オーナーズブック、投資不動産の特徴やリスクは?4つの事例を検証

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新しい資産運用の方法として注目されているソーシャルレンディングのなかで、「オーナーズブック(OwnersBook)」は不動産に特化した投資ファンドを提供しています。

不動産を対象としたソーシャルレンディング投資では、投資不動産の種類によって特徴やリスクが異なるという点に注意が必要です。

本記事では、オーナーズブックにおける投資不動産の特徴やリスクについて事例を挙げて紹介します。オーナーズブックでの投資を検討されていた方はご参考下さい。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. オーナーズブック(OwnersBook)とは
  2. 4つの事例からみるオーナーズブックの投資不動産の特徴
    2-1.居住用不動産
    2-2.オフィス・商業ビル
    2-3.コインパーキング・駐車場
    2-4.用地・素地
  3. オーナーズブックでの投資に関するリスク
    3-1.元本保証はない
    3-2.途中解約はできない
  4. まとめ

1.オーナーズブック(OwnersBook)とは

オーナーズブックオーナーズブック(OwnersBook)は、ロードスターインベストメンツ株式会社が運営しているソーシャルレンディングのプラットフォームで、不動産に特化した投資ファンドを提供しています。

オーナーズブックでは1万円から不動産案件に投資して配当を受け取ることができます。貸付型タイプの案件は、すべて不動産担保付の融資案件となっており、投資の運用期間は、3~6カ月程度の短い物件から20カ月以上の長めの物件まで幅広く扱われています。

ソーシャルレンディング(融資型クラウドワークス)とは

ソーシャルレンディングは、お金を借りたい事業者とお金を貸したい投資家を、インターネットを通じてマッチングすることで仲介するタイプのクラウドファンディングです。

ソーシャルレンディングでは、投資家が少額で出資したお金を事業者に融資し、事業者から返済される利子などを、出資金に応じて分配金として受け取る仕組みになっています。また、運用期間が満期を迎えた後に出資元本が投資家に返済されます。

オーナーズブックのような不動産を対象としたソーシャルレンディングの場合、事業者は集めた出資金を不動産の取得・運営に活用します。投資家にとっては出資金の貸付金利が収益源となりますが、運用不動産のパフォーマンスによって契約通りの返済が為されるかどうかが決まるため、不動産の収益性や担保性などについても判断することが重要となります。

2.4つの事例からみるオーナーズブックの投資不動産の特徴

オーナーズブックでは、さまざまな不動産を投資対象にしたファンドを提供しています。

  • 居住用不動産
  • オフィス・商業ビル
  • パーキング
  • 用地・素地

それぞれの不動産の特徴について、事例を交えて紹介します。

2-1.居住用不動産

オーナーズブックでは、マンションやレジデンスといった居住用不動産に投資できるファンドを提供しています。

居住用不動産は一般の居住者をターゲットとしており、オフィスやホテル、商業施設などの不動産と比較して一定の収益が見込みやすいという特徴があります。特に東京都心では空室リスクや家賃変動リスクが地方都市と比較して低く、投資対象として選ばれやすい傾向にあります。

一方で、居住用不動産は募集金額が比較的に低いケースが多いため、募集期間が早期に終了することがあるのがデメリットです。そのため、居住用不動産への投資を希望しても、投資そのものができない可能性があります。

