証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。
目次
ビットコインが2017年後半を彷彿とさせるような上昇を見せる中で、暗号資産(仮想通貨)への関心が国内外で高まってきています。ビットコインだけでなく、今年はDeFi(分散型金融)分野の発展により、基盤となるネットワークであるイーサリアムの存在感が高まり、価格も上昇しました。DeFiのエコシステムは今後ますます開発が進むと見られ、イーサリアムへの投資を検討している方もいるかと思います。
ここでは、イーサリアムへの投資を検討している方に向けて、GMOコインという日本の暗号資産取引所を使った投資方法を紹介します。イーサリアムをどのようなタイミングで取引するべきか、といった判断の仕方を筆者の私見を踏まえてご紹介したいと思います。
①GMOコインとは?
GMOコインはGMOインターネットグループに属し、暗号資産交換業にフォーカスして運営している会社です。GMOグループ自体はFXでも日本トップクラスの口座数を誇るGMOクリック証券を有しており、FXの取引プラットフォームはシンプルでユーザビリティが高いことで有名です。FXサービスの運営ノウハウがGMOコインにも活かされているため、スマホアプリからPCの取引画面まで洗練されており、初心者から中上級者までとても利用しやすい取引所と言えるでしょう。
GMOコインの特徴としては、取引所(レバレッジ取引)の銘柄が豊富なことが挙げられます。ビットコインに加えてイーサリアムやXRPなど多数の暗号資産銘柄で、証拠金に対して最大2倍のレバレッジをかけて取引できます。日本では暗号資産の9割の取引量がレバレッジ取引(FX取引)となっており、日本人ユーザーには馴染みがある取引方法です。
GMOコインで取引所(レバレッジ取引)で利用できる「WebTrader」という取引画面はテクニカル分析がとても豊富です。ここには世界的に利用者の多いTradingViewと呼ばれる外部のチャート分析ツールを採用しています。
WebTraderでは、81種類のインジケーターと70種類以上の描画機能を利用できるので、GMOコインのサービスの利便性向上につながっています。筆者自身もGMOコインのこのツールを利用しており、とてもオススメなツールです。
②イーサリアムのロングポジションを持つ方法
次に本題であるイーサリアムのロングポジションを持つ方法についてご紹介します。ここでは現物保有ではなく、レバレッジ取引を想定しています。レバレッジ取引には、売りからでも買いからでもエントリーできる利点があるので、過度なレバレッジをかけてリスクを取り過ぎないように注意しつつ、イーサリアムの売買を行うと良いでしょう。
③エントリーポイントの探り方
まずは、イーサリアムのトレンドを理解するところから始めます。下記はイーサリアムの2020年の日足チャートです。
2020年の3月あたりから上昇トレンドがスタートしました。3月の14,000円の安値から現在は57,000円付近(2020年11月29日現在)まで上昇しています。これほどの上昇は冒頭でお伝えした「DeFiブーム」が要因となっています。
トレンドというのは一度スタートするとなかなか転換することはありません。まだトレードに慣れていない方は、長期トレンドが示している方向に沿ってエントリーすることを心がけてください。
次に上記のチャートをご覧ください。黄色が長期のトレンドラインであり、緑の水平線がサポートラインとなっています。
まずチャートではこのサポートラインやレジスタンスラインを見つけることが大切です。緑の水平線をチェックするとここで一度綺麗に止まっていることが理解できるでしょう。また黄色のトレンドラインは大体41,000円~42,000円付近に位置しています。
そのためエントリーの方向はトレンドに沿って「ロングポジション」、そしてこの2つの位置に指値を置き、下落するのを待つという戦略が考えられます。この方法はシンプルですが、トレードで負けるリスクと心理的な負担を軽減することができます。
④指値注文の出し方
購入する場合は下記の画面のように「指値注文」を利用します。
「買」を選択して注文レートに51,000円(最初の水平線のライン)を入力し、数量を設定して「確認画面へ」をクリックします。これで注文は完了です。同様に、41,000円の位置にも同様に指値の買いの注文を入れておきましょう。
⑤初心者が設定すべき「損切注文」
次に初心者が必ず設定しておくべき「損切注文」についてお伝えします。「損切注文」は以下のGMOコインの注文画面で行います。
上図中断の「ロスカット予想値」というのが大切な部分です。取引所(レバレッジ取引)では、各建玉に対するロスカットレートが以下の計算式に基づいて自動的に算出されます。
- 買建:ロスカットレート = 建玉レート − (1取引単位あたりの必要証拠金 x 50%)
- 売建:ロスカットレート = 建玉レート + (1取引単位あたりの必要証拠金 x 50%)
- 買建:100万円-(100万円×25% ×50%)=87万5,000円
- 売建:100万円+(100万円×25% ×50%)=112万5,000円
例)建玉レートが100万円の場合
ロスカットというのは証拠金不足によってポジションが強制決済されるシステムです。(GMOコインの取引所(レバレッジ取引)はまた、口座証拠金維持率が30%を下回った場合にもロスカットを実行します)。
重要なことは、「ロスカットレート」に余裕を持たせて必ず損切りを入れておくことです。GMOコインの注文画面には「逆指値注文」があるので、これを使って損切りを設定します。
この逆指値注文を先にオーダーで出しておくことで、仮にイーサリアムが暴落してもその位置付近で自動的に損切り(ポジションの決済)を行います。
損切りのラインは、エントリーポイントやレバレッジ倍率によって異なりますが、初心者の方は「節目」と呼ばれる相場の転換ポイントを割ったラインに設定しましょう。節目は直近高値だったり、サポートラインだったりケースバイケースですが、先ほどの図を例にすると51,000円でロングエントリーした場合は「48,000円~49,000円付近」、41,000円でロングエントリーした場合は「39,000円付近」が損切の目安です。節目を明確に割れるとトレンドが変わったと一旦判断しましょう。
⑥GMOコインをまずは利用してみよう
今回はGMOコインを例にしてイーサリアムのロングポジションを持つ方法をご紹介しました。初心者ユーザーでも、試しやすい購入戦略の一つとして参考にして頂ければと思います。今回の例はGMOコインをフルに使いこなしているわけではなく、色々な取引機能を搭載している暗号資産取引所です。まずは口座開設を行い、GMOコインの「WebTrader」というツールに触れてもらうことをおすすめします。一度利用すると他の取引所との違いが明確に理解できることでしょう。
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中島 翔
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