法人カードのメリット・デメリットは?創業時におすすめのカードも

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クレジットカードの法人カードは、個人向けカードと異なる特典やサービスを受けることができます。会計ソフトの連携サービスや福利厚生サービスなどといった特典があり、これから事業を立ち上げる事業者にもメリットのある内容です。

そこでこの記事では、法人カードのメリット、デメリット、創業時にも利用しやすい法人カードについて詳しくご紹介します。創業間もない事業者や法人カードを発行していない中小企業の経営者などは、参考にしてみてください。

※この記事は2021年5月28日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 法人カードのメリット
    1-1.経費精算の効率化につながる
    1-2.ビジネスサポート特典を受けられる
    1-3.出張や接待の際にも役立つ特典がある
    1-4.個人向けカードと同様に分割払いができる
  2. 法人カードのデメリット
    2-1.状況によって利用限度額は変わる
    2-2.年会費永年無料の法人カードが少ない
    2-3.追加カード発行時は管理に手間がかかる可能性
  3. 創業時にも利用しやすい法人カード
    3-1.JCB CARD Biz(一般)
    3-2.三井住友ビジネスカード for Owners(一般)
  4. まとめ

1.法人カードのメリット

法人カードは、中小企業向けのビジネスカードと大企業向けのコーポレートカードに分かれています。それぞれ発行条件やカードの仕組み、特典などに大きな違いがあります。

ここでは、中小企業向けの法人カードに関するメリットを紹介していきます。

1-1.経費精算の効率化につながる

法人カードの中には、会計ソフトと支払い内容を自動で連携してもらえる特典付きカードがあります。クレジットカードとの自動連携機能は、支払い内容を自動で会計ソフトに取り込んでくれるのが特徴です。主なメリットとして、仕訳入力や確認作業を省略もしくは短縮できます。また、手入力による仕訳の手間を抑えられるので、ヒューマンエラーの防止にもつながります。

さらに法人カードの追加カードで支払った費用および内容も会計ソフトへ自動仕訳されるので、社内全体の経費精算を簡単にまとめることが可能です。

加えて法人カードによっては会計ソフトの利用料割引特典があり、コストを抑えながら会計ソフトを利用できます。なお、対応する会計ソフトの種類に関しては、各法人カードで異なります。あらかじめ会計ソフトの種類や特典の内容を確認するのが大切です。

1-2.ビジネスサポート特典を受けられる

法人カードでは、ビジネスサポートにつながる特典を受けられるのも主なメリットといえます。ビジネスサポートにつながる特典とは、備品などの購入割引や弁護士や税理士などの紹介サービス、印刷の割引サービスなどのコスト削減や事業拡大、日々の業務に役立つ優待サービスのことです。

たとえばVisaのVisaビジネスオファーは、Visaと提携したクレジットカードで利用可能なビジネスサポート特典です。主な内容を以下に紹介します。

特典名 内容
メリービズ バーチャル経理アシスタント 専属アシスタントによる経理作業の代行サービス:10%割引
ウォータースタンド 定額制のウォーターサーバー:レンタル料1ヶ月無料
エグゼブティブセンター コワーキングスペースやシェアオフィスなど:契約料金20%割引、1ヶ月無料、会議室の利用料金20%割引特典
ファクトリーギア 工具専門店ファクトリーギア:初回注文時10%割引
オプティVAT登録代行サービス 越境EC販売や越境デジタル販売に必要なVAT登録の代行サービス:VAT登録手数料50%割引、申請手数料20%割引

他にもアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、カードローンサービスの利息キャッシュバック、補助金や助成金制度検索サービスの案内および割引、マーケティング代行サービスの会費無料などといった、コスト削減や事業拡大、職場環境の改善につながる特典を利用できます。

1-3.出張や接待の際にも役立つ特典がある

法人カードの空港や旅行特典は、出張や接待の際にもメリットがあります。空港ラウンジの利用特典やプライオリティ・パスの割引特典を受けられる法人カードもあります。

他にも旅行特典には、国内レンタカーの割引特典や日本語サポートサービスなどがあります。法人カードの中には、ゴルフの予約手配サービスを受けられるカードもあるので、接待の準備にかかる負担を軽減することが可能です。

1-4.個人向けカードと同様に分割払いができる

法人カードの中には、リボもしくは分割払いを選択可能なカードもあります。資金繰りの関係で分割払いを希望している方は、リボ払いや分割払いに対応している法人カードから比較検討してみてはいかがでしょうか。

2.法人カードのデメリット

ビジネスに役立つ法人カードですが、管理方法や年会費、利用限度額などに関するデメリットや注意点もあります。

続いては、法人カードのデメリットについて紹介します。

2-1.状況によって利用限度額は変わる

500万円や1,000万円など大きな金額での利用を想定している事業者には、法人カードの利用限度額についてデメリットと感じる場合もあります。

法人カードの利用限度額は、上限を公開しているカード会社もあれば、個別に定めているため明記していないカード会社もあります。状況によっては、利用限度額が50万円や100万円など比較的少額なケースもあるため、必ずしも大きな金額を利用できるわけではありません。

