SBI証券で人気の「SBI・バンガード・S&P500」を徹底分析。コストや利回りは?

投資の世界には、さまざまな投資信託商品があります。現在特に人気を集めているのが、SBIグループが提供している「SBI・バンガード・S&P500」です。今回は「SBI・バンガード・S&P500」の特徴やコスト、利回りなどについて徹底分析しますので、投資信託の銘柄選びの参考にしてください。

※この記事は2020年11月26日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. SBI・バンガード・S&P500の概要
    1-1.バンガード社とは?
  2. SBI・バンガード・S&P500の特色
    2-1.米国株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す
    2-2.S&P500指数に連動するETFに投資する
    2-3.組入外貨建て資産の為替ヘッジを行なわない
  3. SBI・バンガード・S&P500で資産運用する際のコスト
  4. SBI・バンガード・S&P500の利回りは?
    4-1.投資信託の場合はトータルリターンで利回りを把握する
    4-2.SBI・バンガード・S&P500のトータルリターン
  5. まとめ

1.SBI・バンガード・S&P500の概要

まずは、SBI・バンガード・S&P500の特徴について紹介していきます。

SBI・バンガード・S&P500は、世界最大級の運用会社であるバンガード社とSBIグループが協力して提供している米国株ファンドです。米国株への投資をより低コストで行える銘柄という特徴があり、2020年11月現在の純資産総額は880億円を超えています。

SBI証券において、週間販売金額、週間販売件数、月間積立設定金額、月間積立設定件数、週間NISA販売金額、週間銘柄注目度において、すべて1位を獲得している銘柄です。

バンガード社とは?

バンガード社は、アメリカ・ペンシルベニア州に本社を構える世界最大級の運用会社で、運用資産残高は約630兆円に及びます。1967年に世界で初めて個人投資家向けのインデックスファンドを米国に投資家向けに設定した経緯があります。

2019年12月現在、世界のオープンエイド・インデックスファンド市場で、約4割のシェアを占めており、インデックスファンドの世界シェアNo.1企業となっています。

2.SBI・バンガード・S&P500の特色

ファンドの特色は、以下の3点です。

  1. 米国株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す
  2. S&P500指数に連動するETFに投資する
  3. 組入外貨建て資産の為替ヘッジを行なわない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.米国株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す

SBI・バンガード・S&P500の特色の1つが、米国株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すファンドであるということです。

このファンドのベンチマークとなっているのが、「S&P500指数(円換算ベース)」です。これは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している指数です。

ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している株式銘柄から代表的な500銘柄を選択し、時価総額を加重平均によって指数化するもので、米国における代表的な株価指数の1つです。

2-2.S&P500指数に連動するETFに投資する

先述したS&P500に連動するよう運用されているETF(上場投資信託)に投資を行うというのも、SBI・バンガード・S&P500の特色です。SBI・バンガード・S&P500をベビーファンドとして資金を集め、それをマザーファンド(SBI・バンガード・S&P500インデックス・マザーファンド)と呼ばれる投資信託に投資をして、実質的な運用を行います。

マザーファンドが投資対象としているのが「バンガード・S&P500ETF」という上場投資信託(米国株式が投資対象)で、S&P500に連動するように運用されています。

2-3.組入外貨建て資産の為替ヘッジを行わない

組入外貨建て資産の為替ヘッジを行わないというのも、同ファンドの特色です。

海外の外貨建て資産に投資をする場合、為替の変動が関係するため、日本円に直した場合に収益が減ったり、損失に転換したりすることがあります。このような事態を避けるために、為替の先物契約(一定の為替レートで外貨と円貨を交換する契約)などを利用することを「為替ヘッジ」といいます。

SBI・バンガード・S&P500では、為替ヘッジを行わないため、円安となれば基準価額が現地通貨ベースで変動していなくても為替益が得られます。為替益は基準価額として還元されるため、基準価額が上昇します。また、基準価額が上昇していれば、値上がり益も得ることができます。

一方、円高となった場合は為替差損が発生するため、基準価額は下落する可能性があります。

3.SBI・バンガード・S&P500で資産運用する際のコスト

ここからは、SBI・バンガード・S&P500での資産運用に必要なコストについて紹介します。

一般的に、投資信託での資産運用においては、以下のコストが発生します。

  • 買付手数料(購入時の手数料)
  • 運用管理手数料(信託報酬、運用時の手数料)
  • 監査報酬(決算ごとに行なう監査を受けるための費用)
  • 売買委託手数料(投資する資産を売買する際に発生する費用)
  • 信託財産留保額(換金時にかかる費用)

SBI・バンガード・S&P500は、SBI証券が提供するノーロードファンドとなるため、買付手数料は無料で支払う必要はありません。また、信託財産留保額も無料となっています。

