2021年にリターンが高かった投資信託は?上位5本の実績を紹介

※ このページには広告・PRが含まれています

2021年の投資信託のリターンは全体的に堅調でした。1年間のトータルリターン(分配金再投資ベース)では、プラスのリターンを出したファンドが9割近くを占めたからです。そして、30%超のリターンを出したファンドも、約13%ありました(参照:日本経済新聞「2021年の投信、9割近くが運用益に」 QUICK資産運用研究所調査)。

この記事では、2021年の年間リターン上位5ファンドについて解説します(ブル・ベア型ファンドを除く)。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 2021年 リターン上位5ファンド
  2. eMAXIS Neo バーチャルリアリティ
  3. UBS原油先物ファンド
  4. ベトナム・ロータス・ファンド
  5. HSBC インド・インフラ株式オープン
  6. 米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし
  7. まとめ

1.2021年 リターン上位5ファンド

ファンド名 分類 2021年リターン
eMAXIS Neo バーチャルリアリティ インデックスファンド 85.4%
UBS原油先物ファンド インデックスファンド 80.1%
ベトナム・ロータス・ファンド アクティブファンド 79.3%
HSBC インド・インフラ株式オープン アクティブファンド 65.0%
米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし アクティブファンド 64.5%

リターン上位5ファンド中、インデックスファンド2本、アクティブファンド3本となりました。

それでは、それぞれのファンドについて詳しく解説します。

2.eMAXIS Neo バーチャルリアリティ

  • 投信分類:インデックスファンド(先進国株式)
  • リターン:85.4%

2021年のリターントップは、インデックスファンドの「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」でした。同ファンドは、米国の金融商品取引所に上場している世界各国(日本を含む)のバーチャルリアリティ関連企業の株式に投資します。

テーマ型のノーロード・インデックスファンドシリーズ「eMAXIS Neo」の一つで、S&P Kensho Virtual Reality Index(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指します。同インデックスは、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など第4次産業革命の原動力となる企業を選定。そして、米国株の比率が8割程度ともっとも高くなっています。

3.UBS原油先物ファンド

  • 投信分類:インデックスファンド(コモディティ)
  • リターン:80.1%

2021年のリターン2位は、「UBS原油先物ファンド」の80.1%でした。同ファンドはWTI原油の先物指数を反映する「UBSブルームバーグCMCI指数WTI原油指数(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。

2021年のWTI原油先物は、コロナ禍からの経済正常化を受けて急反発。年間で55.01%上昇したことから同ファンドも高いリターンになりました。

4.ベトナム・ロータス・ファンド

  • 投信分類:アクティブファンド(新興国株式)
  • リターン:79.3%

2021年のリターン3位は、「ベトナム・ロータス・ファンド」の79.3%でした。同ファンドは、ベトナムの取引所に上場しているベトナム株式、世界各国の取引所に上場しているベトナム関連企業の株式に投資するアクティブファンドです。

2021年のベトナム市場は、コロナ禍からの経済活動再開を受けて上昇しました。代表的な株価指数であるベトナムVN指数は年間で35.73%上昇し、2021年11月には過去最高値を更新しています。

5.HSBC インド・インフラ株式オープン

  • 投信分類:アクティブファンド(新興国株式)
  • リターン:65.0%

2021年のリターン4位は「HSBC インド・インフラ株式オープン」でした。同ファンドは、ボンベイ証券取引所やナショナル証券取引所などインドの証券取引所に上場しているインフラ(道路・鉄道・電力・通信)関連企業の株式に投資するアクティブファンドです。

2022年2月末時点の組入銘柄数は36で、組入上位銘柄は、以下の通りです。

  1. ラーセン・アンド・トゥブロ 9.6%
  2. リライアンス・インダストリーズ 5.2%
  3. インド国営火力発電公社 4.1%
  4. アダニ・ポーツ・アンド・スペシャル・エコノミック・ゾーン 3.9%
  5. タタ電力 3.7%

2021年のインド株式市場は大きく上昇し、代表的な株価指数であるSENSEX指数の上昇率は21.99%となりました。さらにインフラ企業は大きく値上がりし、同ファンドのリターンも60%を超えたのです。

6.米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし

  • 投信分類:アクティブファンド(北米)
  • リターン:64.5%

2021年のリターン5位は「米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし」でした。同ファンドは、米国の金融商品取引所に上場しているエネルギー関連事業等に投資するMLP (マスター・リミテッド・パートナーシップ)を主な投資対象とするアクティブファンドです。

2021年のMLPのパフォーマンスは改善しました。原油価格上昇に伴うセンチメント改善に加え、予想配当利回りが7%台と高く注目が寄せられたからです。コロナ禍からの世界経済の回復を背景に、石油や天然ガスの需要拡大が見込まれており、MLPの業績にとってはプラスになります。

2022年になってもロシアのウクライナ侵攻により原油や天然ガスは大きく値上がりしており、引き続き高パフォーマンスが期待できそうです。

まとめ

2021年のランキング上位には、インフラ関連ファンドが多くランクインしました。また、上位5ファンド中、2つがインデックスファンド、3つがアクティブファンドとなっています。

信託報酬などの運用コストはインデックスファンドの方が低くなりますが、リターンの大きいアクティブファンドもあるので、コストだけでなく過去のリターンを調べて投資信託を選ぶようにしてください。

The following two tabs change content below.

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011