利用限度額を重視する場合は、十分な上限額を確保できるカードか確認した上で検討してみてはいかがでしょうか。

2-2.年会費永年無料の法人カードが少ない

法人カードの多くは、年会費有料もしくは初年度のみ無料といった内容です。そのため、年会費の負担を可能な限り抑えたい方にとっては、デメリットといえます。

中には、年会費1万円未満の法人カードも発行されているので、年間数千円の費用を負担可能であれば大きな問題ではないでしょう。後半では、年会費数千円台の法人カードを紹介するので、年会費が気になる方も参考にしてみてください。

2-3.追加カード発行時は管理に手間がかかる可能性

法人カードの追加カードを従業員に利用してもらう場合は、プライベートでの利用などといったリスクも想定する必要があります。たとえば、従業員が出張時に法人カードで遊んだりプライベートで法人カードを利用したりしてしまった時は、基本会員である事業主へ請求されます。また、事業に無関係の会計処理も含め自動で仕訳されてしまうので、仕訳の修正など余計な手間がかかります。

法人カードのそのもののデメリットではありませんが、事業に活用する上ではデメリットとして捉え、慎重に運用するのが大切です。たとえば、利用方法に関する社内ルールの策定やカードの利用日時や用途の管理などといった対策を考えることができます。

3.創業時にも利用しやすい法人カード

法人カードの中には、年会費や機能、発行条件といった点から、創業時にも利用し続けやすいカードがあります。また、個人事業主が発行可能な法人カードもあるので、事業規模に限らず利用を検討することが可能です。

それでは、創業時にも利用しやすい法人カードを紹介します。

3-1.JCB CARD Biz(一般)

JCB CARD Biz(一般)は、20歳以上の個人事業主および中小企業向けの法人カードです。年会費は、初年度無料で2年目以降1,375円(税込)と、比較的リーズナブルといえます。利用限度額は、JCBサイトによると10万円~100万円の間で定められています。

各特典は、経費精算や出張の効率化、備品購入費の削減などに役立つ内容が多い傾向です。

経費精算に関する特典では、クラウド会計ソフトの弥生とfreeeに対応していて、初年度無料特典や利用料金割引サービスを受けられます。また、利用明細の自動仕訳や確定申告書作成に関するサポート機能もあるので、会計処理を簡略化しながら事業に集中することが可能です。

他にもJCBタクシーチケットというサービスでは、降車の際にカード会員の氏名を記入するだけでカード払いを指定できます。事業の効率化だけでなく、接待の際にスムーズな送迎を行うことが可能です。加えてJCB CARD Biz(一般)は、アスクルサービスと提携しているので、オフィス用品の購入方法で悩んでいる方にも役立ちます。

ビジネスサポート特典の他には、フィットネスクラブや健康診断サービス、各種サービスの割引を受けられる福利厚生サービスも用意されています。オフィス用品の購入や水道光熱費や公共料金などのカード払いで、Oki Dokiポイントが1,000円につき1ポイント貯まります。

JCB CARD Biz(一般)は、リーズナブルな年会費ながら経費精算の効率化やオフィス用品の購入、出張や福利厚生サービスなどを利用でき、創業時にも使いやすいカードです。ただし、追加カードの発行が不可という点に注意が必要です。

3-2.三井住友ビジネスカード for Owners(一般)

三井住友ビジネスカード for Owners(一般)は、満20歳以上の個人事業主や法人代表者を対象にした初年度年会費無料(オンライン入会)のカードです。2年目以降は、前年にマイ・ペイすリボのリボ払い手数料を1回以上支払った場合に無料で利用できます。通常の年会費は、基本会員1,375円(税込)、追加カード440円(税込)です。利用限度額に関しては、審査状況に応じて上限150万円まで設定してもらえる場合があります。

ビジネスサポートサービス特典は、オフィスの環境構築、VJタクシーチケットなど多岐にわたります。特にVisa ビジネスオファーやVisa ビジネスグルメオファーでは、さまざまなサービスを受けることが可能です。Visa ビジネスオファーは、オフィスの備品や越境EC、印刷や経理など幅広いジャンルを取り扱っているのが特徴です。

Visa ビジネスグルメオファーは、接待時の会食や宴会、会議などといった場合に利用しやすいレストランなどの予約および割引サービスです。ただし、2021年8月31日をもってサービス終了のため、長期的には利用できません。

他には出張に役立つ特典も多く、国内向けのビジネス用じゃらんnetホテル予約や航空券チケットレス発券サービス、国内レンタカーの割引、海外キャッシュサービスを受けられます。海外キャッシュサービスは、カードで現地通貨を引き出すことができ、利用可能枠0~50万円の間で設定されています。

福利厚生サービスのベネフィット・ステーションは、入会金無料、月会費特別料金にて利用できるのが主なメリットといえます。

そして、三井住友ビジネスカード for Owners(一般)は、Vポイントサービスに対応しています。通常のカード利用では、200円につき1ポイント貯めることが可能です。

Visaのビジネスサポートサービスが気になる方や海外出張の予定もある方、経費精算だけでなくさまざまなビジネスサポートサービスを受けたい方などには、メリットの多いカードといえます。

まとめ

法人カードでは、支払いや経費精算の効率化をはじめ、出張や接待などに役立つサービスを受けることができます。一方、年会費負担やカード管理などに関しては、注意すべき点もあります。

創業間もない事業者や創業数年目で法人カードを発行していない方、起業予定で法人カードについて関心を持っている方は、今回紹介したメリットやデメリットも確認した上で法人カードを検討してみてはいかがでしょうか。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。