少額から不動産投資ができる不動産型クラウドファンディング業界では、さまざまなサービスが提供されており、国内外の不動産に気軽に投資できるようになっています。
「信長ファンディング」は名古屋での不動産投資に特化しており、2020年11月からサービスを開始した新しい不動産型クラウドファンディングサービスです。
今回は「信長クラウドファンディング」の特徴やメリット・デメリットについて紹介しますので、不動産投資に興味がある方は参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 信長ファンディングとは
- 信長ファンディングのメリット
2-1.上場企業が運営しているサービスである
2-2.首都圏以外の不動産に投資できる
2-3.ESG不動産投資ができる
2-4.優先劣後方式で投資リスクを軽減できる - 信長ファンディングのデメリット
3-1.最低投資額はやや高い
3-2.ファンド申込みは先着順(2021年5月時点)
3-3.投資エリアが限定される
3-4.運用実績がまだない(2021年5月時点)
3-5.元本毀損のリスクがある - まとめ
1.信長ファンディングとは
信長ファンディングは東証スタンダード・名証二部に上場する株式会社ウッドフレンズが運営する、尾張発の不動産型クラウドファンディングサービスです。
東海地域にある不動産の商品化による「不動産投資による地域経済の活性化」と、国産材を積極的に活用することで「不動産によるESG投資」をテーマに、2020年11月よりサービス提供を開始しており、これまでに名古屋市・岐阜市で3つの不動産投資案件を募集・運用しています。
2.信長ファンディングのメリット
信長ファンディングを利用して不動産投資を行う場合、下記のメリットがあります。
- 上場企業が運営しているサービスである
- 名古屋周辺の不動産に投資できる
- ESG投資ができる
- 優先劣後方式で投資リスクを軽減できる
2-1.上場企業が運営しているサービスである
信長ファンディングを運営する株式会社ウッドフレンズは、東証スタンダードと名証二部に上場しています。
上場企業は決算情報などの投資家に対する開示義務が通常の会社と比較して多いため、経営状態や財務状況などの情報を定期的に発信することになります。
不動産型クラウドファンディングはまだまだ新しい投資サービスといえます。投資家にとっては運営企業の実態や財務状況を確認できるかどうかは重要なポイントであり、上場企業が運営しているということはメリットとなります。
ただし、上場企業でも事業者リスクがなくなるわけではありません。投資判断を下すための情報の1つとして捉えておくといいでしょう。
2-2.首都圏以外の不動産に投資できる
不動産型クラウドファンディングサービスは増加傾向にありますが、その多くが首都圏の不動産を投資対象にしています。
また、不動産投資には地震や台風などといった天災のリスクが伴うため、投資する地域が集中するとそれだけリスクが高くなります。
信長ファンディングは、愛知県や岐阜県といった首都圏以外の不動産に特化した投資が可能であり、うまく利用することで分散投資によるリスクヘッジにつながります。
2-3.ESG不動産投資ができる
信長ファンディングを運営する株式会社ウッドフレンズは、愛知県に拠点を構え、国産の材料を積極的に活用するディベロッパーであり、地域の不動産を投資対象とした地域経済の活性化も目指しています。
新築の場合であれば、地元の木材を使用し、地元の職人たちを積極的に活用するなどの取り組みが行われ、その他、中古の場合であれば、築古物件の再生などに取り組み、バリューアップすることにより建物耐用年数の長期化、照明のLED化による環境負荷低減など、地域創生と環境問題への両面にバランスをとった取り組みが為されています。
方創生・環境問題などの関心がある場合や、不動産によるESG投資に興味がある場合は、投資先に選択肢を広げることができます。
2-4.優先劣後方式で投資リスクを軽減できる
信長ファンディングでは優先劣後方式を採用しているため、出資金の元本割れリスクを軽減できます。
優先劣後方式とは投資家の出資金を守るための仕組みのことです。一般の出資者からの出資を優先出資、事業者の出資を劣後出資として払い込み、合計した出資金をもとに不動産が運用されます。
信長ファンディングでは運営会社が20%を出資しており、運用によって損失が発生した場合でも、運用資産価値の下落率が20%以内であれば、その損失を運営会社が負担することになっています。
そのため、一定の下落率までは損失が発生しても一般の出資者の元本や配当に影響がありません。
ただし、元本保証ではなく20%以上の下落率となった場合は元本毀損となる可能性があります。その他、事業者が倒産してしまい資金回収が進まない可能性もあるため、優先劣後であるからといって投資のリスクが無いわけではない点に注意しましょう。
3.信長ファンディングのデメリット
信長ファンディングを利用して不動産投資を行う場合、下記のデメリットがあります。
- 最低投資額はやや高い
- ファンド申込みは先着順
- 投資エリアが限定される
- 運用実績がまだない
- 元本毀損のリスクがある
3-1.最低投資額はやや高い
信長ファンディングでは、各ファンドの募集単位は1口10万円からに設定されています。
1口1万円から投資可能な不動産型クラウドファンディングサービスが多いなかで、信長ファンディングの最低投資額はやや高い水準といえます。通常の不動産投資に必要な初期費用よりは始めやすい金額であるものの、できるだけ少額での投資を行いたい場合はデメリットとなるでしょう。
3-2.ファンド申込みは先着順(2021年5月時点)
信長ファンディングでは、投資情報が事前に公開されたうえで申込みが行われます。
募集期間は10日から2週間程度設定されていますが、これまでのファンドはいずれも募集期限前に目標金額を達成しており、申込みは事実上の先着順となっている状況です。
信長ファンディングを利用した不動産投資を希望していても、実現できない可能性があるということを理解しておきましょう。
3-3.投資エリアが限定される
信長ファンディングは尾張発の不動産型クラウドファンディングサービスで、愛知・岐阜の不動産案件を取り扱っています。
東海エリアに根付いた不動産投資が可能である一方で、投資エリアは限定されることになります。
東海エリア以外の不動産にも投資をしたい場合や、不動産での分散投資を考えている場合は、他の不動産クラウドファンディングサービスとの併用を検討してみるといいでしょう。
3-4.運用実績がまだない(2021年5月時点)
信長ファンディングが運用する1号案件は2022年4月30日まで運用される予定となっており、分配日は運用期間が終了した2ヶ月程度後に設定されています。
つまり、信長ファンディングにはこれまでに運用が完了した実績や償還実績は2021年5月時点で存在しないということになります。予定通りに運用や分配が行われるのか、想定利回りに近い利益が発生するのか過去の実績を重視したい方にとってデメリットと言えるでしょう。
3-5.元本毀損のリスクがある
信長ファンディングでは、優先劣後方式による投資家の出資元本を守るための仕組みを導入していますが、これは元本を完全に保証するものではありません。
不動産の運用成績によって劣後出資分を超える損失した場合や、運営会社の経営状況が悪化した場合には、元本を毀損する可能性があるため、注意が必要です。その他、想定利回りや劣後出資の割合などが変更されるケースもあります。
まとめ
今回は信長ファンディングを利用した不動産投資におけるメリットやデメリットについて紹介しました。
信長ファンディングは上場企業が運営しており、東海エリアの不動産案件に投資できる不動産型クラウドファンディングサービスです。
想定利回りがやや高めに設定されてはいるものの、最低投資額の高さや償還実績がまだない点などは注意すべきといえます。不動産投資を始めてみたい方や、首都圏以外の不動産に投資がしたい方は、利用を検討してみてください。
山本 将弘
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