新規上場する株式を取引できるIPOは、今後の成長性が高い企業への投資でリターンを狙いやすい投資方法として注目が高まっています。IPO株は、実店舗を持つ証券会社ほか、ネット証券でも購入することが可能で、中でも「SBI証券」は抽選に参加できる機会の多い証券会社として知られています。
この記事では、IPOへの参加を検討している投資家に向けて、SBI証券の評判や特徴、始め方について詳しく解説するので、参考にしてみてください。
目次
- SBI証券のIPO取引の特徴
1-1.IPOの取り扱い件数が多い
1-2.独自のIPOチャレンジポイント
1-3.IPO銘柄も空売り可能 - SBI証券のIPO取引のメリット
2-1.IPOにチャレンジできる機会が多い
2-2.続けていれば抽選に当たる確率が高まる
2-3.当選後のキャンセルにペナルティがない
2-4.抽選に失敗してもセカンダリー投資がしやすい - SBI証券のIPO取引のデメリット
3-1.抽選日には入金しておくことが必要
3-2.取引ツールの情報が多く煩雑 - SBI証券のIPO取引の評判
- SBI証券のIPO取引の始め方
5-1.口座開設方法
5-2.IPO取引の始め方 - まとめ
1 SBI証券のIPO取引の特徴
SBI証券は、2020年に証券口座開設数が国内最大となったネット証券のトップランナー企業です。商品点数の多さや、取引コストの安さなどが評判で、多くの投資家から支持されています。
まずは、SBI証券のIPO取引における特徴から確認してきましょう。
1-1 IPOの取り扱い件数が多い
SBI証券は、IPO銘柄の取扱数が多い証券会社です。例年、上場会社数のうち90%以上のIPO銘柄をカバーしており、他ネット証券を大きく引き離しています。日本国内におけるIPOはSBI証券をフォローしていればほとんどを把握できると言えます。
1-2 独自のIPOチャレンジポイント
SBI証券には「IPOチャレンジポイント」という独自のポイント制度があります。これは、新規上場株式のブックビルディング後に行われる抽選・配分に外れた回数に応じてポイントが加算され、次回以降の抽選で有利になる仕組みです。
IPOチャレンジポイントを使用すると、ブックビルディング申し込み時に申告したポイント数に応じてIPO銘柄の当選確率が高くなります。そのため、IPOの抽選に外れても、次回以降への期待が広がります。諦めずに何度でもチャレンジした分だけ当選確率が上がるのがSBI証券のIPOの特徴です。
1-3 IPO銘柄も空売り可能
SBI証券では、信用新規売り(空売り)が一般的に行われていないIPO銘柄や新興市場銘柄でも空売り可能な「HYPER空売りサービス」を提供しています。IPO銘柄はボラティリティ(株価の値動きの幅)が大きいため、「買って売る」だけではなく「売って買う」という取引ができることでチャンスがさらに広がります。
2 SBI証券のIPO取引のメリット
SBI証券には特徴的なサービスが数多くあります。そのSBI証券でIPO取引を行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットについて具体的に紹介します。
2-1 IPOにチャレンジできる機会が多い
SBI証券ではIPOの取り扱いが多いぶん投資家のチャンスが広がります。IPOの取扱数では国内で最も多く、2020年3月通期の全上場会社数のうち約93.5%にあたる86件の銘柄を取り扱った実績を持ちます。
また、ネット証券が主幹事になるケースは、店舗を持つ証券会社に比べて少ないのですが、SBI証券は主幹事にもよく選ばれます。主幹事になると、新規発行の株式の多くを取り扱うことができるため、口座保有者への割当数も多くなります。
2-2 続けていれば抽選に当たる確率が高まる
IPOチャレンジポイントでは、抽選への応募を続けるほど当選確率が高まることも大きなメリットです。
SBI証券では、IPO銘柄の個人投資家向け配分予定数量の70%が通常の抽選に配分され、残りはIPOチャレンジポイントを使った抽選応募者に対して配分される仕組みになっています。
IPO案件は応募が殺到するため、1回も当選しないことも珍しくありません。しかし、SBI証券では、当たらなかった場合ポイントが貯まり、次回以降に当選しやすくなります。
2-3 当選後のキャンセルにペナルティがない
他の証券会社では、IPO当選後にキャンセルすると、取消手数料や次回抽選時に条件がつくなどペナルティが発生する場合もあります。その点、SBI証券にはペナルティ等がないため、「とりあえずIPOに応募し、当選してから購入を考える」ことも可能です。
案件数の多いSBI証券の場合、IPOの抽選に当選しても、さらに収益の期待できる案件が入ってくることがあります。当選している案件をキャンセルし、さらに収益の高い案件に資金を投入するという選択ができるのはSBI証券ならではのメリットです。
また、SBI証券では申し込み口数に応じて抽選数が付与される資金比例抽選が採用されているため、資金力のあるユーザーは多くの資金を準備して応募し、当選してから必要数だけを残して後はキャンセルするという方法も可能です。
2-4 抽選に失敗してもセカンダリー投資がしやすい
SBI証券の「HYPER空売り」サービスは、即日限定で様々な銘柄の空売りが可能なサービスです。他の証券会社では信用取引ができないIPO銘柄も、HYPER空売りでは取引可能です。
「空売り」とは、証券会社に株を借りて、「売り」からスタートする取引方法です。この時の株式を貸株といい、貸株には手数料がかかりますが、現物株を保有している必要がなく、「買い」戻した時点での決済額を収入とすることができます。
IPO株を取引するための抽選や購入資金を必要としないため、セカンダリー投資の手段として用いる人もいます。ただし、空売りのような信用取引は通常取引と比較してリスクも大きくなるので、より慎重な投資判断が求められます。
3 SBI証券のIPO取引のデメリット
SBI証券のIPO取引におけるリスクや注意点もご紹介するので、確認していきましょう。