これまでにオーナーズブックで募集されたファンド実績の一例は以下の通りです。

  • 目黒区マンション第4号第1回
  • 港区マンション第4号第1回
  • 港区レジデンス第1号第1回
  • 杉並区レジデンス第1号第1回 など

運用期間は3ヶ月のものから3年程度のものまで幅広く設定されており、確定利回りは4%~5%となっています。

2-2.オフィス・商業ビル

オーナーズブックでは、オフィスや商業ビル、宿泊施設に転用する京町家などの商業施設に投資できるファンドも提供しています。

商業施設への投資では、居住用不動産と比較して高い利回りが期待できるというメリットがあります。これは、居住用不動産と比較して賃料単価が高くなるためです。

一方で、居住用不動産と比較して景気の影響を受けやすく、テナント退去による空室の発生や賃料の滞納、賃料の変動が大きいといったリスクがあります。

また、商業施設を扱うファンドそのものが少ないため、ソーシャルレンディングの投資対象として未知数の部分が多い点もリスクといえます。

これまでに募集されたファンド実績の一例は以下の通りです。

  • 大田区オフィス第1号第1回
  • 千代田区オフィス第5号第1回
  • 新宿区商業ビル第3号第1回
  • 品川区商業ビル第1号ファンド第1回 など

運用期間は5ヶ月~6ヶ月程度の短期のものが多く、利回りは4.5%~5.0%となっています。

また、上記ファンドの募集金額は平均で3億円程度、最も高いもので約7億5,000万円ですが、いずれの募集金額も満額にて募集を終了・償還を達成しています。

2-3.コインパーキング・駐車場

オーナーズブックでは、都内のコインパーキングに投資できるファンドも提供されています。コインパーキングは初期費用が安く済む場合が多く、狭小地や変形地でも始めやすい点が特徴です。

また、土地を保有している場合はすぐに始めることもでき、他の方法で土地活用をしたいと考えた場合にすぐにやめられるというのもメリットとなります。

一方で、コインパーキングは税制上のメリットが少ないため、支出する経費が大きくなりやすいうえ、平面駐車場の場合は収益性がどうしても低くなってしまうというリスクがあります。

オーナーズブックでは駐車場投資に実績のある企業への貸付けを行っています。これまでに募集されたファンド実績の一例は以下の通りです。

  • 渋谷区パーキング第1号ファンド第1回
  • 中央区パーキング第1号ファンド第1回
  • 文京区パーキング第1号ファンド第1回 など

運用期間は4ヶ月~14ヶ月と幅広く、利回りはすべて4.6%で償還が完了しています。

また、すべてのファンドが東京都心のパーキング用地を担保にしており、担保額に対する募集金額の割合が30%~80%と低く設定されているため、投資家が投資元本を毀損するリスクが軽減されているといえます。

2-4.用地・素地

オーナーズブックでは、居住用不動産や商業施設のための用地・素地への投資ができるファンドも提供されています。

用地とはある目的のために使用される土地のことで、素地とは宅地造成工事施工前の用地取得対象となる民有地のことをいいます。

用地・素地への投資では、将来的な計画があらかじめ決まったいるため、居住用物件となるのか、商業施設となるかによってそれぞれのメリットやリスクを享受することになります。

これまでに募集されたファンドの実績の一例は以下の通りです。

  • 葛飾区レジデンス用地第1号ファンド第1回
  • 墨田区マンション用地第1号ファンド第1回
  • 千代田区商業ビル素地第1号ファンド第1回
  • 府中市レジデンス素地第1号ファンド第1回 など

運用期間は3ヶ月~15ヶ月で、確定利回りは5.1%~7.5%と高い水準で償還されています。

3.オーナーズブックでの投資に関するリスク

オーナーズブックでの投資では、先述したリスク以外にも下記のリスクやデメリットがあります。

  • 元本保証はない
  • 途中解約はできない

3-1.元本保証はない

ソーシャルレンディングによる投資では、元本は保証されません。

貸付先の企業からの返済が滞れば配当が遅れる可能性があり、企業が倒産してしまえば元本が返ってこなくなることも考えられます。

オーナーズブックでは債務不履行が発生しないよう、貸付を行う企業や担保となる不動産について厳しく審査を行い、リスク軽減に努めていますが、貸し倒れリスクがあるという点に注意しておきましょう。

3-2.途中解約はできない

オーナーズブックでは、最短で3ヶ月、長くて数十ヶ月の運用期間が設定されており、その間での途中解約はできません。そのため、急な事情があっても出資金を現金化することはできません。オーナーズブックを利用して投資を行う場合は、余剰資金で行うことを検討しておきましょう。

また、途中解約ができないソーシャルレンディング投資において、契約期間が長期化するほど期間中の経済変化の影響を受け、リスクが高くなる傾向にあります。これからソーシャルレンディング投資を検討する場合は、比較的に期間の短い案件から検討するなど、リスクコントロールをしてみましょう。

まとめ

今回はオーナーズブックで提供されているファンドの投資不動産の特徴やリスクについて、種類別に事例を挙げて紹介しました。

投資する不動産の種類によってメリットやリスクが異なります。不動産の特徴を捉え、それぞれをよく理解したうえで投資判断を下すことが大切です。

ソーシャルレンディング投資では、高利回りになるほど事業者の返済負担を増大させ、貸し倒れリスクが高まる傾向にあります。収益面だけでなくリスクにも目を向け、慎重に検討してみましょう。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。