分配金利回りの高い投資信託は?銘柄10選の特徴と実績【2021年4月】

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投資信託を購入するときには、さまざまなポイントをチェックして銘柄選定をすることになりますが、なかでも「分配金利回り」が気になるという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、分配金利回りの高い投資信託をランキング形式で紹介しながら、それぞれの銘柄の特徴や実績などを解説します。投資信託の銘柄選びの参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※この記事は2021年4月8日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. 分配金利回りとは
    1-1.分配金利回りの注意点
  2. 分配金利回りが高い投資信託10選
    2-1.三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型):54.15%
    2-2.三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型):52.23%
    2-3.ニッセイ-ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型):39.20%
    2-4.三井住友TAM-世界インフラ関連好配当株式通貨選択型ファンド(豪ドルコース):38.37%
    2-5.岡三-米国中小型株オープン(3ヵ月決算型):38.14%
    2-6.ニッセイ-ニッセイブラジル高配当株ファンド(毎月決算型):36.81%
    2-7.T&D-ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインα・コース:33.58%
    2-8.岡三-米国バイオ&テクノロジー株オープン:33.40%
    2-9.朝日-ハリス グローバル バリュー株ファンド(年4回決算型):33.22%
    2-10.ニッセイ-ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型):33.06%
  3. まとめ

1.分配金利回りとは

投資信託における分配金利回りとは、投資信託に投資した資金に対して、過去1年間に分配金がどれだけあったのかを示す割合のことをいいます。

分配金利回りは、下記のように計算します。

分配金利回り(年率・%)=年間分配金の合計÷基準価額×100(%)

例えば、1万円当たり毎月70円の分配金を出した投資信託があるとします。その銘柄を100万円分(100口)保有していた場合、1ヶ月の分配金は7,000円、年間の分配金合計額は84,000円となります。これを、投資金額で割った8.4%が分配金利回りとなります。

1-1.分配金利回りの注意点

分配金利回りは、投資信託の購入を判断する指標の1つですが、いくつか注意すべき点があります。

まず、分配金はあくまでも過去の実績である、ということです。これまでに分配金支払いの実績があったとしても、それは今後の継続的な支払いや運用成果などを約束するものではありません。どこかのタイミングで分配金額が変更されたり、分配金が支払われなくなったりする可能性もあります。

また、分配金利回りを計算する際の基準価額は、購入時の基準価額ではなく、年間で最後の支払いがあった直近の基準価額を利用します。過去1年間の分配金の合計額に対して、計算に利用した基準価額が1年間変動しなかったとして計算するため、あくまでも仮定の利回りということになります。

そのため、分配金利回りは、実際の利回りや銘柄を購入することで将来期待できる利回りとは性質が異なります。このように、過去の実績に応じて計算したものであり、その利回りが今後も期待できるものではないということを理解しておきましょう。

加えて、分配金が出るファンドは出ないファンドと比べて複利効果が薄くなるため、長期的にまとまった資産を形成したい方にはあまり向いていません。分配金なしのファンドは収益を自動的に再投資しますが、分配金ありのファンドでは受け取った分配金から自ら再投資しなければならないためです。そのため、自身の投資目標に合わせて購入する投資信託を考える必要があるのです。

また、分配金には一般分配金と特別分配金(元本払戻金)があり、後者は元本を取り崩して支払われるため、その割合が高い投資信託は資産形成には向かないといえます。

2.分配金利回りが高い投資信託10選

今回は、SBI証券が集計した2021年3月時点の分配金利回りランキングから、10の銘柄と特徴・実績を紹介します。

  1. 三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型):54.15%
  2. 三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型):52.23%
  3. ニッセイ-ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型):39.20%
  4. 三井住友TAM-世界インフラ関連好配当株式通貨選択型ファンド(豪ドルコース):38.37%
  5. 岡三-米国中小型株オープン(3ヵ月決算型):38.14%
  6. ニッセイ-ニッセイブラジル高配当株ファンド(毎月決算型):36.81%
  7. T&D-ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインα・コース:33.58%
  8. 岡三-米国バイオ&テクノロジー株オープン:33.40%
  9. 朝日-ハリス グローバル バリュー株ファンド(年4回決算型):33.22%
  10. ニッセイ-ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型):33.06%

