国内債券の投資信託のメリットとデメリットは?主なファンドも

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国内債券の投資信託を購入することは、国内の企業及び国・地方自治体に対して投資を行うことを意味します。国内債券の投資信託には、株式など他の金融商品と比べて変動幅が小さい、少額から始めることができるなどの特徴があります。

この記事では、国内債券の投資信託の特徴やメリット・デメリット、主な国内債券ファンドについて詳しくみていきます。国内債券の投資信託を購入検討する際の参考にしてください。

目次

  1. 国内債券の投資信託の種類
  2. 国内債券の投資信託のメリット
    2-1.少額から国内債券に投資できる
    2-2.分散投資がしやすい
  3. 国内債券の投資信託のデメリット
    3-1.信用リスクがある
    3-2.基準価額は市中金利や債券需要に左右される
  4. 国内債券の投資信託人気ファンド解説
    4-1.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
    4-2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース 為替ヘッジなし
    4-3.UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)
  5. まとめ

1.国内債券の投資信託の種類

国内債券とは、日本国内の企業・国や地方自治体が発行している借用書のことです。株と同じく、発行体の資金集めの手段といえます。しかし債権の場合は、投資家にとっては定期的に利息を受け取れる、満期には額面通りの金額が払い戻されるなど、株式とは仕組みが異なります。

また、債権と一言でいっても実は以下のように多くの種類があります。それぞれの傾向を把握しつつ、債権を運用していく必要があります。

【国内債券の主な種類】

国債 年2回利息を受け取ることができる
政府関係機関債 政府機関が発行する債券。元本や利息などに対して政府が保証する
個人向け国債 10,000円から投資できる個人向けの国債。固定金利と変動金利にわかれる
地方債 インフラ設備などのために地方公共団体が発行する債券
社債 一般の企業が発行する債券。利息や償還期間なども発行体によって異なる
新株予約権付社債 ワラント債とも呼ばれる。企業が発行するものであり、価値の上昇に伴って新しい株に割引が適用される

2.国内債券を投資信託で購入するメリット

国内債券を投資信託で購入するメリットについてみていきましょう。分散投資が可能なことや少額から投資できることなど、メリットを把握したうえで運用を行っていくことが重要です。

2-1.少額で国内債券に投資できる

現物の債券を実際に運用する場合、多額の資金が必要となることも少なくありません。商品によっては、数十万円~数百万円単位の初期投資を行うこともあり得ます。

しかし、投資信託で債券を購入する場合には、最低100円単位から投資可能です。そのため例えば、国内債券の種類を把握したうえで、それぞれの種類に合わせて複数のファンドに少額から投資するなどの方法もあります。初心者にとっては、投資に必要な金額が低いため、投資そのものに対するハードルも低いといえます。

2-2.分散投資がしやすい

債権は、元々値動きの少ない金融商品です。そして、発行体が消滅・債務不履行などにならなければ、利息や元本を受け取ることができます。

そして、投資信託では複数の種類の債権に対して投資を行うことになります。そのため、1つの発行体が消滅した場合でも影響は少なく、ファンドそのものがなくならない限り、利益を受け取ることが可能です。

分散投資は投資を行う場合の基本的な戦略の1つであり、投資信託を一口購入するだけで分散投資を行うことになる点はメリットです。とくに社債などの場合は、会社が潰れて債務の返済が受けられないリスクのほか、経営悪化などに伴う債務不履行が発生するリスクも無視できないため、リスク軽減は必要な対策だといえます。

3.国内債券の投資信託のデメリット

国内債券の投資信託におけるデメリットについて詳しくふれていきます。とくに信用リスクなどに関しては、事前に入念なチェックが必要です。

3-1.信用リスクがある

債券は、様々な発行体が資金を得るために発行する借用書です。そのため、債券そのものは借金を意味するものであり、発行体=債務者の信用情報が債券の価格に大きな影響を及ぼします。

債券の信用情報が下落するようなことがあれば、発行体の資金繰りが悪化するなど芳しくない状況であることを意味するため、簡単には回復できません。そのため、投資を行う前には発行体の信用情報などを精査する必要があります。

