資産運用・投資をプロに相談する方法4つ、メリットと注意点も

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投資経験ゼロの人が資産運用を始める場合、運用方法や商品についてプロに相談したいと考える方も多いのではないでしょうか。投資や金融の知識がない人が、プロの力を借りて運用することは有効です。しかし、中には顧客本位でない相談相手もいるため、自分に合うかを見極める必要があります。

この記事では資産運用の相談先と、それぞれのメリットや注意点を解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 資産運用を相談するならどこがいいか?
    1-1.有料か無料か
    1-2.金融商品の取り扱いはあるか
    1-3.同じ担当者に相談できるか
    1-4.一般人も利用しやすいか
    1-5.初心者が運用相談する方法4つ
  2. 取引銀行に資産運用を相談
    2-1.銀行に相談するメリット
    2-2.銀行に相談するときの注意点
  3. 対面の証券会社は取り扱う商品が多い
    3-1.証券会社に相談するメリット
    3-2.証券会社に相談するときの注意点
  4. 中立的な立場の独立系ファイナンシャルプランナー
    4-1.ファイナンシャルプランナー(FP)とは?
    4-2.独立系FPに相談するメリット
    4-3.独立系FPに相談するときの注意点
    4-4.独立系FPの探し方
  5. 中立的な立場の独立系ファイナンシャルプランナー
    5-1.IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは?
    5-2.IFAに相談するメリット
    5-3.IFAに相談するときの注意点
    5-4.IFAの探し方
  6. 運用の相談の前に準備しておくこと
    6-1.運用の目的を明確にする
    6-2.資産状況を把握する
    6-3.運用の基礎知識を身に付ける
  7. 信頼できる相談先かを見極めるポイント
    7-1.ライフプランに関するヒアリングをしてくれるか
    7-2.プロとしての知識レベルが十分か
  8. まとめ

1.資産運用を相談するならどこがいいか?

資産運用を始めるにあたり、相談先が思い浮かばない人も多いでしょう。これから運用の相談先を探すときに検討するポイントを解説し、選択肢を紹介します。

1-1.有料か無料か

お金のプロに相談する場合、相談料がかかる有料相談と無料の相談があります。一般的に金融商品の販売が前提の場合は無料、相談のみの場合は有料であるケースがほとんどです。金融商品の販売をしない有料相談は、中立的な立場でのアドバイスが受けられます。

具体的な金融商品の提案を受けたいのか、アドバイスだけ受けて自分で金融商品を購入したいかが検討するポイントです。

1-2.金融商品の取り扱いはあるか

具体的な金融商品の提案を受けたい人は、金融機関やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)など金融商品を取り扱う相談先が選択肢となるでしょう。相談から金融商品の購入までがワンストップでできれば、資産運用の実行がスムーズになります。

1-3.同じ担当者に相談できるか

相談先の担当者が信頼できる人だったとしても、金融機関では同じ人が担当することはほとんどありません。相性がよくて信頼できる担当者から長くアドバイスを受けたいという場合、金融機関では難しいことを知っておきましょう。

1-4.一般人も利用しやすいか

お金の相談をプロにしてみたいけれど、まとまった資産を持っていないと相手にされないのではないかと思う方もいるのではないでしょうか。銀行や証券会社は誰でも利用できますが、やはり富裕層を大切にする傾向があります。

また、IFAでも金融資産の最低金額を設けている場合があります。相談のハードルが高いか低いかはウェブサイトやセミナーなどに参加して確かめるとよいでしょう。

1-5.初心者が運用相談する方法4つ

資産運用の初心者の投資の相談先には以下のようなところがあります。それぞれの詳細については後述していきます。

  • 銀行
  • 証券会社
  • 独立系ファイナンシャルプランナー(FP)
  • IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)

2.取引銀行に資産運用を相談

資産運用の相談先として、自分のメインバンクを考える人は多いでしょう。給与の振り込みや住宅ローンを借り入れている銀行であれば足を運ぶ機会も多く、相談しやすくなります。