3-1 抽選日には入金を済ませておく
SBI証券では、抽選・配分日時点において、応募した買付金額以上の買付余力が必要です。買付余力が不足している場合、自動的に抽選の対象外となります。ブックビルディング時には買付余力は不足していても問題ありませんが、スケジュールをよく確認し、事前に入金を済ませておく必要があります。
ここで注意したいのは「資産額」ではなく「買付余力」である点です。信用取引などを行っている場合、資産価格の上下によって買付余力が思わぬ影響を受けることがあります。そのため、余裕をもった入金が必要です。
また、入金しておいた金額は事実上拘束されることになるので、不足しないように注意することも大切です。
3-2 取引ツールの情報が多く煩雑
SBI証券の大きな特徴は豊富な商品数と情報量です。しかし、商品や情報が多いことで逆に初心者には難しく感じられる場合もあります。
また、Webサイトや取引ツール上の情報や機能の充実がかえって複雑な印象を与えたり、小さい文字が多いことで中高齢のユーザーには使いにくかったりすることがあります。
IPOの場合、ブックビルディング、当選確認、購入手続きと手間も多く、複雑です。操作ミスなどが起きないように、普段から色々試してみて、早めに取引画面やアプリに慣れることも大切です。
4 SBI証券のIPO取引の評判
SBI証券はIPO取引においても注目されている証券会社ですが、ユーザーはどのように評価しているでしょうか。実際にSBI証券でIPO取引している人の感想や評判は次の通りです。
- 「ブックビルディング時には資金が拘束されないので助かる」
- 「IPO申し込みの金額に上限がない」
- 「IPOチャレンジポイントは優良IPOが出たら使いたい」
- 「SBI証券にしたのはIPO取引をするため」
※上記はすべて個人の感想です。最新情報などについてはご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。
SBI証券のIPOについての口コミでは、チャレンジポイントを使ってIPOの抽選を楽しんでいる声が多いのが特徴です。「落選目当てでIPOに応募する」「優良IPOにまとめて使う」といった方法論を語る人も多く、IPOの戦略を考えるのが好きな人に評判です。
このほか、ツールの使い勝手が難しいなどの意見もありますが、総じて高評価でユーザーから信頼されているネット証券と言えます。
5 SBI証券のIPO取引の始め方
SBI証券でIPO取引を行うためには、口座開設と、システム上での各案件への申し込みが必要です。以下その手順についてご紹介します。
5-1 口座開設方法
SBI証券の口座開設は数分で完了できます。口座開設の際は、事前に以下の書類を準備しておくとスムーズです。
- メールアドレス
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知書類など)
- 上記の画像データ(難しい場合はコピーした書類の郵送も可)
口座開設は、Web上の申し込みページから行います。サイトやその他の入り口から申し込みページにアクセスし、メールアドレスを登録すると認証コードが届くので、個人情報の入力ページに進みます。個人情報の入力が終わると、マイページ用のユーザーネームとパスワードが発行されます。
発行されたログイン情報でマイページにログインし、口座開設情報を確認して書類の提出を行います。このとき、上記の本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。スマートフォンなどでその場で撮影して送付するか、事前に撮影した画像データを提出するか、郵送でコピーした書類を送るかを選んで提出します。
書類を提出すると、審査が行われ、後日「口座開設完了通知」が指定した方法(メールor郵送)で届きます。これで口座開設手続きは完了です。
5-2 IPO取引の始め方
IPO取引を行うためには、SBI証券の取引システムにログインします。なお、ブックビルディングの申し込み、抽選結果確認はスマートフォンからも可能ですが、抽選結果後の購入意思表示はパソコン画面からのみの受付になるので注意しましょう。
次に、「IPO・PO」画面から「新規上場株式ブックビルディング」に進み、「目論見書の電子交付サービス承諾状況」の部分で、目論見書承諾画面に移動し「承諾する」を選びます。
そして、購入を希望する銘柄の「申込」ボタンを押し、申込画面で申込株数や価格を設定します。このとき、ブックビルディング後に決定される発行価格に総額が満たない場合、自動的に落選となるので、より確実に応募したい場合は「ストライクプライス」を選択します。内容を確認して「申込」ボタンを押せば、ブックビルディングが完了します。
当選日時になると、「新規上場株式ブックビルディング」画面から抽選結果を確認できます。抽選結果に「当選/◯◯株」と記載があれば当選しているので、そのまま購入するなら「当選株購入」ボタンして購入手続きを進めます。辞退する場合は「辞退」ボタンを押すことで辞退できます。
まとめ
SBI証券は証券口座開設数で国内最大なほか、通常の株取引だけでなくIPOにも強いネット証券会社です。国内IPO案件のほとんどに関与している上、独自のIPOチャレンジシステムがあることで「当選を狙いやすい証券会社」としても知られています。
また、低コストで多様な商品をカバーしており、キャンペーンも豊富なのでメインの証券会社としての利用するユーザーも多くいます。IPOや株式投資に興味のある方は、メリット・デメリットや利用者の評判を参考にしながら、自分に合う証券会社を検討してみてください。
- 外国株(米国株など)が買えるネット証券会社
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- 大手証券会社が提供している株式投資サービス
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