次に、監査報酬と売買委託手数料は支払う必要がありますが、運用状況などによって変動するため、事前に料率・上限額などを示すことができません。そのため、その時の状況に応じて支払うことになります。

そのため、SBI・バンガード・S&P500において、事前に把握できるコストは運用管理手数料(信託報酬)のみとなります。SBI・バンガード・S&P500の信託報酬は、年率0.0638%(税込)です。信託報酬の内訳は以下の通りです。

  • 委託会社への支払い:0.022%
  • 販売会社への支払い:0.022%
  • 受託会社への支払い:0.014%

また、投資対象とする投資信託証券に対して、年率0.03%程度の手数料を支払います。これらを合計すると、年率0.0938%程度の手数料コストが発生することになります。

では、具体的にどれくらいの金額になるのか試算しましょう。信託報酬の計算方法は以下の通りです。

  • 基準価額×保有数量×信託報酬率=信託報酬

仮に、基準価額が1万円で保有数量が100口の場合、信託報酬は以下のようになります。

  • 1万円×100口×0.0938%=938円

この場合の信託報酬率は年率ですので、1年間投資信託を保有した場合の金額であると考えてください。また、実際には、信託報酬は毎日計算されており、基準価額は毎日変動することになるため、上記のように計算したとしても、結果的に多少増減することを理解しておきましょう。

4.SBI・バンガード・S&P500の利回りは?

投資信託に対して気になるポイントとなるのが、「利回りはどれくらいか」ということです。利回りというのは、投資金額に対する収益の割合のことを指します。例えば、100万円の投資に対して、1年後に1万円の利益が発生した場合、利回りは年率1%となります。

ただし、投資信託における利回りは、一般的な利回りとは少し考え方が違うということを理解しておく必要があります。

例えば、銀行預金の利回りが1%だった場合は、上記の例のように1年後に1万円の利益(=利息)が発生します。

ですが、投資信託の場合、基準価額は常に変動することになるため、投資した時点でどれくらいの利益が得られるのか正確に知ることができません。また、分配金がいくら出るのかもわからないうえ、場合によっては出ないこともあり得ます。

そのため、投資信託における利回りは、今後の利益を予測するものではなく、「これまでの結果としてどれくらいの収益があったかを後から計算するもの」となります。

4-1.投資信託の場合はトータルリターンで利回りを把握する

投資信託では「分配金利回り」を計算することがあります。これは投資金額に対して受け取った分配金の割合を計算したものです。

上記のように投資信託に100万円を投資し、1万円の分配金を得た場合は、以下のように計算します。

  • 分配金÷投資金額×100=1万円÷100万円×100=1(%)

ですが、分配金利回りはあくまでも分配金にのみ着目して計算しており、基準価額の変動を考慮していないため、投資信託の損益を正確に知ることはできないのです。

投資信託の分配金に加えて、基準価額の変動も考慮して利回りを考える場合に用いるのが、トータルリターンです。上記の例に加えて、100万円投資した投資信託の1年後の評価額が105万円になっていると考えると、以下のような計算となります。

  • (分配金+値上がり益)÷投資金額×100=(1万円+5万円)÷100万円×100=6(%)

このように、分配金と値上がり益を考慮した場合の、正確な利回りは6%となるわけです。投資信託の利回りを考える場合は、トータルリターンで考えることが大切ですので、覚えておきましょう。

4-2.SBI・バンガード・S&P500のトータルリターン

では、SBI・バンガード・S&P500のトータルリターンはどれくらいなのでしょうか?

SBI証券のホームページに記載されているトータルリターンは以下の通りです。

期間 SBI・バンガード・S&P500 同カテゴリファンドの平均
1ヶ月 -1.82% -0.73%
6ヶ月 +10.90% +11.75%
1年 +5.70% +2.29%
設定日以来 +9.23% ――

※設定日は2019年9月26日

同じ米国株式に投資できる投資信託の平均と比較すると、短期ではややマイナスが大きく、長期ではプラスが大きくなっています。

ちなみに、同ファンドでは、これまでに分配金が支払われた実績がありません。というのも、分配金はファンドに再投資される仕組みとなっているためです。そのため、分配金利回りを計算することはできません。なお、このように分配金が自動的に再投資されるファンドは、同ファンド以外にもたくさんあります。

そのため、投資信託を比較するためにより正確な利回りを知りたいという場合は、トータルリターンを確認することが大切です。

まとめ

今回は、SBI証券で人気のSBI・バンガード・S&P500のコストや利回りについて紹介しました。低コストで米国株式に投資できる同ファンドは、半年以上のトータルリターンで見た際にプラスとなっており、長期投資の手段の一つとしても検討することが可能です。

海外の株式に投資できる投資信託を購入しようと考えている方は、SBI・バンガード・S&P500もチェックしてみてはいかがでしょうか。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。