株式投資で安定して利益を上げていきたいのであれば、欠かすことができないのが損切りです。ですが、どのようなタイミングで損切りをすればいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、損切りのタイミングを見極めるためのポイントについて解説します。
目次
- 損切りとは何か
1-1.損切りが重要である理由
1-2.わかっていてもできないのが損切り
1-3.損切りはルール化しておく - 株式投資で損切りのタイミングを見極める3つのポイント
2-1.買値の5%~10%下落したら損切りをする
2-2.自分の納得できる損失額を決めて損切りをする
2-3.取引期間を決めて損切りをする - 損切りを実行する場合の2つのポイント
3-1.損切りラインは絶対に下げない
3-2.損切りを自動化する逆指値注文を活用する - まとめ
1.損切りとは何か
損切りというのは、株価が下がり含み損を抱えている状態で、損失を最小限に抑えるために株を売却して処分することをいいます。
通常、株式を購入するのは、今後株価が上昇することを予測した場合です。しかし、株価は予測通りに動くとは限りません。購入した直後から株価が下落してしまうケースもたくさんあります。
そのような状況では、できるだけ早い段階で株式を売却することが重要です。早ければ早いほど、損失を小さくすることができるからです。
1-1.損切りが重要である理由
損切りが早ければ損失を小さくすることができますが、もしかするとその後株価が上昇して、買値を超えていく可能性もあるのでしょう。そのような可能性があるのに、どうして損切りが重要なのでしょうか?
それには、2つの理由があります。
- 株価がどう変動するのかわからないから
- 機会損失を防ぐことができるから
1つめの理由が「株価がどう変動するのかわからないから」です。購入した株式の価格が下落した場合、いつか買値かそれ以上まで回復する可能性はあります。ですが、同時に株価はどこまで下落するかもわからないのです。
仮に株価が下がり続けてしまった場合、損失額は膨らみ続けることになります。ストレスによる精神的な負担は相当なものになりますし、我慢しきれず株式を売却すれば、資産を失って最悪株式市場から退場せざるを得なくなってしまうでしょう。
そうならないためにも、できるだけ早い段階で損切りをすることが重要になります。
もう1つの理由が、投資の機会を損失してしまうためです。購入時よりも株価が下がっても株式を保有し続けることを「塩漬けにする」といいます。そして、株式を塩漬けにしている以上、購入資金はいつまでも返ってきません。つまり、他の株式を購入する機会を失ってしまうことになります。
もし、早めに損切りをしておけば、他の株式に投資して損失を取り戻したり、それ以上の利益が発生したりする可能性があります。次の投資機会に切り替えるためにも、損切りの判断を実行することが大切になるというわけです。
1-2.わかっていてもできないのが損切り
損切りについてはさまざまなメディアやコンテンツなどでその重要性が説かれています。ですが、実際に損切りを実行するとなると、途端に難しくなってしまうのが通説です。
株式投資の世界では「株式は買うよりも売る方が難しい」といわれていますし、投資家の多くが含み損を抱えているともいわれています。では、どうして損切りは難しいのかというと、それは人間が感情を持った生物であり、損切りは心理的に実行しにくいものだからです。
損切りをすることは、少ないとはいえ損失を確定する行為です。そのとき、投資家には「自分の予測が外れた」「資金が減ってしまう」などの理由から、損切りをためらってしまいます。そして「いつか株価が回復するだろう」と期待して、そのまま株式を保有し続けてしまうというわけです。
ですが、先述したように株価が回復するとは限りません。また、回復するとしても、それがいつなのかは誰にもわかりません。そうやってまた塩漬け株が誕生してしまうのです。
このように、実際には難しい損切りですが、確実に実行するための方法が1つありますので紹介します。
1-3.損切りはルール化しておく
損切りを確実に実行するための方法は、損切りをルール化するということです。ルール化することができれば、それに従うだけで損切りを実行できるからです。
また、損切りをルール化することで、株式を購入する段階で損失額を限定することができます。あらかじめ損失を想定しておくことで、心理的な負担を軽減することにもつながります。
ただし、損切りをルール化する場合は、必ずそのルールを守って取引を行うよう意識することが大切です。何があっても自分で決めた損切りルールを守っていれば、損失が限定できるので、ゆくゆくは利益も発生しやすくなるはずです。
2.株式投資で損切りのタイミングを見極める3つのポイント
損切りの重要性を理解していたとしても、どのタイミングで損切りをすればいいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで株式投資における損切りのタイミングを見極めるためのポイントを紹介します。具体的には、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 買値の5%~10%下落したら損切りをする
- 自分の納得できる損失額を決めて損切りをする
- 取引期間を決めて損切りをする
2-1.買値の5%~10%下落したら損切りをする
