個人事業主が法人カードを選ぶポイントは?各社カードの比較も

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法人カードは、法人のみを対象にしたカードと個人事業主も発行可能なカードに分かれています。個人事業主が法人カードを発行する時は、コストだけでなくビジネスサポートに関する特典なども確認しておくのが大切です。

そこでこの記事では、個人事業主が法人カードを選ぶ時に注目しておくべきポイントについて詳しくご紹介します。加えて、個人事業主も発行可能な主な法人カードを比較します。法人カードを初めて発行する個人事業主や事業に役立つ特典を探している方などは、参考にしてみてください。

※この記事は2021年5月21日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 個人事業主が法人カードを選ぶ時のポイント5つ
    1-1.基本会員と追加会員の年会費を確認
    1-2.ビジネスサポート特典の内容や種類に注目
    1-3.出張の頻度が高い場合は空港や旅行特典も比較
    1-4.ポイント還元率や交換先が充実しているか
    1-5.締め日から支払日までの期間
  2. 個人事業主も発行できる主な法人カードを比較
  3. まとめ

1.個人事業主が法人カードを選ぶ時のポイント5つ

個人事業主が法人カードを選ぶ時は、年会費、空港や旅行特典、会計処理やビジネスの効率化につながるサービスや特典を確認するのが大切です。

それでは、法人カードを選ぶポイントについて確認していきましょう。

1-1.基本会員と追加会員の年会費を確認

法人カードの年会費は、カードによって数千円から数万円など大きく異なります。そのため、予算に収まる法人カードを選んだり実用性を考慮しながら選んだりするのが基本です。

一般的に年会費の高い法人カードは、ビジネスサポート特典や空港、旅行特典などが充実しています。対して、年会費の安い法人カードは、主に空港ラウンジや空港サービスの優待特典、旅行やエンターテイメント特典が少ない傾向です。

特典が充実している法人カードは、日々の仕事や出張などで役立ちます。ただし、必ずしも利用する機会の多い特典ばかりではありません。たとえば、出張や接待の頻度が少ない個人事業主の場合は、年会費の高いカードを持つメリットは少ないといえます。

他にも従業員へ法人カードを配布する時は、追加会員の年会費を含めて検討するのが大切です。法人カードの中には、追加会員の年会費無料、初年度無料のカードもあるので費用負担を抑えることができます。

1-2.ビジネスサポート特典の内容や種類に注目

法人カードを比較する時は、ビジネスサポート特典が自身の事業に役立つか確認するのも大切です。

法人カードの多くは、会計ソフトとクレジットカードの連携や割引、マーケティング代行サービスの優待特典、ウォーターサーバーや印刷サービスの割引など、ビジネスに関するさまざまなサポート特典が追加されています。

主な特典のジャンルや傾向としては、以下の通りです。

  • 会計ソフトと法人カードの利用額の連携、会計ソフトの割引特典
  • 資金調達に関するサポートサービス
  • オフィスや備品関連の優待特典
  • その他サービスの割引、会員限定の特典付与など
  • 福利厚生サービスの利用料割引や優待特典

たとえば備品の購入頻度が高い場合は、備品の割引特典が役立ちますし、従業員からウォーターサーバーの設置を求められている時は、ウォーターサーバーの設置割引もメリットがあります。他にも弁護士の紹介サービスやEC関連のサポートサービスがあるので、事業拡大や、弁護士や会計士などを探している方にも役立ちます。

このように自身の事業や職場にとってメリットのある特典があるか確認しながら、法人カードを選ぶのも大切なポイントです。

1-3.出張の頻度が高い場合は空港や旅行特典も比較

出張や接待の頻度が高い個人事業主は、空港や旅行特典の有無や種類について1つ1つ確認してみるのも重要です。

空港特典とは、指定エリア~空港間の送迎や手荷物宅配、手荷物預かりの割引、空港ラウンジの無料利用サービスなどといった特典のことです。特に手荷物宅配サービスは、出張などで荷物の負担が大きい際にメリットのある特典です。

法人カードによっては、プライオリティ・パスの割引や無料特典を受けられる場合もあります。プライオリティ・パスは、国内外1,000以上の空港ラウンジを利用できるサービスで、海外旅行の好きな方も楽しめます。

マイルを貯めている個人事業主は、マイルの交換率や特典にも注目です。法人カードの中には、カード利用などで貯めたポイントをマイルへ移行可能なカードもあるので、フライト以外でもマイルを貯めることができます。

