仕手株を見分ける方法は?仕手株の手口や購入するリスクも解説

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仕手株は短期間で2~3倍になることもあるので、魅力を感じる投資家も少なくないでしょう。しかし、リスク管理をきちんとしないと大きな損失を抱える恐れもあります。

この記事では、仕手株の見分け方と注意点について仕手株の手口なども含めて詳しく解説します。

目次

  1. 仕手株とは
  2. 名の知れた仕手筋
  3. 仕手株の見分け方
    3-1.仕手株の特徴
  4. 仕手株の手口
    4-1.玉集め
    4-2.玉転がし
    4-3.ふるい落とし
  5. 仕手株のリスク
  6. まとめ

1.仕手株とは

仕手株とは、巨額な投資資金を持っている投資家によって、意図的に株価が操作されている可能性が高い銘柄のことをいいます。特定の銘柄にターゲットを絞り、大量に売買しながら株価を操作し、個人投資家を誘い込むことで株価の急騰や急落を発生しやすくするのです。

取引方法によっては、意図的に株価を変動させたとみなされ、金融商品取引法違反になることもあります。有価証券などの取引のため、または相場の変動を図る目的で、虚偽や根拠のない情報を流す行為が「風説の流布」です。これは金融商品取引法で禁じられており、違反すると10年以下の懲役、または1千万円以下の罰金が科せられます。また、法人の場合は7億円以下の罰金になります。

通常、株価が大きく動くのは、新規事業や業績の修正など、企業に関する情報がでる時です。しかし材料が何もないのに、急激に株価が上がったり、下がったりする場合があります。そうした株式は、仕手株の可能性が高いと考えられます。株価が動くこと自体が材料であり、動いた理由は後から何とでもいえるからです。

2.名の知れた仕手筋

仕手株を仕掛ける投資家集団を、「仕手筋」といいます。仕手筋の多くは会員制をとっています。上級から下級のランクがあり、ランクの高い会員は情報がいち早く提供されます。しかしランクが低い会員は、利益をだせるチャンスはあるものの、株価を釣り上げるための「援護射撃」に利用されている可能性もあるのです。

株式市場には「カリスマ」と呼ばれる相場師が存在し、彼らが手掛ける銘柄は「仕手株」と呼ばれて短期投資家が群がりました。たとえば、1980年代の有名な仕手株集団としては「誠備グループ」があります。

最盛期には4,000人もの会員を率い、宮地鐵工所やマルゼン、安藤建設といった銘柄を次々と手掛けました。それらの銘柄は何の材料もないのに高騰し、「誠備銘柄」と呼ばれていたのです。

しかし、インターネットサイトに根拠のない情報を書き込んで株価を吊り上げたとして、金融商品取引法違反に問われて告発されました。

3.仕手株の見分け方

仕手株を見分けるには、過去に何度か急騰・急落を引き起こした実績があるかどうかを確認します。仕手株として有名な銘柄だと、ひとたび動きだすと「また動き出した」「今度こそ儲けるぞ」という期待を抱いて売買する人が増えます。それが再び急騰・急落の原因となるのです。乱高下を繰り返す期間が続けば、新たな個人投資家が参入するきっかけにもなります。

以下では、仕手株の特徴を見ていきたいと思います。

3-1.仕手株の特徴

仕手株は1日に10%以上の株価変動も珍しくないのですが、どんな銘柄でもターゲットになるわけではありません。仕手株には、以下のような特徴があります。

  • 新興株や低位株
  • 値動きが軽く、出来高が少ない株

仕手筋が株価を操作するためには、少ない資金で大量の株を買い、浮動株を少なくしなければいけません。浮動株とは発行されている株式の中で、大株主などが安定的に保有する株ではなく、市場に流通し売買されている株式のことです。ですから、発行済株数が少ない、いわゆる「小型株」がターゲットになりやすいのです。

