ネット証券会社大手7社を比較、ユーザーに選ばれているのは?口座開設数や売上を分析

現在、多くのネット証券がサービスを提供しており、さまざまな選択肢から自分に合ったサービスを選ぶことができるようになっています。ですが、そのぶん多すぎてどこを選べばいいのかわからない、となる場合もあるでしょう。

そこで今回は、ネット証券各社の人気を探るため、シェア上位の会社についてリサーチしてみました。口座開設数と売上からどの証券会社がユーザーに選ばれているか見てみましょう。

目次

  1. 比較するネット証券会社とデータ
  2. ネット証券会社各社の口座開設数のシェア率比較
  3. ネット証券会社各社の営業収益(=売上高)のシェア率比較
  4. ネット証券会社各社の新規口座開設数のシェア率比較
  5. まとめ

1.比較するネット証券会社とデータ

まずは、シェア上位を比較する対象となる証券会社を紹介します。

いわゆる「大手ネット証券会社」と呼ばれるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券の各証券会社に、GMOクリック証券、岡三オンライン証券の2社をプラスした合計7社でシェアの比較を行います。

また、比較するデータは以下の通りです。

  • 口座開設数
  • 営業収益(≒売上高)
  • 新規口座開設数

口座開設数を確認することで、顧客数を見ることができます。つまり、口座開設数が多い証券会社ほど、多くの投資家に選ばれているといえます。

営業収益とは、証券会社の売上高に当たる数値です。株式売買を仲介する委託手数料や証券会社が株式を売買して得ることができるトレーディング収益など、証券会社が挙げた収益のすべてを合計したものが営業収益です。営業収益が高いほど、証券会社の事業は順調だと考えられるため、経営上の心配が少ない証券会社であると判断することができます。

また新規口座開設数では、直近の証券会社の人気を測ることができます。この数値が大きいほど、人気と勢いのある証券会社であると考えられます。

なお、今回は各証券会社のホームページの情報、もしくは決算情報、決算用資料などから筆者独自にリサーチをしています。

2.ネット証券会社各社の口座開設数のシェア率比較

まずは、口座開設数のシェア率を比較してみましょう。このデータについては2020年6月時点の総合口座の開設数をリサーチしています。

口座開設数のシェア率(※ここでは、7社全体の口座開設数を100%として各社の割合を算出)は以下のようになりました。

会社名 口座開設数 シェア率
SBI証券 570万1,000口座 37.7%
楽天証券 440万2,247口座 29.1%
マネックス証券 187万2,069口座 12.4%
松井証券 126万5,754口座 8.4%
auカブコム証券 117万1,774口座 7.8%
GMOクリック証券 44万4,357口座 2.9%
岡三オンライン証券 25万3,035口座 1.7%

口座開設数のシェア率トップはSBI証券で約570万口座、シェア率が37.7%、次点が楽天証券の約440万口座で29.1%という結果となりました。実に2トップの証券会社で66.8%、約3分の2を占めていることになります。

複数の証券会社に総合口座を開設している投資家も多いため、必ずしも上記データが実情を正確に反映しているというわけではありません。ただ、それでもSBI証券と楽天証券の強さが目立っています。

トップのSBI証券は、ネット証券でもトップクラスに安価な手数料体系や、IPO取扱件数の多さ、PTSによる株式の夜間取引といった様々な点に強みを有しており、多くのユーザーが口座を開設する人気のサービスとなっています。

一方、2位の楽天証券は後発ではあるものの、SBI証券と同様に安価な手数料や幅広いサービスと充実した投資情報の提供、楽天スーパーポイントとの連携などで、業界内の勢力を拡大している状況です。

3.ネット証券会社各社の営業収益(=売上高)のシェア率比較

次に、営業収益のシェア率比較を見てみましょう。こちらは各証券会社の直近の通期決算データをリサーチしています。

※以下のシェア率は、7社全体の営業収益を100%として各社の割合を算出していますが、通期の決算タイミングが四半期ずれている会社もあるため、あくまで目安の参考値として御覧ください。

会社名 営業収益 シェア率 決算期
SBI証券 1,244億6,600万円 48.4% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
楽天証券 560億5,500万円 21.8% 2019年12月期(2019年1月~2019年12月)
マネックス証券 279億8,700万円 10.9% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
松井証券 241億5,000万円 9.4% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
auカブコム証券 193億4,900万円 7.5% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
岡三オンライン証券 26億8,367万円 1.0% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
GMOクリック証券 22億1,800万円 0.9% 2019年12月期(2019年1月~2019年12月)

営業収益のシェア率でも、SBI証券が48.4%と半数近くを占める結果となりました。次点は口座開設数と同じく楽天証券で21.8%のシェアを誇っています。

SBI証券は、投資信託や外国株式など業界でもトップクラスの豊富な商品数や投資に関する情報量を誇っているほか、各種セミナーの実施件数などでも他社にアドバンテージを有しています。また、各種キャンペーンも頻繁に実施しており、利用の活発さもうかがえます。

4.ネット証券会社各社の新規口座開設数のシェア率比較

最後に新規口座開設数のシェア率を紹介します。こちらは各証券会社の直近通期でどれだけ新しく口座が開設されたのかをリサーチしました。

会社名 新規口座開設数 シェア率 決算期
楽天証券 102万6,291口座 51.0% 2019年12月期(2019年1月~2019年12月)
SBI証券 79万7,000口座 39.6% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
松井証券 5万3,887口座 2.7% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
auカブコム証券 3万9,658口座 2.0% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
GMOクリック証券 3万8,279口座 1.9% 2019年12月期(2019年1月~2019年12月)
マネックス証券 3万6,199口座 1.8% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)
岡三オンライン証券 2万316口座 1.0% 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)

新規口座開設数では、楽天証券が約102万口座、シェア率にして約51%を占めるという結果になりました。

次点のSBI証券が約79万口座でシェア率が約40%ですので、上位2社で9割以上を占めているということになります。

楽天スーパーポイントとの連携や、ポイントで投資信託や国内株式を購入できるサービスのように、楽天系のサービスをすでに利用している層を取り込めているというのが、楽天証券に人気が集まっている要因と考えられます。同社発表によれば、2019年に楽天証券に口座を開設した約7割が投資初心者、約6割が30歳以下だったということからも、このことが推察できるといえます。

まとめ

今回はネット証券7社のシェア率を比較してみました。口座開設数、営業収益、新規口座開設数を比較すると、SBI証券と楽天証券が人気を二分していることがわかります。

ネット証券にはそれぞれ異なる特徴や強みがあるため、これから証券会社を選ぶ方は、どの証券会社が人気なのかという点も参考にしつつ、自身の投資目的やスタイルに合った強みやサービスを有しているかどうかという観点から比較検討してみてはいかがでしょうか。

ネット証券会社各社のウェブサイトを見る

The following two tabs change content below.
山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。