バリューファンドのメリット・デメリットは?具体的なファンドも

※ このページには広告・PRが含まれています

投資信託を購入するときは、自分が許容できるリスクの中で最大のパフォーマンスを発揮できる商品を選択していくことが大切です。しかし、投資信託には様々な商品があり、どれを選べば良いのか迷うことも多いといえます。

そこで、今回は数ある投資信託の中でも割安株を中心に投資するバリューファンドの特徴、メリット、デメリットを解説します。日本株を中心とした投資信託の購入を検討している方、資金的に低コストの投資信託を探している方は参考にしてください。

※記事内の情報はすべて2020年9月17日時点のものです。記事内で取り上げたファンドの最新情報は各サイト上でご確認ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. バリューファンドとは?
    1−1.バリューファンドは割安株に投資をするファンド
    1−2.バリューファンドに組み入れる銘柄の選び方
  2. バリューファンドのメリット、デメリット
    2−1.バリューファンドのメリット
    2−2.バリューファンドのデメリット
  3. バリューファンドの事例3選
    3−1.大和住銀日本バリュー株ファンド
    3−2.ダイワバリュー株オープン
    3−3.フィデリティ・日本バリュー・ファンド
  4. まとめ

1.バリューファンドとは

ここでは、バリューファンドの特徴について詳しくみていきます。何故バリューと呼ばれているのかを知ることで、投資を行う際の指針にすることが可能です。

1-1.バリューファンドは割安株に投資をするファンド

バリューファンドは、企業の価値が株価を上回っている「割安株」を組入れて運用するファンドです。割安株は、株式の価格のみに着目した場合に、企業価値に対して割安な株式のことをさします。

また、バリューファンドはアクティブファンドの一部です。ファンドマネージャーが個別銘柄を選択して運用し、日経平均などの指数を上回るパフォーマンスを目指します。

1-2.バリューファンドに組み入れる銘柄の選び方

バリューファンドでは、利益や資産、配当などの指標と実際の株価を比べて割安な企業の株式が購入されます。具体的にはPERやPBRといった指標を参考にしながら銘柄が選ばれます。購入者は、何を指標にファンドがその銘柄を組み入れているのかを分析することで、今後の資産運用の傾向を予想できます。

割安株には、例えば業績や計画を株主に伝えるのが不十分な企業や、資産運用が得意ではない企業などが含まれています。そのため、これらの問題が改善された場合や企業体質が変わった場合は、大きく株価が上昇する可能性を秘めています。

2.バリューファンドのメリット、デメリット

バリューファンドのメリット、デメリットを見ていきます。下落リスクの低さなどのメリットだけでなく、ニーズの低さなどのデメリットにも注意が必要です。

2-1.バリューファンドのメリット

バリューファンドのメリットは、グロース銘柄などと比較すると下落リスクが限定されていることです。バリューファンドでは、企業の価値と現在の株価を計算・比較して銘柄を選択します。業績などから考えて現状で安価といえる状況であり、市場の見直しが入れば価格上昇が期待できる銘柄を投資対象としている点が特徴です。

2-2.バリューファンドのデメリット

バリューファンドの投資対象になる銘柄の多くは、投資家からの注目を集めにくい銘柄、資金が集まりにくい銘柄です。したがって、短期間でのパフォーマンスの向上は期待しにくいといえます。

多くの投資家に注目をされたとしても、株価が動き出すまでに時間がかかってしまうリスクがあります。成果が出るまでに時間がかかることがバリューファンドのデメリットです。

また、業界全体が不況の時には、バリュー銘柄も購入当初の水準からさらに下落する可能性があります。

また、アクティブファンドに共通することとして、信託報酬がインデックスファンドと比較すると高額です。ファンドマネージャーが積極的に銘柄を選択・入替する点が費用として返ってくるため、その後の運用成績次第では長期間投資信託を運用し続ける方にとってはデメリットとなり得ます。

バリューファンドを選ぶ時は、運用実績とともに信託報酬を確認し、長期間の保有を前提として比較しましょう。

3.バリューファンドの事例3選

ここでは、バリューファンドのうち具体的な商品を3つ紹介していきます。ファンドの傾向を知ることで投資を行う際の判断材料の1つとして役立ててください(信託報酬はすべて年率・税込です)。

3-1.大和住銀日本バリュー株ファンド

信託報酬 1.672%
純資産総額 98.03億円
基準価額 11,950円
委託会社 三井住友DSアセットマネジメント
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAあり、つみたてNISAなし
購入できる主な金融機関 SMBC日興証券
auカブコム証券
SBI証券
マネックス証券
楽天証券
など

大和住銀日本バリュー株ファンドは、上場銘柄群の中から、割安グループに分類して銘柄を選定し、運用しているファンドです。東証プライム上場の全銘柄の動向を表すTOPIX(東京株価指数)を基準として、中長期的に上回るパフォーマンスを目標にしています。

また、実質的な投資はマザーファンドである日本バリュー株マザーファンドが行います。組入銘柄には、ソニー、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行や電気機器、通信業が目立ちます。

3-2.ダイワバリュー株オープン

信託報酬 1.672%
純資産総額 121.27億円
基準価額 9,805円
委託会社 大和アセットマネジメント
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAあり、つみたてNISAなし
購入できる主な金融機関 松井証券
SMBC日興証券
SBI証券
auカブコム証券
マネックス証券
楽天証券
など

ダイワバリュー株オープンは、PERやPBRといった指標に着目をして、現状の株価よりも割安と想定される銘柄を組み入れているファンドです。TOPIX(東証株価指数)を上回る投資成果を目指して、長期視点で運用されています。

また、マザーファンド方式であるためダイワ・バリュー株・オープン・マザーファンドを通して資産運用を行っています。組入銘柄は、トヨタ自動車、オリックス、KDDIなど電子機器や輸送機器、通信業が高い割合を占めている状態です。

3-3.フィデリティ・日本バリュー・ファンド

信託報酬 1.65%
純資産総額 12.2億円
基準価額 34,120円
委託会社 フィデリティ投信
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAあり、つみたてNISAなし
購入できる主な金融機関 SMBC日興証券
SBI証券
松井証券
楽天証券
など

フィデリティ・日本バリュー・ファンドは、国内株式の中でも総合的な分析によって割安な状態にある企業を割り出して投資を行うファンドです。株式以外にも投資を行いますが、株式の割合は資産全体の65%超を基本として運用されます。

ベンチマークとする指標は、低PBR銘柄で構成されるRussell/Nomura Total Market Value インデックス(配当金込)で、ベンチマークを上回る資産の成長を目指し積極的な運用を行います。

まとめ

バリューファンドは、企業価値と比較して株価が割安の銘柄をファンドに組み入れているファンドです。市場で企業価値の見直しが入れば株価の上昇が期待できる一方で、割安に放置されたまま思うように値上がりせず損切りに至る銘柄もあります。そのため、購入の際はファンドにどのような銘柄が組み込まれているか、過去の成績や手数料などと合わせて慎重に検討が必要です。

The following two tabs change content below.

鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。