株主優待とは、企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する制度です。上場企業の約4割が株主優待を行っており、東証プライム上場企業のオリエンタルランドも株主優待を実施しています。
今回は2021年度のオリエンタルランドの株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2021年11月26日大引け時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- オリエンタルランドの株主優待の内容
- 東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの1日パスポート
2-1.株主用パスポートの抽選入園について
2-2.株主用パスポートの有効期限延長について - 長期保有株主向けの優待制度
- オリエンタルランドの配当の内容
- オリエンタルランドの業績の内容
- オリエンタルランドの企業情報
- オリエンタルランドの株主優待を受ける場合の注意点
7-1.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
7-2.権利付最終日での購入には注意
7-3.元本を毀損する可能性がある
7-4.新型コロナウイルスの感染状況に注意 - まとめ
1.オリエンタルランドの株主優待の内容
銘柄 | オリエンタルランド |
コード | 4661 |
優待回数 | 2回 |
優待券利確定月 | 3月、9月 |
優待利回り | 0.44% |
株価 | 1万8795円 |
優待を得るための最低投資額 | 1,879,500円 |
権利付最終日 | 2021年3月29日(月)、2021年9月28日(火) |
オリエンタルランド(4661)の株主優待の内容は下記の通りです。
- 東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで利用できる1日パスポート券
以下にて詳しく紹介します。
2.東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの1日パスポート
オリエンタルランドの株式を100株以上保有することで、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」で利用できる1日パスポートが贈呈されます。
パスポートの配布基準は下記の通りです。
所有株式数 | 9月末 | 3月末 | 合計配布枚数 |
---|---|---|---|
100株以上 | - | 1枚 | 1枚 |
400株以上 | 1枚 | 1枚 | 2枚 |
800株以上 | 2枚 | 2枚 | 4枚 |
1,200株以上 | 3枚 | 3枚 | 6枚 |
1,600株以上 | 4枚 | 4枚 | 8枚 |
2,000株以上 | 5枚 | 5枚 | 10枚 |
2,400株以上 | 6枚 | 6枚 | 12枚 |
※9月末の株主優待では400株以上保有する投資家に送付
配布される1日パスポートの有効期限は1年間となっています。なお、株主優待向けパスポートの使用には下記の条件があります。
- 入園制限中や特別営業時間(年越し営業など)では使用不可
- いかなる場合も有効期限の延長はしない
- 天災地変などの不可抗力、感染症の蔓延、行政庁からの事業縮小・中止の命令・要請、その他同社の責に帰さない事由により、パーク営業に支障が生じた場合、株主用パスポートの補償はしない
2-1.株主用パスポートの抽選入園について
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、健康・安全の確保を最優先としており、入園できる人数を制限する処置を行っています。このため、株主用パスポートでの入園は抽選制となります。
抽選の申込は入園希望日の前月または前々月の1日10時~7日23時59分までに行い、各月15日以降に抽選結果が発表されます。当選した場合は、全員分のパスポートを持参して来園します。
2-2.株主用パスポートの有効期限延長について
現在、一部の株主用パスポートに限り、有効期限の延長措置が実施されています。株主用パスポート裏面に印字の有効期限が下記の場合が対象です。
- 2020年6月30日
- 2021年1月31日
- 2021年6月30日
上記の対象パスポートについては、2022年1月31日まで有効期限が延長されています。ただし、それ以降の延長は予定されていないため、既出の方法で抽選に申込を行いましょう。
3.長期保有株主向けの優待制度
オリエンタルランドの株式を長期保有する株主に対して、東京ディズニーリゾート40周年の株主用パスポートが贈呈されます。
対象条件は下記の通りです。
贈呈対象 | 2018円9月30日~2023年9月30日までにすべての基準日(9月30日及び3月31日)において同一株主番号で同社株式を100株以上保有している投資家 |
贈呈枚数 | 所有株式数に関係なく一律4枚 |
贈呈時期 | 2023年12月(予定) |
2018円9月末の権利付最終日にオリエンタルランドの株式を100株以上保有している方のみ、同優待を受け取るチャンスがあります。
なお、株式名簿の登録が変更された場合や、株式名簿の登録から外れた後に再度登録された場合は、株式番号が変わる可能性があるため注意しましょう。
4.オリエンタルランドの配当の内容
オリエンタルランドの配当の内容は下記の通りです。
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り |
---|---|---|
2017年3月 | 37.5円 | 0.59% |
2018年3月 | 40円 | 0.37% |
2019円3月 | 42円 | 0.33% |
2020年3月 | 44円 | 0.32% |
2021年3月 | 26円 | 0.16% |
2022年3月 | 未定(予想1株配当) | 未定(予想配当利回り) |
ここ5年の1株当たりの配当金額は26円から44円の間で推移しています。2022年3月の予想1株配当は26円と予想されています。
また、ここ5年の実績配当利回りは2017年3月の0.59%から、2021年3月の0.16%まで下降傾向にあります。2022年3月の予想配当利回りは0.14%前後と、利回り水準の下落が見込まれています。
5.オリエンタルランドの業績の内容
オリエンタルランドの業績の内容は下記の通りです。
