコノミー、美術品の真贋認証、電力取引などまで、さまざまな分野で活用が期待されている。いまだ普及に向けた課題も多く指摘されるブロックチェーンは今後どのような拡がりを見せていくのか。注目していきたい。
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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