旅行特典には、レンタカーや新幹線などの割引や現地情報の案内、海外出張や旅行などでサポートしてもらえるコンシェルジュサービス(施設情報の紹介や予約手配)、指定施設の割引サービスなどが盛り込まれています。

海外出張の頻度が高い事業者は、海外向けのトラベルデスクやコンシェルジュサービス、プライオリティ・パス、その他海外旅行特典などもメリットの多いサービスといえます。

基本的に旅行傷害保険は付帯されているものの、海外旅行傷害保険のみ付帯といったパターンもあります。そのため、補償の条件や金額、被保険者の対象者などを事前に確認するのが大切です。

1-4.ポイント還元率や交換先が充実しているか

ポイントの活用を検討している場合は、ポイント還元率や交換先について比較してみましょう。法人カードでもカード利用やその他指定の条件を満たすことで、ポイントが貯まります。

ポイント還元率は、0.1%から1%台まで幅広いのが特徴です。また、法人カードによっては、特典や独自サービスの利用で、ポイント還元率をアップできる場合があります。

ポイントの活用方法は、基本的に以下のような内容です。

  • ポイント払い
  • 他社ポイントやマイルへ移行
  • 独自サービスに使用
  • 商品やギフト券と交換

ポイントサービスを比較する際は、有効期限に関しても注意が必要です。ポイントの有効期限は、各サービスによって異なりますし、特定の条件を満たすと延長される場合もあります。有効期限を確認した上で利用するのが基本です。

1-5.締め日から支払日までの期間

商品の仕入れなどで法人カードを使用する場合、締め日から支払日までの期間を把握しておくのも大切なポイントです。

法人カードの締め日は、月末もしくは15日のケースが多く、支払日は締め日の翌月10日もしくは25日前後の傾向となっています。利用日から支払日までの期間は、一般的に50日前後ですが、60日弱まで猶予を持たせている場合もあります。

