ネット証券、現物株式の取引手数料が安いのは?主要7社を比較

ネット証券を選ぶときに重要になるポイントの一つが株の売買手数料です。同じ銘柄を買うなら手数料の安い証券会社を利用したほうがコスト上のメリットがあります。

この記事では、ネット証券7社の現物株手数料を比較し、合わせてそれぞれの証券会社の特徴も解説します。

※記事内の情報はすべて2021年2月時点のものです。最新情報は各証券会社サイト上でご確認ください。

目次

  1. ネット証券7社の現物株式の売買手数料の比較
    1-1.1約定ごとの手数料
    1-2.1日定額制の手数料
  2. SBI証券の現物株手数料
  3. 楽天証券の現物株手数料
  4. LINE証券の現物株手数料
  5. DMM株の現物株手数料
  6. 松井証券の現物株手数料
  7. 岡三オンラインの現物株手数料
  8. auカブコム証券の現物株手数料
  9. まとめ

1.ネット証券7社の現物株式の売買手数料の比較

株式売買手数料は、主に「1約定ごと」と、一定の金額に対するまで1日に何度取引しても手数料が一定の「1日定額制」に分かれます。長期で銘柄を保有する投資家は1約定ごとがお得ですし、1日に何度も取引をするデイトレーダーなどは、1日定額制が安いネット証券を利用したほうが有利になります。

「1約定ごと」、「1日定額制」が特に安い証券会社は、以下の通りです(金額は税込)。

1-1.1約定ごとの手数料

項目 10万円 20万円 50万円 100万円
SBI証券 99円 115円 275円 535円
楽天証券 99円 115円 275円 535円
LINE証券 99円 115円 275円 535円
DMM株 88円 106円 198円 374円
岡三オンライン 108円 220円 385円 660円
auカブコム証券 99円 198円 275円 1,089円

※松井証券は1約定ごとの手数料設定なし。取引所とPTSの取引を合わせた1日の約定代金合計で手数料が決まる「ボックスレート」となっており、1日の約定代金合計金額が50万円までは手数料は0円となっています。
比較的少額の約定金額であれば、DMM株もしくは売却時のみ手数料が発生するLINE証券がお得に取引可能です。また100万円までの取引においてはDMM株に軍配が上がります。

1-2.1日定額制の手数料

項目 10万円 20万円 50万円 100万円
SBI証券 0円 0円 0円 0円
松井証券 0円 0円 0円 1,100円
岡三オンライン 0円 0円 0円 0円
楽天証券 0円 0円 0円 0円

SBI証券、楽天証券、岡三オンラインは1日100万円まで手数料が無料となっています。

以下では、ここで取り上げた各社の特徴をご紹介します。

2.SBI証券の現物株手数料

SBI証券>SBI証券の国内株式の現物取引は、1注文の約定ごとに手数料が決まる「スタンダードプラン」、1日の約定代金合計額に応じて手数料が決まる「アクティブプラン」の2種類の手数料が用意されています。とくに1日定額プランは1日100万円まで売買手数料0円で取引できます。

また、SBI証券ではPTS取引があるので、夜間でも現物株式を取引することが可能です。PTS取引とは、通常の株式取引が行われる東京証券取引所とは別に設けられた、私設取引所で行われる取引のことです。そしてSBI証券のPTSの夜間取引なら、取引金額にかかわらず、売買手数料は無料になります。

3.楽天証券の現物株手数料

楽天証券の国内株式手数料は、「超割コース」「いちにち定額コース」の2つのコースから選ぶことが可能です。超割コースでは、1回の取引金額で手数料が決まります。さらに超割コースなら取引に応じて楽天ポイントが貯まり、国内株式現物取引手数料は5万円以下の場合、55円からと比較的安価になっています。

楽天証券の「いちにち定額コース」は、取引金額が50万円まで取引手数料が0円です。1単元50万円以下で買える銘柄を取引するなら、1約定あたりの料金プランよりも安くできます。

また楽天銀行と連携するハッピープログラムを利用すれば、取引をしながらどんどんポイントが貯まります。国内株式の現物買・現物売・信用新規・信用返済の取引手数料100円ごとに、楽天ポイント1ポイントがもらえます。

4.LINE証券の現物株手数料

LINE証券LINE証券のサービス開始時は単元未満株取引だけでしたが、2020年5月から1単元単位(100株単位)で売買する現物株取引がスタートしました。

LINE証券ではスマホでの使いやすさにこだわっており、シンプルな取引画面は初心者にも使いやすいデザインになっています。LINE証券では他の証券会社と異なり、独自の専用アプリはありません。新しいアプリをインストールしなくても、すでに利用しているLINEアプリからすぐに取引できるからです。そのため認証用のパスワードやIDなどを、確認・保存する必要もありません。

5.DMM株の現物株手数料

DMM株DMM株は、2018年4月にスタートした国内株のオンライントレードサービスです。国内株式のトレードに特化したネット証券で、売買手数料の安さが強みです。

国内株式の取引手数料は、現物取引が5万円以下で税込55円、信用取引は約定金額や条件を満たした場合、信用取引手数料は0円という安さになっています。大手ネット証券と比較しても、約定金額が大きいほどお得になります。

6.松井証券の現物株手数料

松井証券松井証券は、1918年に創業された歴史のある証券会社です。1998年に国内初の本格的なインターネット取引「ネットストック」を開始しました。

松井証券では1約定ごとの手数料設定はありませんが、「ボックスレート」を利用すれば売買回数に関係なく、50万円まで売買手数料が0円です。現物取引では、証券取引所とPTSの取引を合わせた1日の約定代金で手数料が決まります。

また「ベストマッチ(約定価額改善サービス)」の最良注文を利用すると、東京証券取引所の最良気配より有利な価格で約定するチャンスがあります。

7.岡三オンラインの現物株手数料

岡三オンラインは、岡三証券を母体とするネット証券で、トレードツールと手数料の安さが魅力です。岡三オンラインの定額プランの取引手数料は、現物100万円まで株式手数料が0円です。

岡三オンラインの取引ツール「岡三ネットトレーダーシリーズ」は、株や先物・CFD などの品揃えと取引ツールの使いやすさから、頻繁に取引をするデイトレーダーなどに人気があります。

8.auカブコム証券

auカブコム証券(旧カブドットコム証券)は、ネット証券の中でも歴史ある会社の1つで、三菱UFJフィナンシャル・グループやKDDIといった大手企業の資本を有しています。

手数料については、auユーザーやシニア、女性ユーザーに対する独自の割引プランがあるため、割引対象になる方ならよりお得に取引することが可能です。ただし、100万円以上の取引をする場合は手数料が割高となるため注意が必要です。

まとめ

今回は、ネット証券の現物株の手数料を比較しました。現物株の手数料では「1約定ごと」と「1日定額制」2種類を設定している証券会社が多くなっています。

長期保有で取引が少ない投資家は1約定ごと、デイトレーダーなど取引回数が多い投資家は、1日定額制の手数料が安いネット証券と、スタイルに応じた証券会社を選ぶことでメリットが大きくなります。自分の取引スタイルに合った証券会社を選ぶようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011