年度 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 包括利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017年3月 | 4,777億4,800万 | 1,131億5,200万 | 1,146億1,100万 | 823億7,400万 | 799億8,600万 |
2018年3月 | 4,792億8,000万 | 1,102億8,500万 | 1,116億6,000万 | 811億9,100万 | 850億1,400万 |
2019年3月 | 5,256億2,200万 | 1,292億7,800万 | 1,294億3,900万 | 902億8,600万 | 937億5,400万 |
2020年3月 | 4,644億5,000万 | 968億6,200万 | 980億6,200万 | 622億1,700万 | 516億4,900万 |
2021年3月 | 1,705億8,100万 | -459億8,900万 | -492億500万 | -541億9,000万 | -494億2,400万 |
※営業収益=売上高
営業収益(売上高)や経常利益、純利益は2019年をピークに減少傾向にあります。
特に、2021年3月期の決算は、新型コロナウイルス感染症の影響があり、経常利益・純利益ともに赤字に転落しています。2022年3月期の決算では営業収益は回復しているものの、黒字転換ではなく赤字縮小になると見込まれているのが現状です。
6.オリエンタルランドの企業情報
社名 | 株式会社オリエンタルランド |
事業内容 | テーマパークの経営・運営および不動産賃貸業など |
代表者 | 代表取締役社長(CEO) 吉田 謙次 |
決算 | 3月 |
資本金 | 632億112万7,000円 |
本社所在地 | 千葉県浦安市舞浜1番地1 |
上場市場 | 東証一部 |
上場年月日 | 1996年12月11日 |
オリエンタルランドグループはテーマパークおよびホテルなどの経営・運営をメインに事業を展開する企業です。具体的な事業内容は下記の通りです。
- テーマパーク事業
- ホテル事業
- イクスピアリおよびモノレールの経営・運営
- 不動産賃貸事業 など
「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の経営・運営を手掛けているほか、「ディズニーアンバサダーホテル」「ホテルミラコスタ」「東京ディズニーランドホテル」などの運営を行うホテル事業、「イクスピアリ」やモノレールなどの関連事業、不動産賃貸事業などを行っています。
株式会社オリエンタルランドの創設は東京オリンピック開催の4年前、1960年のことです。浦安沖の海面を埋め立てて商住地域の開発と一大レジャーランド建設を行い、国民の文化・厚生・福祉に寄与することを目的に設立された会社でした。
1974年にディズニーランドの誘致を正式表明してから、1983年の東京ディズニーランド開業、2001年の東京ディズニーシー開業を経て、現在に至っています。
7.オリエンタルランドの優待を受ける場合の注意点
オリエンタルランドの株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
- 権利付最終日での購入には注意
- 元本を毀損する可能性がある
- 新型コロナウイルスの感染状況に注意
7-1.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
株主優待の内容は変更されたり、優待自体が廃止されたりすることがあります。変更や廃止が発表されると保有株が売却されて株価が急落し、損失が発生することもあるので注意が必要です。
特に、業績が良くない銘柄や東証プライムに上場して間もない銘柄、優待利回りが高すぎる銘柄は、株主優待の内容変更・廃止となることが多い傾向になります。オリエンタルランドの近年の業績は良いとは言えない状態ですので、用心しましょう。
株主優待を受ける場合であっても、関連情報を必ず仕入れ、適切な投資判断を下すことが大切です。
7-2.権利付最終日での購入には注意
権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入して株主優待を受けるのは避けたほうがいいでしょう。というのも、人気が高い優待銘柄は権利確定日に向かって株価が上場し、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が大きく下落しやすいからです。
株主優待を得る代償として、含み損が発生する可能性があるため注意が必要です。
7-3.元本を毀損する可能性がある
株式投資を行う以上、元本割れを起こす可能性があります。株価はさまざまな要因に影響されて変動するため、購入時の価格よりも下がってしまうと含み損が発生し、売却時に損失となってしまいます。
株主優待が目的で株式を購入する場合でも、株価の変動についてはチェックを行い、場合によっては、元本を毀損する前に株式の売却や損切り(=損失を確定させるための売却)を行って最小限の損失に抑える必要があります。
株価が下落した場合にどう対処するのか、事前に決めてから株式を購入することをおすすめします。
7-4.新型コロナウイルスの感染状況に注意
上述の通り、オリエンタルランドの業績は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って急激に悪化しました。政府の働きかけもあり、人々が感染リスクを恐れて外出を控えたことから、ディズニーランド等の来園客数が大きく減少したからです。
今後の感染拡大状況によって同社の株価は左右されることが見込まれますので、最新の情報を確認したうえで購入を検討する必要があります。
まとめ
今回はオリエンタルランドの2021年の株主優待について紹介しました。
オリエンタルランドの株主優待では、保有株式数に応じて東京ディズニーランドや東京ディズニーシーで利用できる1日パスポートをもらえます。
ただし、来年以降も同じ優待内容になるとは限りません。近年の業績は悪化しており、優待内容の変更や廃止が検討される可能性もあるため、優待目的での投資の際は、必ず情報を集めて適切な判断を行ってください。
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山本 将弘
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