支払日までの期間が気になる個人事業主の方は、締め日や支払日の設定、条件を確認してみましょう。

2.個人事業主も発行できる主な法人カードを比較

最後に個人事業主も発行可能な法人カードから、年会費や特典の傾向について比較していきます。

以下の表では、各法人カードの傾向や主な特典について簡単にまとめています。

カード名 年会費 ビジネスサポート 出張、接待特典 空港、旅行特典
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード 基本会員:13,200円(税込)
追加会員:6,600円(税込)
特典あり
会計ソフトと利用額の連携あり
カードローンや助成金制度の案内
コンサルティング関連の特典
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードとアメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードは、DELL Technologieの割引特典やLancersの割引サービスなども追加
特典あり
トラベルデスクやレンタカー割引、レンタル携帯電話割引、JR東海エクスプレス予約サービス、接待に役立つゴルフ優待特典あり
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、ゴルフ特典に加えて京都特別観光ラウンジなどを利用可能
特典あり
旅行予約サービスに関する優待特典
手荷物宅配サービスやカード提携空港ラウンジの利用特典など
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、送迎サービスも利用可能
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードはビジネス・プラチナ・トラベル・サービスなども利用可能
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード 基本会員:34,100円(税込)
追加会員:13,200円(税込)
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード 基本会員:143,000円(税込)
追加会員:4枚まで無料
5枚目以降は1枚につき13,200円(税込)
特典あり
指定ホテルの上級会員プログラムを登録可能、国内外1,000ヶ所以上のホテルで部屋のグレードアップなど
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード 基本会員:1,100円
追加会員:無料(4枚まで発行可能)
特典あり
会計ソフトと利用額の連携あり
配送や電話代行、シェアオフィスの割引など
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、マーケディング代行サービスや弁護士紹介特典などを追加
出張に役立つ特典はあり
海外用Wi-Fi・携帯電話レンタル割引
関連特典なし
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード 基本会員:22,000円
追加会員:3,300円(4枚まで)
特典あり
レンタカー割引やコンシェルジュサービス、宿泊関連の特典あり
演劇などの接待時に役立つチケット特典
空港に関する特典のみあり
プライオリティ・パスの割引、ハイヤー送迎サービス、手荷物宅配サービス、コートお預かりサービス
三井住友ビジネスカード for Owners
クラシック(一般)
1人目:1,375円(税込)
2人目以降:1枚につき440円(税込)
特典あり
Visa ビジネスオファーの特典が中心
Visa ビジネスオファーで印刷やシェアオフィス、ウォーターサーバーなどといったビジネスサポートもあり
全体的に特典が少ない
国内外のレンタカー割引、VJデスク
ゴルフ場の予約手配特典
特典あり
法人向けの宿泊や航空券購入サービスあり
ゴールドカードはカード提携ラウンジを無料で利用可能、
プラチナカードはカード提携ラウンジに加えてプライオリティ・パス特典やコンシェルジュサービスも利用可能
三井住友ビジネスカード for Owners
ゴールド
1人目:11,000円(税込)
2人目以降:1枚につき2,200円(税込)
三井住友ビジネスカード for Owners
プラチナ
1人目:55,000円(税込)
2人目以降:1枚につき5,500円(税込)
JCB CARD Biz
JCB法人カード
一般
基本会員、追加会員:1,375円(税込)
JCB法人カードのみ追加カード発行可能
特典あり
会計ソフトの連携サービスや割引特典
備品関連の優待サービスや福利厚生あり
JCB CARD BizとJCBビジネスカードはJCB E-Co明細サービスの対象外
出張特典は少ない
JR東海「エクスプレス予約」特典
ゴルフ場の予約手配
ゴールドカードはJCBゴールドグルメ優待サービス、プラチナカードはグルメ・ベネフィットなども利用可能
※JCBコーポレートカードにJR東海「エクスプレス予約」特典なし
旅行予約などの特典あり
旅行予約サービスや法人向け宿泊サービスあり
ゴールドカードはカード提携空港ラウンジあり
プラチナカードは、プライオリティ・パスやコンシェルジュサービスあり
JCB CARD Biz
JCB法人カード
ゴールド
基本会員:11,000円(税込)追加会員:3,300円(税込)
JCB法人カードのみ追加カード発行可能
JCB CARD Biz
JCBプラチナ法人カード
基本会員:33,000円(税込)追加会員:6,600円(税込)
JCB法人カードのみ追加カード発行可能
JCBビジネスカード
JCBコーポレートカード
企業年会費:33,000円(税込)個人年会費:無料 特典あり
JCB CARD BizやJCB法人カードの特典に加えて経費精算システムに関する複数の優待特典を利用可能
楽天ビジネスカード 年会費2,200円(税込) 特典あり
Visa ビジネスオファーの特典が中心
出張に関する特のみあり
トラベルデスク、レストランをはじめとした施設予約サービス、都市や観光情報の案内サービスなど
特典あり
旅行予約サービス
プライオリティ・パスやカード提携空港ラウンジ、手荷物宅配サービス
ダイナースクラブ ビジネスカード 基本会員: 29,700円(税込)追加会員:無料 特典あり
会計ソフトと利用額の連携あり
法律相談や税務、労務関連の相談サービス、マーケティング代行サービスなど特典多数
特典あり
JAL国内線出張手配「JALオンライン」サービス
レストランや料亭での優待特典、会員限定イベント、ゴルフ関連の優待など
関連特典なし

リーズナブルな年会費のカードは、JCB CARD Biz(一般)セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)です。これらの法人カードは、1,000円台の年会費で利用し続けることができます。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードやJCB CARD Biz、JCB法人カードダイナースクラブ ビジネスカードは、経費精算の効率化だけでなく弁護士やマーケティングサービスの紹介や案内特典、配送や印刷、シェアオフィス関係の特典も受けられます。なお、会計ソフトや出張管理ソフトに関するサポートサービスは、多くの法人カードで導入されています。

福利厚生サービスや旅行特典に関しては、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードや三井住友ビジネスカード for Ownersなどの方が充実しているといえます。両カードは、ビジネスサポートに加えてレストランやゴルフ、イベント、旅行サポートサービスなどを利用することができます。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードやダイナースクラブ ビジネスカードは、出張や接待にも活用可能な特典が充実しています。

ポイント還元率に関しては、ポイント還元率最大5%の楽天ビジネスカードや通常1%のアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード(ゴールド、プラチナ含む)などが他の法人カードと比較して高めといえます。

なお、個人事業主も発行可能な法人カードは、年齢に関する条件に違いもあるので、申し込む前に発行条件を1つ1つ確認するのが大切です。

まとめ

個人事業主が法人カードを選ぶ時は、申込条件に加えて年会費の金額やコストパフォーマンス、ビジネスサポートサービスの内容、ポイント還元率などに注目するのが大切です。空港ラウンジや手荷物宅配サービス、レストランやゴルフ場などといった空港やエンターテイメント特典は、カードによって内容や数が大きく異なります。

個人事業主の方や旅行・出張の頻度が高い方は、個人事業主も発行可能な法人カードを検討してみてはいかがでしょうか。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。