投資信託の場合は様々な債券に分散して投資が行われるため、1つの発行体が消えても大きな影響は起きにくいものの、複数のファンドに投資することでさらなるリスク軽減が可能です。

3-2.基準価額は市中金利や債券需要に左右される

債券は市中金利が上昇すると価格が下がり、逆に市中金利が下落すれば価格は上がるという性質を持っています。2020年9月時点では数年来マイナス金利政策が継続している状況ですが、今後財政の引き締めにより金利が上昇した場合には、債券価格の上昇が見込まれます。こうした影響を受け、投資信託の基準価額も同じように上下します。

加えて、株式市場が下向きになった場合も債券価格は向上しやすくなります。株式よりも値動きの幅が少ない債券を購入する人々が増加するためです。そのため、株式市場の動向もある程度把握しておく必要があります。

市中金利や経済の動向は自分自身でコントロールできるものではなく、数年単位での変動となることから、値上がりを期待して買うにはあまり適していない点はデメリットといえます。特に日本の債券は比較的リスクが低いため値動きも小さく、資産を増やすというよりは減らさない、守るための金融商品ということになります。

4.国内債券の投資信託、主なファンドを解説

ここでは、日本国内の債券投資信託を3つご紹介します。

※2020年9月11日時点の情報です(信託報酬などは全て税込表記)。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

4-1.明治安田DC日本債券オープン

信託報酬 0.66%
純資産総額 155.78億円
基準価額 12,973円
委託会社 明治安⽥アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い なし
購入できる主な金融機関 SMBC日興証券
SBI証券
auカブコム証券
岡三オンライン
GMOクリック証券
松井証券
マネックス証券
楽天証券

明治安田DC日本債券オープン【愛称】DCしあわせ宣言では、国債・政府保証債・地方債などに投資します。決算頻度は年1回です。公社債に関しては、投資格付けでA相当、他の投資対象も同等の信用度がある場合に投資することを目安としています。

NOMURA—BPI総合をベンチマークとし、上回る運用を目指します。NOMURA—BPI総合は、公募利付債券の市場動向を示す指数のことです。

NISA及びつみたてNISAでの取り扱いはありません。

4-2.たわらノーロード国内債券

信託報酬 0.154%
純資産総額 155.92億円
基準価額 10,411円
委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる主な金融機関 楽天証券

たわらノーロード国内債券は、国内債券パッシブ・ファンド・マザーファンドを通じて公社債をメインに投資を行います。決算頻度は年1回です。組み入れ銘柄を見てみると、国が利子と支払いを保証する利付国庫債券などに投資しています。

公募利付債券の市場動向を示す指数であるNOMURA-BPI総合指数に連動する投資成果を目標に運用しています。NOMURA-BPI総合指数は、国内の公募債券を対象としており、基準値は100です。

NISA・つみたてNISAどちらでも取り扱いがあるため、非課税メリットを受けながら投資できるメリットがあります。

4-3.iFree日本債券インデックス

信託報酬 0.242%
純資産総額 1.72億円
基準価額 9,974円
委託会社 大和アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる主な金融機関 SBI証券
auカブコム証券
GMOクリック証券
楽天証券
岡三オンライン

iFree日本債券インデックスは、NOMURA-BPI総合指数に連動する投資成果を目標に運用されているファンドです。ダイワ日本債券インデックスマザーファンド(BPI)を通じて、国債をメインに、地方債・政府保証債などにも投資しています。国債の組み入れ率が80%以上であり、ファンドとしてリスク対策を重視した投資方針だといえます。

加えて、購入・売却に対する手数料は発生しません。NISA・つみたてNISAでも取り扱いがあります。

まとめ

国内債券の投資信託は、値動きのリスクを抑えつつ、分散投資できるなどのメリットがあります。また、日本国内の証券会社など多くの場所で購入可能です。

債券は市中金利と発行体の信用リスクなどをチェックしつつ購入判断をしていく必要があるものです。市中金利やリスクの大小、債券ニーズの高さなどが価格に影響を及ぼすためです。投資信託であれば、1つの発行体が消滅してもダメージは比較的少なくなります。

債券の価格変動は小さく変動期間も長いため、短期的な目線ではなく、あくまでも長期的な資産形成を前提に運用していきましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。