2-1.銀行に相談するメリット

メインバンクであれば個人の資産状況を把握しているので、状況に合った運用アドバイスが受けられます。相談料もかかりません。また、最近では休日に資産運用や住宅ローンの相談ができる店舗もあり、利便性が向上しました。

2-2.銀行に相談するときの注意点

銀行で取り扱う商品は証券会社に比べると、少ないことがほとんどです。また、ネット証券であれば100円から始められるつみたてNISAが、銀行では5,000円から1万円程度からでないとできない場合や、投資信託の購入手数料がかかるケースも少なくありません。

銀行の業務は多岐にわたるため、資産運用や金融商品全体の知識を持った担当者が少ないことにも注意が必要です。また、IFAなどと比べると中立性の面でも劣る場合があります。担当者の転勤もあり、長く信頼できる担当者に相談するのは難しいといえます。

3.対面の証券会社は取り扱う商品が多い

運用初心者にとって、証券会社の店舗に出向くのはハードルが高いかもしれません。しかし、証券会社は運用に特化した金融機関なので、有力な相談先となります。

3-1.証券会社に相談するメリット

証券会社には銀行が扱っていない金融商品もあり、選択肢が豊富です。大手証券会社はIPO(新規株式公開)の主幹事になっていたり、他では取り扱わない債券が買えたりするなどのメリットがあります。証券会社は金融商品の販売がメインのため、担当者の知識レベルも一定以上といえます。

3-2.証券会社に相談するときの注意点

証券会社は金融商品の仲介手数料が収益源です。そのため、手数料が高めの金融商品を勧める傾向があることを知っておく必要があります。対面の証券会社の主な顧客は年配者です。若年層の資産形成に不向きな毎月分配型の投資信託などを勧められる可能性もあります。

提案を受けても即購入せず、どのような商品かを調べてから決めるようにしましょう。

4.中立的な立場の独立系ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナーは、中立的な立場で相談者の目線でのアドバイスを受けたい人に適した相談先です。

4-1.ファイナンシャルプランナー(FP)とは?

ファイナンシャルプランナーとは、金融や年金、相続などお金についての幅広い知識を持った専門家です。独立系ファイナンシャルプランナーは特定の金融機関に属さず、中立的な立場で客観的なアドバイスを受けられます。

保険の販売や金融商品の仲介をしているFPと、アドバイスのみのFPがいます。

4-2.独立系FPに相談するメリット

独立系FPは金融商品の取り扱いがあっても販売がメインではないため、顧客本位のアドバイスが期待できます。また、高い専門知識を持ち、顧客のライフプランに沿った提案が可能です。金融機関と違い、転勤がないので相性が合って信頼できるFPが見つかれば、長く相談できるでしょう。

4-3.独立系FPに相談するときの注意点

一般的に独立系FPへの相談は有料です。相談料はFPによってまちまちで、安さだけを求めると満足な結果は得られないかもしれません。また、FPごとに得意分野が異なり、中には「住宅ローンは得意だけれど資産運用は苦手」のような人もいます。

資産運用の相談をしたければ、運用が得意なFPであるかを確かめましょう。

4-4.独立系FPの探し方

FPに相談したいけれど探し方がわからない人も多いでしょう。独立系FPはウェブサイトを持っていることが多いので、検索してみるとよいでしょう。

また、日本FP協会のCFP検索でも条件に合うFPを探せます。ただし、CFP検索には独立系でないFPも含まれています。相談料が明示してあるFPが独立系です。

5.金融商品の提案を受けたいならIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)

最近では、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ資産運用の相談をする人が増えています。

5-1.IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは?

