年間120万円の非課税枠内で上場株式やETF、REITなどにも投資ができる一般NISA。つみたてNISAとは異なり個別株への投資が可能なので、値上がり益を狙った投資や、株主優待や配当を狙った株の保有が可能です。この記事では、SBI証券のNISA買付ランキング(2021年5月24日週)から、どんな銘柄が人気なのか分析していきます。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 1位 すかいらーくホールディングス(3197)
- 2位 日本マクドナルドホールディングス(2702)
- 3位 武田薬品工業(4502)
- 4位 ANAホールディングス(9202)・6位 日本航空(9201)
- 5位 ソフトバンク(9434)
- 7位 イオン(8267)
- 8位 ENEOSホールディングス(5020)
- 9位 ソフトバンクグループ(9484)
- 10位 日本郵政(6178)
- まとめ
1.NISA買付ランキング1位 すかいらーくホールディングス(3197)
5/24~28日週にNISA口座で1番買われたのは、「すかいらーくホールディングス」でした。21日の引け後に公募増資などで最大447億円を資金調達すると発表。新株発行に伴う1株利益の希薄を懸念して1,500円台前半まで売られました。しかし、下落をチャンスとみた投資家が買いを入れたのです。
ただ、この週では1位となりましたが、公募増資の発表に伴う買いであり、一過性の可能性が高いと考えられます。
2.NISA買付ランキング2位 日本マクドナルドホールディングス(2702)
日本マクドナルドホールディングスは5月13日に2021年12月期第1四半期決算を発表。宅配・テイクアウトが大幅に増えて増収増益となりました。決算発表直後に株価は上昇したものの、その後は上値の重い展開になっています。
ただ、6月に株主優待の権利が確定するので、SBI証券での週間ランキング上位に入ったと考えられます。日本マクドナルドホールディングスの株主優待の人気は高いので、しばらくランキング上位に入る可能性があります。
3.NISA買付ランキング3位 武田薬品(4502)
武田薬品工業は、日本最大手の医薬品メーカーです。2018年にアイルランドの大手製薬会社シャイアーを買収し、世界でも上位の売上規模となりました。
武田薬品工業の予想配当利回りは6月1日時点で4.97%。東証一部の予想配当利回りは1.74%(日本取引所グループ調べ)なので、武田薬品工業の配当利回りはかなり高いといえます。配当狙いの投資家に人気の銘柄です。
4.NISA買付ランキング4位 ANAホールディングス(9202)・6位 日本航空(9201)
第4位、6位はともに日本を代表する航空会社である「ANAホールディングス」「日本航空(JAL)」です。どちらも株主優待が人気で、国内路線を対象にした割引券などが贈呈されます。
ANAホールディングス、日本航空ともにコロナウイルス感染拡大の影響を受け業績低迷となっていましたが、21年3月期の業績発表ではこれまでの予想を上方修正し、赤字幅が大幅に回復する見込みです。欧米を中心としたワクチン普及を背景とする世界景気回復の期待より、買戻しなどで株価が上がりやすい状況にあるので、今後に期待です。
5.NISA買付ランキング5位 ソフトバンク(9434)
ランキング5位には、「ソフトバンク」が入りました。「ソフトバンク」や「ワイモバイル」などを展開する通信会社です。6月2日時点における予想配当利回りが6.14%と高いことから、インカムゲイン狙いの投資家に人気があります。
そして、SBI証券のNISA口座を利用して購入する投資家も多いことがわかります。
6.NISA買付ランキング7位 イオン(8267)
イオンやマックスバリュなどの総合スーパーを手がけるイオン。株主優待が人気の理由で、スーパーでの買い物がお得になる「オーナーズカード」がもらえます。このカードは、買い物金額の合計から持ち株数に応じて3~7%のキャッシュバックが受けられるというものです。さらに、毎月20、30日は「お客様感謝デー」で5%引きとなりますが、特典を重ねて利用することもできます。
7.NISA買付ランキング8位 ENEOSホールディングス(5020)
2017年4月に東燃ゼネラルと経営統合。国内シェア5割の石油元売り首位の企業です。予想配当利回りが4.72%と高いことから、インカムゲイン狙いの投資に適した銘柄です。この10年、400~600円でのボックス圏での推移が多くなっています。
株価が下がるときは配当利回りも上昇するので、下落する局面で買い増しし、長期保有する投資手法が適しています。
8.NISA買付ランキング9位 ソフトバンクグループ(9984)
傘下に10兆円ファンドや携帯子会社などを持ち、上場株投資運用も行っています。5月は米長期金利上昇からハイテク企業が軟調。海外のハイテク企業に多く投資している同社の株価も5月に8,000円と4月の約1万円から約2割下落しました。
ただ、下落の買いのチャンスとみた投資家が買いを入れ、SBI証券のNISAランキングでも上位に入りました。
9.NISA買付ランキング10位 日本郵政(6178)
日本郵政グループの持株会社。ゆうちょ銀行や日本郵便、かんぽ生命が主体です。日本郵政の予想配当利回りは6月2日時点で5.5%と高い配当利回りがポイントです。
ただ、金融2社に利益を依存している点が問題です。傘下のゆうちょ銀行(7182)が5月14日の決算発表で10円の減配を発表するなど、業績面での不安があるからです。PBRが0.26倍、予想配当利回りが5.5%と株価指標では投資メリットが伺えますが、株価はなかなか上がりづらい状況が続きそうです。
まとめ
SBI証券のNISA口座の買付金額ランキングを見ると、配当や株主優待などインカムゲインが期待できる銘柄が多くランクインしていることが分かります。
NISA口座は年間120万円以内の投資枠から生じた利益が最大5年間非課税になるというメリットがありますが、一方で損失が発生しても通常口座と損益通算(利益と損失を相殺)できないというデメリットもあります。したがって、損失を出さないために値動きが比較的落ち着いていて、優待や配当が魅力的な銘柄をNISA口座で投資している人が多いと考えられます。
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山下耕太郎
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