【特集コラム】多彩なNFTの種類や用途についての紹介

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今回は、昨今認知が広まるNFT種類や用途について、信玄 氏(@shingen_crypto)に解説していただきました。

目次

  1. NFTの種類や用途
    1−1. 会員権やアクセス権
    1−2. 保険証書
    1−3. 現実世界の不動産
    1−4. 音楽
    1−5. 購読権
    1−6. ドメインやエイリアス
    1−7. 素材
  2. まとめ

現在NFTは国内でも多くのメディアでとりあげられており、更に楽天やLINEを含めて大きなプラットフォームでもNFTの採用が進んでいます。これ程に大きな話題となっているNFTですが、世間的なNFTに対するイメージではやはりアートやコレクティブルに偏っているのが現状ではないでしょうか?

国内でも挙げられる代表的な例を挙げれば、アートならばBeeple氏やせきぐちあいみ氏の作品、コレクティブルならシンプルなドット絵なのに超高額なCrypto Punks、米国で大人気のBAYC(Bored Ape Yacht Club)辺りが有名です。特に露出が大きいのが一点で高額になるアートの方です。

NFTというのはNon Fungible Tokenつまり非代替性を持ったトークンという意味になりますが、これだけ見ても具体的な用途は大変解り難くなっています。そんなNFTで現状最も代表的な例が上記の様なアートやコレクティブルになると言えるでしょう。

しかし実際にはNFTというのは非常に多彩な用途を持っており、それ故にブロックチェーン自体の注目と実需が上昇しているとも言えます。今回はそんなNFTの用途について簡単に説明していきます。

NFTの種類や用途

実際には複数の用途を併せ持つ様なNFTが存在しますが、まずはどんなものがあるか簡単に羅列していきます。これだけ挙げても全てをカバー出来るという事は無く日々新しいものが出てきます。

  • アート、イラスト、写真等
  • コレクティブル
  • メタバースやゲームの土地や資産、キャラクター等
  • 音楽
  • 購読権
  • ドメインやエイリアス
  • 流動性提供等の債権
  • 保険証書
  • 会員証やアクセス権
  • 証明書
  • 契約書
  • 現実世界の不動産
  • トレーディングカード
  • チケット
  • 素材

上記で挙げたもの全てについての解説は困難ですので、幾つか面白いものを紹介します。

会員権やアクセス権

アートとコレクティブルを除けばこれがもっとも一般的な使われ方かもしれません。特にコレクティブルがこれを兼ねるケースが多く、PunksやMeebitsをはじめとして多くのコレクティブルが保有者のみのサロン的な場が存在します。解りやすく例えればファンクラブの会員証みたいなものです。これを実現しているのがDiscordとCollab.landというサービスの組み合わせで、こうした用途やサービスはどんどん拡大して行くと考えられます。

保険証書

これはDeFiこと分散型金融における事故やハッキング時に効力を発揮する保険をNFT化したもので、実際に効力を持っており、自分が利用するDeFiサービスで被害に遭った時等でも条件が成立すればブロックチェーン上で執行可能です。現実世界の保険をNFTにする事も可能でしょうが、執行力をもたせる事が難しいでしょう。

現実世界の不動産

NFTを見たら多くの人が思いつくであろう不動産のNFT化ですが、汎用的ではないものの実際に実行している企業が存在します。現状では無理矢理感のあるやり方になってしまいますが、将来的には変わってくるかもしれません。

音楽

これも注目度の高い用途として多くの製品が登場してきています。具体例を挙げると3LAWというアーティストのWorst Caseという曲は収益権を分割NFT化しています。この曲は通常の曲と同様にストリーミングサービス等で配信され収益を上げるのですが、その収益がトークン保有者へ配分される事となっています。今後も様々なサービスが登場し注目は高まっていく事でしょう。

購読権

オンラインニュースメディアや単品有料記事、電子書籍や雑誌含め多くの応用が可能です。これはまだ流行っては居ないものの注目度の高い複数のサービスがあります。Walletを持つユーザーが増えれば利用の敷居も下がって一般化していく可能性もあります。ユーザー側からすれば面倒な登録が不要ですし電子書籍のプラットフォーム依存を軽減出来る場合もあります。

ドメインやエイリアス

先日エアドロップで注目を集めたENS(Ethereum Name Service)が代表的です。自分のアドレスは暗記が困難ですが、これをXXXX.ethと言った様な記憶可能なものに紐付ける事が可能です。NFTを集めるコレクター達はオークション時のライバルや、NFTを持つコレクターをENSので識別する事が一般的となっており一種のペルソナとしても機能しています。他にもWebのドメインとして利用する方法も提供されており、こうした用途は広がりを見せるでしょう。

素材

これは非常に特殊なケースですが、一定ルールでランダムに生成されたテキストのNFTで価値が認められているものがあります。”Loot”と言うそれはファンタジー系の装備一式の文字列が含まれただけのものです。その文字列はAPIやスマートコントラクトでの認識出来る事からそれを起点に様々な応用が可能です。ゲームがあってゲームに付随した資産が作られる、ではなく素材が先にあってそれを利用するゲーム等が出る、というやり方も可能だという例を示しました。

まとめ

NFTと言えば高額で投機的なアートのイメージがどうしてもメディア上では先行してしまいますし、実際に非常に多くの投機的行動が起きている事も事実ですが、それだけでなく多くの多様な試みがされているのもまた事実です。更にスマートコントラクトやDeFiと組み合わせられる事で執行力を持つNFTを作る事も可能な事から、Ethereumの様なパブリックチェーンと呼ばれるところのNFTであれば、二次流通には検閲が無く相手を信頼する事なく仲介企業を挟む事もなく売買出来る事が基本的には可能となっています。

過去にインターネットとWebが登場した当時には自分や企業を簡単に紹介するのがホームページの認識が一般的でしたが、今では汎ゆるオンラインサービスがWeb上で動作しています。動画配信から教育、会計や公的サービス、etc…Chromeを代表とするブラウザは最も汎用的なインターフェイスと言っても過言ではないでしょう。

NFTと言うのは使い方や環境次第では非常に高い汎用性と応用力を持っているので、多くのサービスや権利がブロックチェーン側に寄ってくる程に多くの用途が執行力を持つ事になり、NFTという形で権利を作成、譲渡、移転する事が可能になります。とは言えこれはあくまでも楽観的な可能性の一つにすぎません。未来は不明ですがそれでもNFTは非常に面白い技術と題材であると言えるでしょう。

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信玄

本業の傍ら趣味でブロックチェーン関連のリサーチを行っている。 DeFiを筆頭にDID、NFT、Layer2、Fiat Gateway、Contract Wallet等、幅広く情報を追っている。Twitter:@shingen_crypto