2-1.三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型):54.15%

基準価額(21/04/08現在) 15,677円
純資産 52,884百万円
設定来高値 18,084円 (21/02/16)
設定来安値 7,876円 (20/03/17)
年間分配金累計 5,000円
分配金利回り 54.15%
分配金実績 2021/03/25 500円
2021/02/25 500円
2021/01/25 500円
2021/12/25 500円
2021/11/25 500円
2020/10/26 500円
2020/09/25 400円
2020/08/25 500円
2020/07/27 400円
2020/06/25 400円
2020/05/25 200円
2020/04/27 100円

世界の上場株式のなかから、AI(人工知能)の進化や応用によって成長することが期待される企業の株式に投資を行う投資信託で、原則的に為替ヘッジを行います。

投資対象となる企業は、AIテクノロジーの開発、AI開発に必要なコンピューティング技術、AIを活用したサービス、ソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業や、AIを活用したサービスを駆使してビジネスを成長させる企業などです。

原則として毎月25日に決算を行い、下記の分配方針に基づいて分配を行います。

各計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口当たり、税引き前)
11,000円未満 基準価額の水準などを勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

※各計算期末の前営業日の基準価額(支払済み分配金累計額は加算しない)に応じて、原則として上記金額の分配を目指す。
※分配対象額が少額な場合や、各計算期末の前営業日から当該計算期末までに基準価額が急激に変動した場合などは、上記分配を行わないことがある。

2-2.三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型):52.23%

基準価額(21/04/08現在) 15,824円
純資産 114,415百万円
設定来高値 17,594円 (21/02/17)
設定来安値 7,511円 (20/03/17)
年間分配金累計 4,650円
分配金利回り 52.23%
分配金実績 2021/3/25 500円
2021/2/25 500円
2021/1/25 500円
2020/12/25 500円
2020/11/25 500円
2020/10/26 500円
2020/9/25 300円
2020/8/25 400円
2020/7/27 400円
2020/6/25 300円
2020/5/25 200円
2020/4/27 50円

1位の銘柄と同じ運用方針で、為替ヘッジを行わないタイプの投資信託です。投資先企業なども同じで、AIの進化・応用によって成長が期待できる企業が投資対象となります。

1位の銘柄が為替ヘッジを行うため、為替変動の影響を限定的にできるのに対して、同銘柄では円安の場合に基準価額にプラス(為替差益)の影響、円高の場合は基準価額にマイナスの影響を受けることになります。

2-3.ニッセイ-ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型):39.20%

基準価額(21/04/08現在) 2,184円
純資産 62,875百万円
設定来高値 17,562円 (14/12/08)
設定来安値 1,778円 (20/10/30)
年間分配金累計 840円
分配金利回り 39.2%
分配金実績 2021/3/15 70円
2021/2/15 70円
2021/1/15 70円
2020/12/15 70円
2020/11/16 70円
2020/10/15 70円
2020/9/15 70円
2020/8/17 70円
2020/7/15 70円
2020/6/15 70円
2020/5/15 70円
2020/4/15 70円

日本を含む世界各国に対して、高配当株式への投資やコール・オプション取引を行うことをメインに、信託財産の成長を図ることを目標に運用される投資信託です。

新興国を含めた全世界株式を投資対象として、相対的に配当利回りの高い銘柄を中心に投資されます。投資銘柄は配当利回りに加えて、配当の安定性・成長性・企業業績の動向などから総合的に判断されます。

また、プレミアムプラス戦略としてオプション取引を活用しており、保有株式の一定水準以上の値上がり益を放棄する代わりにオプション料を獲得して、リスクを下げつつ収益の確保を目指します。

