株式投資の主な分析指標、PER・PBR・ROEなどの意味と目安、計算方法

株式投資をするときは、株価指標を見ることが大切です。企業の収益や資産に対して株価は割高なのか割安なのか、経営効率はいいのかなどを判断できるからです。この記事では、ファンダメンタル分析における代表的な株価指標であるPER・PBR・ROEなどの意味と使い方について解説します。

目次

  1. PERとEPSの関係
  2. PBRとは
  3. ROEとは
    3-1.ROEとROAの違い
  4. まとめ

1.PERとEPSの関係

株価の割高・割安を判断する指標として、もっとも利用されるのが「PER」です。PERは”Price Earnings Ratio”の略で、株価収益率のことです。PERの計算式は、以下の通りです。

PER(倍)=株価÷EPS(1株あたり純利益)

EPS(Earnings Per Share)とは、1株あたりどの程度の利益を稼いでいるかを判断する指標です。EPSの計算式は、次のようになります。

EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数

たとえば、当期純利益が1,500万円で発行済み株式数が10万株の場合、EPSは以下のようになります。

EPS=1,500万円÷10万株=150円

PERは、株価がEPS(1株あたり純利益)の何倍まで買われているのか、つまりEPSの何倍の値段がついているのかを見る指標です。たとえば、先ほどの計算で求めたEPS150円の企業の株価が1,200円だったとすると、PERは以下の通りです。

PER=1,200円÷150円=8倍

PERは、低い方が割安とされます。しかし、業種によってPERの水準は異なるので、経営内容の似た企業や同業種で比べるのが一般的です。また、東証1部・東証2部・ジャスダック市場の予想平均PERは以下の通りです(2021年8月19日時点。参照:日本経済新聞「国内株式指標」)。

  • 東証1部 15.16倍
  • 東証2部 17.01倍
  • ジャスダック 21.01倍

東証1部に上場している企業なら、PERが15.16倍を割り込んでいたら、市場平均より割安と判断できるのです。

2.PBRとは

PBRは”Price Book-value Ratio”の略で、株価が一株当たり純資産(BPS)の何倍まで買われているかを表す指標です。PBRとBPSの計算式は、以下の通りです。

PBR(倍)=株価÷BPS(1株当たり純資産)
BPS=純資産÷発行済株式総数

たとえば、株価が500円でBPSが400円の企業のPBRは、以下のようになります。

PBR=500円÷400円=1.25倍

PBRは、現在の株価が企業の解散価値(資産価値)に対して割安か割高かを判断する目安として利用されます。PERと同じように、数値の小さい方が割安、数値が大きい方が割高と判断するのです。

理論的には「株価=1株当たり純資産」、つまり「PBR=1倍」と考えます。会社が仮に解散するとしたら、総資産から従業員の給与や退職金、借入金などの費用を払い、残った資金はすべて株主のものになるからです。ですからPBR1倍割れは底値の一つの目安となりますが、日本では長い間PBRが1倍を割れている銘柄も多く、必ずしも底値圏であると判断することはできなくなっています。

各市場のPBRの平均は以下の通りです(2021年8月19日時点。参照:日本経済新聞「国内株式指標」)。

  • 東証1部 1.26倍
  • 東証2部 0.85倍
  • ジャスダック 1.40倍

通常、成長株が多い新興市場の方が純資産は少ないので、PBRは高くなる傾向にあります。ですから、PBRが高いから割高と決めつけるのではなく、同じ業種やセクターなどの企業と比較するようにしてください。

3.ROEとは

ROEは”Return On Equity”の略で、「自己資本利益率」のことです。つまり、企業の自己資本に対してどれだけ利益を上げたかを表す指標で、計算式は以下の通りです。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

企業は株主から集めたお金を事業に投資し、利益を獲得します。そして、株主から集めたお金に対し、企業がどれくらいの利益を得るのかを計算するのがROEなのです。ROEは一般的に10%を超えると良好だと言われており、投資価値のある会社だと判断できます。

ROEは、とくに外国人投資家が重視する指標です。そして、国内の株式市場では外国人投資家の割合が増えているので、ROE を重視する流れとなっています。

3-1.ROEとROAの違い

ROEと似た指標にROA(Return On Asset)があります。日本では「総資本利益率」といわれており、計算式は、以下の通りです。

ROA(%)=当期純利益÷(純資産+負債)×100

ROAの分母は純資産に負債を加えた総資産です。ROEは自己資本(純資産)のみですが、ROAは負債も考慮した数値となるので、2つを併用した方がより精度の高い分析ができます。たとえば、ROEが高くてもROAが低い場合は、大きな負債を抱えており倒産リスクが高いと判断できるのです。

ROEが高いからいい企業と判断するのではなく、ROAと合わせて企業分析するようにしてください。

まとめ

今回は、株式投資において重要な分析指標であるPER、PBR、ROEなどについて解説しました。それぞれの指標で株価の割安・割高を判断できますが、単独で考えるのではなく総合的に分析することが大切です。株式投資をする場合は、この3つの指標を合わせて考えるようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011