会社員のFIREに向いている投資対象・主な商品は?ベテラン投資家が解説

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FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字で、経済的な自立を実現し、早期リタイアを目指すことです。この記事では会社員の方がFIREするにはどうしたらいいのか、どのような資産運用をしていけばいいのかについて、企業から独立し20年以上の投資歴を持つ筆者の目線から解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. FIREとは
  2. FIREは大企業の会社員でなくても実現可能
    2-1.サイドFIREを目指す
  3. FIREの4%ルールとは
  4. FIREのメリット
    4-1.働かないで生活できる
    4-2.好きな場所に住める
  5. FIREの注意点は年4%の不労所得が続くとは限らないこと
  6. FIREに適した投資対象
    6-1.低コストのインデックスファンドで資産運用を始める
    6-2.高配当株でインカムゲインを得る
    6-3.不動産投資
  7. まとめ

1.FIREとは

FIREは、資産運用による経済的自立を目指す概念です。FIRE達成のポイントは、以下の3つです。

1.お金を貯める

一つ目は働いて「お金を稼いで貯める」です。より多く稼ぐためには、副業をしたり転職をしたりします。

2.支出を抑える

二つ目は「支出を抑える」です。生活習慣を見直したり、家計を見直したりして節約します。

3.お金を増やす

三つ目が「お金を増やす」です。支出を抑えて貯めたお金をさらに増やすために、資産運用をします。

2.FIREは大企業の会社員でなくても実現可能

以前から、早期リタイアして悠々自適の生活を目指すという考えはありました。しかし早期リタイアは、高収入の大企業の会社員が猛烈に働くことで実現するイメージが一般的でした。しかし、FIREは支出を抑える節約と貯金を続ければ実現できるので、普通の会社員でも実現可能とされています。

2-1.サイドFIREを目指す

ただ、生活費のすべてを資産運用でまかなう「FIRE」は、ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。そんな人は、まず「サイドFIRE」を目指してください。サイドFIREは資産運用をメインにしながらも、副業などの勤労収入と合わせて生活するスタイルです。

3.FIREの4%ルールとは

FIREを実現するには、どの程度の資産が必要なのでしょうか。一つの目安として、「4%ルール」があります。これは、生活費を投資元本の4%以内に抑えることができれば、資産が目減りせずに暮らせるという考え方です。

生活費が月20万円、1年間で240万円なら、以下のようになります。

  • 240万円×25倍=6,000万円

つまり、6,000万円の資産を築き、毎年4%で運用すれば働かないでも暮らしていけるという考え方です。

4.FIREのメリット

会社員がFIREするメリットについて解説します。

4-1.働かないで生活できる

FIREを実現すれば、好きなことをして生活できます。もちろん、働き続けることも自由です。週に1~2日だけ働いたり、挑戦したかった勉強をしたりするなど、好きなときだけ働くという選択肢もあります。

労働に縛られず、時間を自分の好きなように使えるというのが、FIREの最大のメリットといえます。

4-2.好きな場所に住める

会社員の人なら、出社しやすいように会社のそばに住んでいる人もいるでしょう。リモートワークが普及しつつあるとはいえ、仕事のために住む場所が制限される人は多いと思います。

しかし、FIREを実現できれば仕事に縛られることがなくなるので、住む場所を自由に選択できます。生活の利便性が高い都会に住む、田舎でのんびり暮らす、海外で暮らすなど、自分の好きな場所に住めるようになるのです。

5.FIREの注意点は年4%の不労所得が続くとは限らないこと

FIREでは年率4%で資産運用を行い、生活費をまかなうという考え方があります。ただ、毎年4%のリターンは保証されているわけではありません。10~20年といった長期で見ると4%のリターンが確保できていても、短期的には10~20%程度の株価が暴落するということは数年ごとに起きています。

短期的な下落で焦って株式などを売却してしまうと、長期的な資産運用ができなくなってしまいます。投資について十分な経験を積み、短期的な値動きに一喜一憂しないことが大切です。

6.FIREに適した投資対象

会社員のFIREに適した投資対象を紹介します。

6-1.低コストのインデックスファンドで資産運用を始める

資産運用は、低コストのインデックスファンドから始めるのが無難です。インデックス投資とは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動する投資成果を目指すファンドです。

インデックスファンドはネット証券を利用すれば100円から購入できるので、少額でもいいのでまずはコツコツと資産運用を続けることが大切です。将来のFIREを目指すため、手取額の10%程度を目安にインデックスファンドでの運用をするようにしてみてはいかがでしょうか。もちろん、10%がきつければ5%でも構いません。まずは続けることを目標にしてください。

そして、対象は世界中の株式に分散投資できるファンドが良いでしょう。たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」なら、世界50カ国の国・地域に分散投資できます。

6-2.高配当株でインカムゲインを得る

個別株なら、高配当株に投資するのも手です。配当利回りが4%以上の株も多くあります。また国内株だけでなく、米国株にも高配当銘柄が多くあります。ただし、高配当株でも業績が悪化すると株価が下落し、配当も少なくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

6-3.不動産投資

資金的な余裕があるならば、不動産投資も検討できます。不動産投資はマンションやアパートなどを購入し、それを貸し出すことで賃料収入を得る仕組みです。投資信託や高配当株よりハードルは高くなるものの、家賃という安定的な収入を得ることができます。

ただ、数百~数千万円といったまとまった資金が必要になるので、資金的な余裕がない人はインデックスファンドや高配当株でコツコツと資金をため、余裕ができたら不動産投資にトライするようにしてください。目安として購入金額の2割以上の現金が貯まれば、融資を受けて物件を購入できる可能性が上がります。

まとめ

今すぐにFIREを考えていなくても、今後のライフプランを検討する上でFIREは参考になります。20~30年後のFIREを見据えて資産運用を続けていけば、老後の生活資金を確保することにもつながり、好きなことをしながら生きていくことが実現しやすくなるからです。

FIREはひとつの考え方で、目指すか目指さないかといった概念にとらわれるのではなく、FIREの考え方を参考にして資産運用を始めるようにしてみてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011