ただ小型株でなくても、仕手筋の対象になる場合があります。たとえば、長期にわたって企業の業績が低迷している銘柄、信用取引の売りができる銘柄(貸借銘柄)も仕手株候補です。また最近の傾向として、新興市場のゲームやネット、バイオ関連も仕手化する傾向があります。

4.仕手株の手口

仕手株には、とくに材料がなくても株価が急激につり上がっていくという特徴があります。通常、企業の業績などを確認し、適正価格を判断してから買い手と売り手は取引します。しかし、仕手株では仕手筋がわざと大量の資金を特定の銘柄に投入することで、株価を不自然につり上げるのです。

ただし、仕手筋による仕手株の買い占めは一気に行うものではなく、以下のような手順で行っていきます。

4-1.玉集め

仕手筋は、ターゲットになる銘柄を決めると、株価の低い段階からある程度の期間を設け、誰にも気づかれないように少しずつ購入していきます。これを「玉集め」といいます。予定通りの株数を集めた後、一気に買い注文をだして株価のつり上げを図り、マーケットの注目を集めるようにするのです。

4-2.玉転がし

それまでの「玉集め」に比べ、数倍の買い注文をだし、ターゲットの銘柄を一気に買い上げます。さらに買い集めた玉を売り注文として売り板に並べ、自分の買いをぶつけることによって、実際よりも取引が盛り上がっていると錯覚させ投資家の注目度を高めます。この株価操作を「玉転がし」といいます。

4-3.ふるい落とし

仕手株であることを知らない投資家は、急激に株価が上がったので「何か大きな材料があるのではないか」という思惑から、株を買い始めます。これを「提灯が付く」といいます。

しかし仕手株には「ふるい落とし」と呼ばれる一時的な調整があります。仕手筋が意図的に売りを入れたり、保有株を大量に買い板にぶつけたりするなどして投資家の心理を揺さぶり、株価を一時的に下落させるのです。

そして株価を下げたところで、再び玉集めをします。「玉集め」と「玉転がし」「ふるい落とし」を繰り返して注目を集め、「買いが買い」を呼ぶ状態になって個人投資家が高値を買い上げる状態になると、仕手筋は保有株を売り抜け、利益を確定させるのです。

5.仕手株のリスク

仕手株投資は、「個人投資家には危険な投資方法」だというのも事実です。ネットでの噂やデタラメな情報を信じて仕手株を高値づかみし、半値以下で投げさせられるというのもよく聞く話です。

仕手株は業績の裏付けがなくても株価が大きく変動します。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といったファンダメンタルズは関係ないのです。むしろ合理的でない動きをして「空売り(信用売り)」を巻き込み、最後には「踏み上げ」という信用の買い戻しをさせて、株価を大きく釣り上げるのです。

株価を動かす行為は、市場のあり方として好ましいものではありません。しかし、「いつ」「誰が」「どのように株価を操作したか」ということを立証するのは困難なので、なかなか取り締まれないのが実情です。

仕手株の動きは合理的ではなく、ほとんどは短期の急騰や急落で終わるのが一般的です。ですが、多くの初心者は仕手株と知らずに手をだしてしまい、大やけどをしてしまいます。今回ご紹介した仕手株の特徴を理解して、仕手株には安易に手を出さないようにすることが大切です。

まとめ

仕手株は株価が短期間で数倍になることもありますが、ある程度相場の流れが読めないと、「攻めどき」と「引きどき」の判断を誤り、大きな損失を負う可能性があります。

基本的には手を出さないことが大切ですが、仕手株をもし手掛けている場合、特に重要なことは「損切り」です。損切りがなかなかできない投資家は、仕手株には手をださない方が無難です。また、10%以上の急騰と急落を繰り返すことも珍しくないので、苦しい状態に耐えるだけの資金力や精神力も求められます。仕手株の売買は、通常の売買よりも心理面でのタフさが必要だといえるでしょう。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011