原則として毎月15日に決算を実施し、そのたびに分配金が支払われる仕組みとなっています。

2-4.三井住友TAM-世界インフラ関連好配当株式通貨選択型ファンド(豪ドルコース):38.37%

基準価額(21/04/08現在) 3,139円
純資産 44,784百万円
設定来高値 13,299円 (14/11/25)
設定来安値 2,336円 (20/03/23)
年間分配金累計 1,080円
分配金利回り 38.37%
分配金実績 2021/3/17 70円
2021/2/17 70円
2021/1/18 70円
2020/12/17 70円
2020/11/17 100円
2020/10/19 100円
2020/9/17 100円
2020/8/17 100円
2020/7/17 100円
2020/6/17 100円
2020/5/18 100円
2020/4/17 100円

主要投資対象ファンドへの投資を通じて、日本を含む世界各国のインフラ関連企業の株式に投資をする投資信託です。

インフラ関連企業とは、産業や生活の基盤となる設備やサービスの提供を行う企業や、インフラの発展に伴って恩恵を受けると考えられる企業のことをいい、道路・鉄道・空港・港湾・電力・ガス・水道・通信・エネルギーに関連した事業を展開する企業が投資対象となります。

豪ドルコースでは、米ドル建て資産に対して、原則として米ドル売り・豪ドル買いの為替取引を行います。

原則として毎月決算を行い、収益を分配することを目指して運用されます。

2-5.岡三-米国中小型株オープン(3ヵ月決算型):38.14%

基準価額(21/04/08現在) 10,381円
純資産 1,928百万円
設定来高値 12,581円 (21/02/16)
設定来安値 5,946円 (20/03/19)
年間分配金累計 2,550円
分配金利回り 38.14%
分配金実績 2021/2/17 2,550円
2020/11/17 0円
2020/8/17 0円
2020/5/18 0円

投資信託証券への投資を通じて、実質的に米国の中小型株式(預託証券を含む)や日本の公社債・短期金融商品に投資を行う投資信託です。投資に際して、米国の中小型株式のなかから定量分析・定性判断をもとに、収益の成長や株価の上昇が期待される銘柄を選定します。

為替ヘッジを行わず、原則として年4回(2月・5月・8月・11月の各17日)に決済を行い、分配を行うことを目指して運用されます。

2-6.ニッセイ-ニッセイブラジル高配当株ファンド(毎月決算型):36.81%

基準価額(21/04/08現在) 2,019円
純資産 267百万円
設定来高値 14,305円 (13/04/11)
設定来安値 1,717円 (20/05/14)
年間分配金累計 720円
分配金利回り 36.81%
分配金実績 2021/3/29 60円
2021/3/1 60円
2021/1/28 60円
2020/12/28 60円
2020/11/30 60円
2020/10/28 60円
2020/9/28 60円
2020/8/28 60円
2020/7/28 60円
2020/6/29 60円
2020/5/28 60円
2020/4/28 60円

投資対象とする「LM・ブラジル高配当株ファンド」を通じて、実質的にブラジルの証券取引所に上場している株式と日本円建ての短期公社債・短期金融商品への投資を行う投資信託です。

マザーファンドでは、主に配当利回りに着目して、相対的に配当利回りの高い銘柄を選定して投資を行い、配当収入の確保と信託財産の中長期的な成長を目指して運用されます。

原則として毎月28日に決算を行い、収益の分配を行います。

2-7.T&D-ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインα・コース:33.58%

基準価額(21/04/08現在) 468円
純資産 14,119百万円
設定来高値 10,299円 (15/01/23)
設定来安値 437円 (21/03/09)
年間分配金累計 265円
分配金利回り 33.58%
分配金実績 2021/3/25 15円
2021/2/25 15円
2021/1/25 15円
2020/12/25 20円
2020/11/25 20円
2020/10/26 20円
2020/9/25 20円
2020/8/25 20円
2020/7/27 30円
2020/6/25 30円
2020/5/25 30円
2020/4/27 30円

