米国株の積立投資、メリット・デメリットと対応サービスは?

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日本の投資家の間では米国株の人気が高まっています。背景には、日本経済が超高齢化社会に入っているため株価の高い成長が期待できない一方、米国経済は今後も高い経済成長が見込めるため、株価の成長が期待できるからです。また、米国株が1株から投資できることも人気の一因です。

SBI証券や楽天証券では、米国株の積立投資が可能です。積立投資の良い点は、長期的な目線に立つことで株価水準を気にすることなく一定の株式を購入できることです。積立投資は、継続すればするほど株数が増えるため、将来的に大きな資産を形成することが可能です。

そこで、今回は米国株積立投資のメリット・デメリットなどについて解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 積立に向いている米国株
  2. 積立には一般NISA
  3. 積立投資のメリット
    3-1.無理のない投資が可能
    3-2.タイミングを気にせずに投資
    3-3.配当金の複利運用で再投資
    3-4.長期的に大きな資産形成も可能
  4. 積立投資のデメリット
    4-1.短期的なハイリターンは期待薄
    4-2.元本割れの可能性
    4-3.株価上昇時は投資金額も増加
    4-4.株主優待制度はない
  5. 米国株の自動積立ができる証券会社
    5-1.SBI証券
    5-2.楽天証券
  6. まとめ

1 積立に向いている米国株

米国株は積立投資に向いています。その理由の一つに、米国株が1株から投資できることが挙げられます。手元資金が少なくても、世界規模で活躍している企業に投資できるのです。

例えば、アップルの株は2022年3月29日時点で175.60ドル(約2.1万円)から投資可能で、コカ・コーラは61.92ドル(約7,600円)から投資が可能です。また、手数料についてはSBI証券や楽天証券では約定代金の0.495%で、約定代金が2.1万円の場合107円です。(1米ドル123円で計算)

ネット証券が普及していないころ、外国株を扱う多くの証券会社では投資最低金額を設定しているため、外国株投資をする場合、ある程度まとまった金額が必要でした。また、手数料についても高額で、一般投資家が投資するにはハードルが高い状況でした。しかし、ネット証券が普及した現在では、米国株投資のハードルが下がり気軽に投資できるようになりました。

米国株は、今後も米国経済の成長が期待できることから積立投資に有利と考えられます。日本にいながらでも米国経済成長の恩恵を受けることができるのです。こつこつと株式を積み上げることで、将来的に大きな資産を築き上げられる可能性があります。

2 積立には一般NISA

米国株を積み立てる場合には、一般NISA枠を使いましょう。*一般NISA枠を利用すれば、年間120万円まで購入でき、売却益や配当金が最長10年間非課税(5年後にロールオーバーした場合)となります。

米国株は日本株に比べて成長期待が高いため、10年後に株価が大きく上昇している可能性があります。

*現在のNISA制度は2023年で終了しますが、新NISAが2024年から始まります。

3 積立投資のメリット

積立投資のメリットは、こつこつと積み上げることで、将来的に大きな資産を築き上げる可能性があることなどが挙げられます。それでは、積立投資のメリットをみていきましょう。

3-1 無理なく投資が可能

株式に投資する場合、日本株の投資単位は100株ですが、米国株は1株から投資できます。身近な銘柄では、アップルの株が2022年3月29日時点で175.60ドル(約2.1万円)、スターバックスが88.38ドル(約10,870円)と、比較的低額から始めることができます。

日本株でも1株など単元未満株式を購入することはできますが、対応可能な証券会社は限られます。また証券会社によっては手数料が割高になる場合もあります。

3-2 タイミングを気にせずに投資

積立投資は、あらかじめ自身で設定した日に自動的に株式を購入するため、投資のタイミングを気にしなくても良い点もメリットです。一方でまとまった株数を購入する場合には、株価や為替の変動で投資金額が大きく変化するため、投資のタイミングが重要です。