IFAとは、金融機関から独立して活動する資産運用の専門家です。 特定の金融機関に所属せずに、金融商品の仲介を行います。金融機関の商品を取り扱ってもノルマを課されたりはせず、独立性を保った経営が可能です。そのため、顧客の利益を優先した提案が期待できます。

5-2.IFAに相談するメリット

銀行や証券会社とは異なり、中立的な立場から提案が受けられる点がIFAに相談する最大のメリットです。IFAには金融に関する高い専門知識があります。専門知識があっても、営利優先の提案であれば鵜呑みにすることはできません。

また、提案する金融商品の選択肢が少ないと、自分に合った提案とはならない場合もあります。IFAの多くは大手ネット証券と提携しており、豊富なラインナップからの提案が可能です。自分1人では使いこなせないネット証券でも、IFAの力を借りれば有効活用できます。

利便性に優れたIFAも

銀行や証券会社は、投資家の自宅近くに店舗がある場合も多いでしょう。IFAの中には、営業拠点が少なくてもオンラインセミナーやオンライン面談などを行い、日本全国の顧客に対応できる会社があります。休日にも相談できるIFAも少なくありません。

また、資産運用以外に生命保険や住宅ローン、相続の相談などもワンストップで受けられるIFAもあります。

5-3.IFAに相談するときの注意点

IFAは会社ごとに運用方針や得意な運用スタイルが異なります。また、ターゲットにしている顧客層もさまざまです。ゆえに、どのIFAでも自分に合った提案をしてくれるというわけではありません。自分に合うIFAが見つかればメリットは大きいので、まずは探すことから始めましょう。

5-4.IFAの探し方

今までIFAを全く知らなかった人も少なくないでしょう。IFAはインターネットで検索するか、もしくは大手ネット証券のウェブサイトで提携IFAを探すこともできます。また、IFAの主催するセミナーを受けてみると、自分に合っているかを判断しやすいでしょう。

6.運用の相談の前に準備しておくこと

資産運用の相談といっても、受け身の姿勢では有効なアドバイスを期待できません。相談前に最低限の準備をしておきましょう。

6-1.運用の目的を明確にする

老後資金準備や教育費の準備など資産運用の目的がわからなければ、相談先もアドバイスができません。最悪の場合、適当な金融商品を売りつけられてしまうだけになる可能性もゼロではありません。「何の目的でいつまでにいくらの資金を準備したい」という目的や目標を明確にすれば、有益な提案が受けやすくなります。

6-2.資産状況を把握する

運用に回す資金は、当面使う予定のない余裕資金に限ります。今後のライフイベントを考え、目的の決まっているお金や日常の生活費を分けて、いくら運用に回せるかを確認しておきましょう。

6-3.運用の基礎知識を身に付ける

相談先から金融商品の提案を受ける場合、その提案が自分の利益になるかを判断しなければなりません。損失を被ったとしても、結果については自己責任です。後悔がないようにするには、最低限の基礎知識を身に付けましょう。運用の本を何か1冊読む、ウェブサイトで情報収集をするなど、やりやすい方法でかまいません。

7.信頼できる相談先かを見極めるポイント

自分に合う相談先が見つかったら、長く付き合いたいところです。信頼できる相談先かを見極めるためのチェックポイントを解説します。

7-1.ライフプランに関するヒアリングをしてくれるか

資産運用で最適な提案を受けるためには、ライフプランについてのヒアリングが欠かせません。資産運用は、ライフプランの達成という目的に対する手段だからです。ゆえに、金融商品の販売ありきの相談では、最適な資産運用は期待できません。

ヒアリングをせずに金融商品を売ろうとする担当者には相談しないように心がけるとよいでしょう。

7-2.プロとしての知識レベルが十分か

一口にお金のプロといっても、そのレベルはさまざまです。経験豊富で勉強熱心な担当者であれば有益な提案が期待できますが、そうでないケースもあります。質問をしても明確な回答が得られない、明らかに知識不足に感じられるなどの担当者だった場合、他の相談先を探したほうが賢明でしょう。

まとめ

資産運用の相談先は銀行・証券会社などの金融機関の他に、独立系FPやIFAがあります。IFAは専門知識を持ったプロに豊富な商品ラインナップからの提案を受けられる場合が多く、これからの普及が期待されます。

これらのアドバイザーを有効活用していくには、まずは自身の運用の目的や資産状況を確認することが大切です。複数のアドバイザーに相談しても構いませんので、焦らずにじっくりと資産運用に関して情報を集めてみてください。

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松田 聡子

明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。 保有資格:日本FP協会認定CFP・DCアドバイザー・証券外務員2種 運営サイト : 経営体質改善のヒント