米ドル建てブラジル株式上場投資信託(ETF)を実質的な主要投資対象として、ブラジル株式とオプション取引を組み合わせたカバードコール戦略により、継続的な配当収入の確保と中長期的な値上がり益の獲得を目指す投資信託です。

ツインαコースではブラジル株式カバードコール戦略に加え、通貨カバードコール戦略によるインカムゲインも目指します。

原則毎月25日に決算を行い、収益を分配することを目指して運用されます。

2-8.岡三-米国バイオ&テクノロジー株オープン:33.40%

基準価額(21/04/08現在) 10,794円
純資産 16,409百万円
設定来高値 11,518円 (20/09/03)
設定来安値 6,914円 (16/02/12)
年間分配金累計 3,050円
分配金利回り 33.4%
分配金実績 2021/3/9 150円
2020/12/9 900円
2020/9/9 550円
2020/6/9 1,450円

マザーファンドを通じて、実質的に米国の取引所に上場しているバイオテクノロジー、IT、テクノロジー、先端技術製品、サービステクノロジーといった分野の企業の株式に投資を行う投資信託です。

投資銘柄は、技術、製品の革新性、将来性、企業の成長性、収益性、成長過程などに着目して選定されます。

原則として年4回(3月・6月・9月・12月の各9日)に決算を行い、収益の分配を行います。

2-9.朝日-ハリス グローバル バリュー株ファンド(年4回決算型):33.22%

基準価額(21/04/08現在) 10,107円
純資産 1,041百万円
設定来高値 12,066円 (21/03/15)
設定来安値 5,784円 (20/03/24)
年間分配金累計 2,150円
分配金利回り 33.22%
分配金実績 2021/3/16 2,070円
2020/12/16 35円
2020/9/16 15円
2020/6/16 30円

日本を除く世界各国の株式にグローバルな視点で投資を行い、キャピタルゲインの獲得と配当などの収益確保を目指して運用される投資信託です。

企業訪問を含む企業調査をベースとしたボトムアップ・アプローチにより、フリーキャッシュフロー、利益成長の潜在能力、業界における競争力、経営方針などから、独自に評価した企業価値に対して割安となる銘柄を厳選して投資を行います。

年4回(3月・6月・9月・12月の各16日)に決算を行い、収益が分配されます。

2-10.ニッセイ-ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型):33.06%

基準価額(21/04/08現在) 3,217円
純資産 114,979百万円
設定来高値 11,737円 (15/01/23)
設定来安値 2,541円 (20/03/19)
年間分配金累計 960円
分配金利回り 33.06%
分配金実績 2021/3/25 80円
2021/2/25 80円
2021/1/25 80円
2020/12/25 80円
2020/11/25 80円
2020/10/26 80円
2020/9/25 80円
2020/8/25 80円
2020/7/27 80円
2020/6/25 80円
2020/5/25 80円
2020/4/27 80円

投資信託証券を通じて、日本を除く世界各国の金融商品取引所に上場しているリート(不動産投資信託)への実質的な投資を行い、配当などの収益確保と信託財産の長期的な成長を目指して運用される投資信託です。

原則として為替ヘッジを行わない投資信託で、毎月決算型(同銘柄)と年2回決算型の2つのファンドから選択できます。

毎月決算型では、毎月25日に決算を行い、同日に収益を分配します。

まとめ

今回は分配金利回りが高い投資信託のランキングを紹介しました。分配金利回りは数ある投資指標の1つであり、あくまでも過去の実績を数値化したものであることを理解しておきましょう。

今後の分配金の支払いについて約束されているわけでもないため、分配金利回りだけを頼りに投資する銘柄を選定するのではなく、他のチェックポイントと合わせて確認し、しっかり検討したうえで投資判断を行いましょう。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。