3-3 配当金を複利運用で再投資

米国企業の多くは、配当を年4回実施しています。米国の金利は日本より高いため、受け取った配当金を円に変換せずにドルのMMFで運用することで、資金が増えます。その資金を購入資金として活用する、という方法もあります。

株数が増えると配当金も増加します。将来的には、配当金で投資金額を賄う効率的な資産運用ができます。

3-4 長期的に大きな資産形成も可能

米国経済の成長率は日本より高いため、将来的に大きな資産形成ができる可能性が高いこともメリットです。過去30年間の米国株式指数の上昇率は、米国ダウ平均が901%、S&P500指数が903% です。一方、日本の株式指数は、日経平均株価が30.8%、TOPIXが27.7%です。

過去のデータがそのまま将来に反映されるわけではありませんが、今後も米国の期待成長率が日本を上回る状態が続く可能性は高いと言えます。経済成長率を推測するには、人口構造や平均年齢などを分析する方法が有効です。

日米を比較すると、米国の人口が3.29億人、日本が1.26億人、平均年齢は米国が39.4歳(2021年人口統計資料集より)、日本が47.4歳となっています。米国は日本より人口が多く平均年齢が低いため、経済の潜在成長率は日本を上回っています。

4 積立投資のデメリット

積立投資にはデメリットもある点には注意が必要です。

4-1 短期的なハイリターンは期待薄

積立投資のデメリットとしては、短期的に大きな利益は期待できないことが挙げられます。積立投資はこつこつ積み上げていく長期運用スタイルで、短期的に大きな利益を上げることを目的としていません。

4-2 元本割れの可能性

米国株の積立は、元本が保証されているものではありません。株価や為替の変動により元本を下回ってしまう可能性があります。しかし、投資した企業が順調に成長した場合には、長期的な運用により大きなリターンも期待できる可能性があります。

4-3 株価上昇時は投資金額も増加

米国株の投資単位は1株なので、日本株を1株から購入することに比べると、株価が上昇することで投資金額が大きく増加する可能性があります。こういう場合には購入頻度を2~3カ月に1株というように調整しましょう。

4-4 株主優待制度はない

米国株には株主優待制度がありません。そのため、日本株のような優待銘柄は存在しません。例えば、日本市場のスターバックス(2712:2015年に上場廃止)やマクドナルド(2702)は株主優待が設定されていますが、米国市場のスターバックスやマクドナルドには設定されていません。

5 米国株の自動積立ができる証券会社

米国株の自動積立に対応している証券会社としては、SBI証券と楽天証券が挙げられます。それぞれ見ていきましょう。

5-1 SBI証券

SBI証券では、自身が指定した米国株を定期的に買付できます(単元株、もしくは設定金額以内の単元株を買付)。一般NISA預かりの定期買付を指定する場合には、「NISA枠ぎりぎり注文」を設定すると便利です。

手数料は約定代金の0.495%(税込)、決済方法は外貨でも円貨でも可能です。配当金をドルのMMFで積み上げ、それを決済資金に充当することもできます。なお、TポイントやPontaポイントなどは米国株の積立には使用できません。

5-2 楽天証券

楽天証券でもSBIと同様のサービスを受けることができます。大きな違いは、米国株の購入代金を円貨決済に限り楽天ポイント(1ポイント=1円)を充当できる点です。楽天ポイントが貯まっている方には便利なシステムです。

まとめ

米国株はどの証券会社経由でも1株から投資可能なため、比較的少額から始めることができます。米国の経済成長率は日本よりも高く、米国株に長期投資すると将来的に大きな資産を築くことができる可能性があります。

対象銘柄は長期間にわたり企業成長が期待できる銘柄を選ぶようにしましょう。まず1銘柄から始め、将来的に銘柄を増やしていくことでリスクが分散され、効率の良い運用ができます。まずは1銘柄から米国株積立を始めることを検討してみるのも良いでしょう。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。