株価が買値から何%か下落したら、損切りのタイミングと考えましょう。
一般的には、買値の10%を損切りラインに設定するケースが多いといわれています。ですが10%というのはあくまでも参考値となりますので、自分で自由に設定してかまいません。もっと損失を小さくしたいと考えているなら、買値から5%下がった価格を損切りラインとしてもいいわけです。
また、状況に応じて損切りラインを設定するのも1つの方法です。例えば株価が明らかな上昇トレンドになっている場合は、損切りをする値下げ幅のパーセンテージを小さくしてもかまいません。
さらに、デイトレードやスイングトレードを行なう場合は、損切りラインを1%程度に設定するケースもあります。いずれにせよ、自分で損切りをするパーセンテージを決めておき、株価がそのラインまで下落したら必ず決済してしまうことが大切です。
2-2.自分の納得できる損失額を決めて損切りをする
株価が下落するパーセンテージではなく、損失の額を決めて損切りをするのも1つの方法です。
例えば、100円の株式を1,000株購入したとしましょう。投資金額10万円に対して、1万円の損失までは納得できるのであれば、株価90円が損切りラインとなります。
この場合に大切になるのは、損失額は自分が耐えられる金額にすることです。損失額が大きくなると、その分精神的な負担も増えてしまいます。自分が納得できる金額、もしくは負担にならないような少額を設定するようにしましょう。
2-3.取引期間を決めて損切りをする
損切りのタイミングとしては、あらかじめ取引する期間を設定しておき、その期限が来たら損切りをするというのも有効な方法です。つまり、株式の保有期間をあらかじめ決めておくという方法です。
この方法では、期限を決めて自動的に決済することになるので、精神的な負担を減らすことができます。
ですが、仮に利益が出ている場合でも売却する必要があります。というのも、状況に応じて対応していると、損切りのタイミングが曖昧になってしまうからです。
また、期限が来る前に株価が暴落してしまう可能性もあるので、決済期限と同時に株価での損切りラインを設定したほうが望ましいといえます。
3.損切りを実行する場合の2つのポイント
最後に、損切りを実行するにあたって重要な2つのポイントを紹介します。
- 損切りラインは絶対に下げない
- 損切りを自動化する逆指値注文を活用する
これらは非常に重要ですので、ぜひ頭に入れておいてください。
3-1.損切りラインは絶対に緩めない
損切りを実行する場合に大切になるのが、一度決めた損切りラインは絶対に緩めないということです。
株価が損切りラインに近づくと、損切りを避けたいという心理から、損切りラインを緩めたくなってしまいます。ですが、そのような隙が塩漬け株を生む原因となるのです。同じように「今回の取引だけは様子を見よう」といった特別ルールを作るもの厳禁です。
一度決めた損切りラインを徹底して守っていれば、それ以上の損失が発生することはありません。その積み重ねが株式投資での利益につながると肝に銘じておきましょう。
3-2.損切りを自動化する逆指値注文を活用する
損切りを実行するのはちゅうちょしやすいものです。そんなときに活用したいのが「逆指値注文」という注文方法です。
逆指値注文とは、注文する銘柄の株価が指定した価格以上または価格以下になった場合に、指定した注文(買い注文もしくは売り注文)を発注するというものです。つまり「購入した銘柄の株価が○○円まで下がったら売り注文を出す」という注文ができるわけです。
こうすることで損切りを自動化することができますし、株価をチェックする頻度を大幅に減らせるため、ストレスを大きく緩和することができます。
重要なポイントとしては、逆指値注文には「成行注文」と「指値注文」がありますが、損切りを確実に実行するためには、成行注文を入れるということです。指値注文では、指定した金額で約定せず損失が大きくなる可能性があるためです。
逆指値注文をうまく活用して、どんな場面でもスムーズに損切りを実行することができるようにしましょう。
まとめ
今回は、損切りのタイミングを見極めるためのポイントについて解説しました。
株式投資で利益を上げるためには、損切りをマスターすることが重要です。損切りは心理的に難しいものの、ルールを明確にしたり、逆指値注文を併用したりすることで、そのハードルを越えることが大切です。
本記事を参考に、損切りを徹底して株式投資を行なっていきましょう。
- 外国株(米国株など)が買えるネット証券会社
- IPO投資に強い証券会社、少額からIPOに参加できるサービス
- 25歳以下の現物株式の取引手数料が実質0円の証券会社
- 大手証券会社が提供している株式投資サービス
- 少額で株式投資ができるサービス
山本 将弘
最新記事 by 山本 将弘 (全て見る)
- COZUCHI(コヅチ)で不動産投資、メリット・デメリットは?他社比較も - 2024年11月5日
- CREAL(クリアル)の評判・口コミ・実績は?メリット・デメリット、利回りも - 2024年11月5日
- 不動産クラウドファンディングの市場規模は?件数・出資額や成功事例も - 2024年9月9日
- 金(ゴールド)投資信託のメリット・デメリットは?購入可能な証券会社も - 2024年5月27日
- 株初心者が知っておきたい売り板・買い板の見方、板を分析するメリットも - 2024年5月27日