ソーシャルレンディングは1万円から始められ、投資資金の多くない方でも検討しやすい投資手法です。
しかし、投資で大きなリスクを避けるためには、一つの投資に資金を投資するのではなく、様々な投資手法と組み合わせることが大切です。
そこで今回は、ソーシャルレンディングと組み合わせることでリスク分散を行うことができ、収益性の確保も効果的に行える投資手法3つをここではお伝えしていきます。
目次
- ソーシャルレンディングのメリットとデメリット
1-1.ソーシャルレンディングのメリット
1-2.ソーシャルレンディングのデメリット - ソーシャルレンディングのデメリットを補う投資手法とは
2-1.税制面のメリットが大きいiDeCo
2-2.投資先の分散ができるETF - まとめ
1.ソーシャルレンディングのメリットとデメリット
まずはソーシャルレンディングの持つメリットとデメリットを知っておきましょう。
メリットを知っておけば、他の投資手法にデメリットがあってもソーシャルレンディングで補うことができます。逆に、ソーシャルレンディングのデメリットを知っておけば、そのデメリットを補うための投資手法を探すことができます。
メリットデメリットについてそれぞれ詳しく解説していきます。
1-1.ソーシャルレンディングのメリット
ソーシャルレンディングの主なメリットとして、下記の2つの特徴があります。
- 収益の額が最初から決まっているインカムゲイン投資である
- 他の投資と比較して利回りが高い
それぞれ見て行きましょう。
収益の額が最初から決まっているインカムゲイン投資である
ソーシャルレンディングは貸金で収入を得る投資手法であるため、運用開始時から利回りが決められています。
例えば、金利5%の案件に100万円を投資すれば、1年間で得られるリターンは基本的には5万円(税引前)です。
運用期間終了前に早期に償還されてしまったり、貸し倒れによって得られる利益は減る可能性がありますが、初めに設定した利回り自体が大きく変わることはありません。
ソーシャルレンディングでは、毎月どの程度の収入が入ってくるのか、あらかじめ計算しやすい点はメリットと言えるでしょう。
他の投資と比較して利回りが高い
主なソーシャルレンディング会社が提示する想定利回りは、年利で4%~7%程度です。また、ソーシャルレンディング会社の中にはレンデックス(LENDEX)など、10%を超える案件を提供するところもあります。他のインカムゲインが得られる投資手法と比べると、高めの利回りとなっています。
インカムゲインが得られる他の投資手法を見てみると、不動産投資型クラウドファンディングの平均的な予定分配率が3%~5%程度です。REIT(不動産投資信託)だと4%~5%程度、東証プライム上場企業の株式の配当金の相場は2.5%前後です(2020年4月時点)。それらのインカムゲインが得られる投資手法と比べると、ソーシャルレンディングの利回りは高い水準であることがわかります。
1-2.ソーシャルレンディングのデメリット
次にソーシャルレンディングのデメリットを見て行きましょう。主に下記の3つのデメリットがあります。
- 資産としての流動性が低い
- 不動産関係の案件に偏る傾向がある
- 雑所得なので税率が高くなる
それぞれ見て行きましょう。
資産としての流動性が低い
ソーシャルレンディングのデメリットは資産の流動性が低い点です。ソーシャルレンディングは貸金であるため、運用期間中にキャンセルができません。運用が終わるまでは投資した資金が拘束されることになります。
基本的に投資の権利を他者へ譲渡する行為も行えず、ソーシャルレンディングに投資している資金を担保として設定するのも難しくなります。資産としての流動性が低く、担保価値が低いため、資産価値はやや低めとも言えるでしょう。
不動産関係の案件に偏る傾向がある
日本のソーシャルレンディング案件で特に案件数が多いのが、不動産購入資金の融資案件です。
不動産購入資金の融資案件の場合、実際に取得する不動産が担保に設定されるので、損失が出た時には担保の不動産を売却します。あらかじめ担保を設定しているため、投資資金を回収できる可能性が高くなります。
しかし、融資先の事業が不動産に限定されてしまうと、国内の不動産市場が不安定になった時に大きな損失が発生するリスクがあります。
投資するソーシャルレンディングサイトを分散させていても、投資先の案件の内容が不動産に偏っていては分散投資が出来ていないことになります。
このように、国内のソーシャルレンディングサイトの案件の大半が不動産案件であるため、投資先の分野が不動産案件に偏る傾向があります。自分自身で投資先を選び、ポートフォリオを組む意識をする必要があるでしょう。
雑所得なので税率が高くなる
ソーシャルレンディングによる収入は雑所得に該当します。株式投資やFX投資、投資信託などによって得られた利益には分離課税が導入されており、最大税率は20.315%です。
しかし、ソーシャルレンディングの利益は雑所得になるため、最大で税率は所得税45%と住民税10%を合わせた55%になります。分離課税が導入されている株式投資やFX投資と比べ、税率において非常に大きな差があることがわかるでしょう。
税制面においてソーシャルレンディングは、まだまだ大きなデメリットが存在します。
2.ソーシャルレンディングのデメリットへの対策
それでは、ソーシャルレンディング投資のデメリットを補う投資手法には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、比較的始めやすい投資手法の中から2つをピックアップしてみました。
2-1.税制面のメリットが大きいiDeCo
ソーシャルレンディング投資のデメリットは、税率面の高さです。そこで、ソーシャルレンディング投資で得られた利益をiDeCoに投資することで、税制面の不利を補うことができます。
例えば、ソーシャルレンディングで30万円の利益を得たら、30万円をiDeCoに投資してみましょう。iDeCoであれば、給与所得のサラリーマンにも毎月23,000円までの非課税控除枠があります。
23,000円×12ヶ月で、年間の非課税控除額は276,000円です。ソーシャルレンディングで得た利益を再投資し、将来の個人年金として資産運用できます。
【関連記事】iDeCo(確定拠出年金)は加入すべき?メリット・デメリットや始め方も
2-2.投資先の分散ができるETF
ソーシャルレンディングの欠点は、投資先の分散が容易でない点です。そこで、併用する投資先として検討したいのが、ETF(上場投資信託)への投資です。
ETFは上場企業銘柄への分散投資を自動的に行ってくれるので、投資先を集中することによるリスクが発生しません。上場企業の平均株価と連動して利益が発生するので、株価が上昇すれば徐々に利益を積み重ねていくことができます。
また、ETFで発生した利益は分離課税の対象になり、最大で税率は20.315%です。分散投資ができる意味でも、税制面でも、併用して投資するメリットがあるでしょう。
【関連記事】投資信託、ETF、株式投資それぞれの違いは?メリット・デメリットの比較も
まとめ
ソーシャルレンディングは1万円の少額資金から手軽に始められ、毎月のインカムゲインが期待できる投資手法です。しかし、ソーシャルレンディングだけに資金の全額を回すと、返済遅延や貸し倒れ、ソーシャルレンディング会社の倒産などによる元本の毀損リスクも高くなってしまいます。
ソーシャルレンディングは、伝統的な投資手法である株式や債券などに対してあくまでオルタナティブ投資と考え、伝統的な投資手法の資金の分散先として考えておくことがリスク管理として重要です。
ここで示した投資手法を参考に、効果的にリスク分散と収益が上がる方法について考えていきましょう。
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