投資信託で為替ヘッジのあり・なし、どちらを選ぶべき?メリット・デメリットを解説

投資信託にはさまざまな商品がありますが、なかには海外の株式や債券に投資するファンドが存在します。このような金融商品に投資する際に重要になるのが、「為替ヘッジ」です。

しかし、為替ヘッジが何なのかわからない人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、為替ヘッジがどんなものか、わかりやすく解説したいと思います。

目次

  1. 為替ヘッジって何?
    1-1.為替ヘッジによって為替相場のリスクを回避する
    1-2.為替リスクをヘッジする方法
  2. 為替ヘッジのあり・なしはどちらを選ぶべき?
    2-1.為替ヘッジなしのメリット
    2-2.為替ヘッジなしのデメリット
    2-3.為替ヘッジありのメリット
    2-4.為替ヘッジありのデメリット
    2-5.過去のヘッジコストを検証する
  3. まとめ

1.為替ヘッジとは?

為替ヘッジとは、海外資産への投資を行う場合に、為替の先物契約などによって為替の変動による損失を回避するための方法のことをいいます。

ヘッジ(hedge)というのは英語で「避ける」という意味です。

1-1.為替ヘッジによって為替相場のリスクを回避する

海外の株式や債券などに投資する投資信託では、アメリカのドルやイギリスのポンドなど、外貨建ての資産に対して投資を行うことになります。

ただし、外貨建ての資産ですから、為替レートの影響を受けてしまうことになります。そのため、利益が発生しても日本円建てに直すと利益が減ってしまったり、あるいは損失に代わってしまったりするケースがあるのです。

そのような事態が発生するのを防ぐためにあるのが、「為替ヘッジ」です。

1-2.為替リスクをヘッジする方法

では、為替の変動リスクを回避するために、どのような方法が取られるのでしょうか?

為替ヘッジの方法は、購入するファンドによってさまざまです。ただ、一般的には、外貨建ての海外資産に投資する際、それと同時にある一定の為替レートによって外貨と円を交換する契約を結ぶことで為替ヘッジが行われます。

この契約を結んでおけば、投資信託を購入する時点の為替レートにて円建てに直すことができるようになり、投資信託の基準価格による価格の変動のみが利益や損失に影響することになります。

ただし、為替ヘッジを行う場合はヘッジコストが掛かりますので、その分の費用は差し引かれます。

2.為替ヘッジのあり・なしはどちらを選ぶべき?

海外資産の投資信託を購入する場合、為替ヘッジを行うファンドと為替ヘッジを行わないファンドに分かれます。

では、実際どちらを選択すればいいのでしょうか?それぞれのメリットやデメリットを比較してみたいと思います。

2-1.為替ヘッジなしのメリット

為替ヘッジを行わない投資信託を選択するメリットは、ファンド購入後に円安が進行した場合に、為替差益を得ることができるということです。

円安が進行するということは、「円に対して外貨が上昇すること」を意味します。そのため、投資したファンドに含まれている株式や債券などの価格が、購入する国の通貨ベースでは変わらなかったとしても、円安になったぶん為替差益が発生することになります。

為替差益もファンドの利益としてみなされるため、投資家に還元されることになるわけです。また、円安が進んだ状態で投資ファンドの価格が上昇している場合、ファンドの値上がり益と為替差益の両方を手に入れることができます。

2-2.為替ヘッジなしのデメリット

為替ヘッジを行わない投資信託を選択するデメリットは、円高が進行すると為替差損が発生するケースがあることです。つまり、メリットと全く逆のことが起きることがあるということになります。

また、為替差損が発生するということは、購入する投資信託の基準価格にも影響する可能性があるということです。そのため、為替差損と投資信託の値下がり損の両方を被ることになるかもしれません。

2-3.為替ヘッジありのメリット

為替ヘッジを行う投資信託を選択するメリットは、ファンドの基準価格への為替レートの影響がほとんどなくなるということです。為替の変動による損益が影響しないため、純粋にファンドの利益を追求することができるといえるでしょう。

2-4.為替ヘッジありのデメリット

為替ヘッジを行う投資信託を選択するデメリットは、ヘッジを行うためのコストが掛かるということです。

仮にヘッジコストが4%に設定されているとして、投資信託の基準価格が8%上昇したとします。この場合、8%の利益から4%のコストが差し引かれて、手元に残る利益は結局4%となります。

ちなみに、ヘッジコストは以下の方法で簡単に計算することができます。

  • 為替ヘッジコスト=投資先の相手国の短期金利-日本円の短期金利

仮にアメリカの海外資産ファンドに投資する場合なら、アメリカドルの短期金利と日本円の短期金利の差が為替ヘッジコストになります。この場合、アメリカの短期金利は「FFレート」が、日本円の短期金利には「無担保コール翌日物」が用いられます。

2-5.過去のヘッジコストを検証する

では、ヘッジコストがどれくらいかかるのか、過去の「FFレート(米国の政策金利)」「無担保コール翌日物」の金利を比較してみたいと思います。

2020年3月のアメリカ「FFレート」と日本「無担保コール翌日物」の金利の差は以下の通りです。

  • FFレート-無担保コール翌日物=0.25%-(-0.10%)=0.35%

つまり、ヘッジコストは0.35%ということになります。

ですが、それから1年前の2019年3月の金利の差は以下のようになっていました。

  • FFレート-無担保コール翌日物=2.50%-(-0.10%)=2.6%

つまり、ヘッジコストは2.6%だった、ということになります。

金利が変動することにより、ヘッジコストも変動するということや、場合によっては利益や損失に大きく影響するほどのヘッジコストが掛かる可能性もありますので注意が必要です。

まとめ

今回は、海外投資信託を購入する際に関係する為替ヘッジについて解説しました。

為替ヘッジがあるのかないのかによって、投資信託における利益や損失はさまざまな影響を受けることになります。本記事を参考に情報を仕入れて、どちらが自分に合っているのか、適切に判断できるようにしましょう。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。マーケティング、金融、就職・転職、スポーツ、インテリア、ペットなど、幅広いジャンルの記事を執筆。それぞれテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識と情報の収集に奮闘中。