投資には株や国債、FXなど多くの対象がある中で、まずは投資信託から始めてみよう、という方も多いのではないでしょうか。しかし、投資信託にも様々なタイプがあります。運用スタイルや手数料などが商品ごとに異なり、何を基準に選べば良いのか悩む方もいるかもしれません。
そこで本記事では、パフォーマンスの高い投資信託の探し方と、実際に購入するときの注意点をご紹介します。運用会社・ファンドを選ぶときのポイントを掴み、投資信託の取引を始めるための参考にしてみてください。
目次
- 投資信託とは
- 投資信託を選ぶときの基本的なチェックポイント
- パフォーマンスの高い投資信託の選び方
3-1.過去の運用成績を確認する
3-2.条件が同じならコストの低い方を選ぶ
3-3.純資産総額が多いファンドを選ぶ - 投資信託を実際に買う際の注意点
4-1.自分の目的に合った運用期間のものを選ぶ
4-2.毎月決算型(毎月分配金あり)のものはメリットが少ない
4-3.外国株式は自分の取れるリスクに合わせて選ぶ
4-4.投資先を決められない場合はバランス型も選択肢の一つ - まとめ
1.投資信託とは
投資信託とは、ファンド(商品)に投資する形を通じて、投資のプロ(ファンドマネージャー)にお金を預けて運用を任せる投資のことです。ファンドマネージャーは大勢の投資家から資金を集めて運用します。そのため1人1人の投資家は必ずしも大きな金額を用意する必要がなく、少額から投資を始められるのが特徴です。
また、運用はプロに任せられるため、投資家は自分で細かいポートフォリオの調整などを行わなくて良いというメリットがあります。
2.投資信託を選ぶときの基本的なチェックポイント
投資信託を選ぶときは、以下の項目を確認することが基本となります。
- 運用成績(リターン・リスク)
- 手数料(コスト)
- 運用期間
- 純資産総額
- 運用会社・ファンドの特徴
しかし、チェックポイントを知っているだけでは、良い投資信託を選べません。リターンを得られる投資信託の選び方について、以下よりご説明していきます。
3.パフォーマンスの高い投資信託の選び方
パフォーマンスの高い投資信託を選ぶ際に見るべきポイントや具体的なコツは、以下の3つです。
- 運用会社の過去の運用成績を確認する
- 条件が同じならコストの低い方を選ぶ
- 純資産総額が多いものを選択する
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
3-1.ファンドの過去の運用成績を確認する
パフォーマンスの高い投資信託を選ぶには、ファンドの過去の運用成績をチェックすることがポイントです。
そのファンドの運用報告書や月報(月次レポート)を見ると、過去の運用成績・リターンとともに、ベンチマークとする当時の株価指数などが載っていることが一般的です。
ベンチマークを上回るリターンを継続的に上げられていれば、比較的優秀なファンドである可能性が高いと言えます。
3-2.条件が同じならコストの低い方を選ぶ
投資信託の運用には費用もかかります。ファンドを選ぶ際には、その費用・コストにも注目しましょう。
投資信託にかかる主な費用は、購入時手数料、解約手数料、信託報酬といったものです。投資先や運用スタイルなどの条件がほとんど同じ投資信託があった場合は、費用の安いものを選びましょう。かかったコストは最終的なパフォーマンスに影響を与えるためです。また、費用が高くても、その分リターンが上がるという確約もありません。
特に信託報酬は運用期間中ずっとかかり続けるものなので、長期保有する場合はこの点に注意しましょう。
3-3.純資産総額が多いファンドを選ぶ
投資先や運用スタイルが同じなら費用が安い方が良いと先ほどお伝えしましたが、費用も同じ場合はどちらが良いのかと悩むかもしれません。
条件も費用も同じ場合は、資産規模(純資産総額)の大きいファンドを選ぶことがポイントです。その理由は、次の2つです。
- 人気のバロメーターになるから
- 資産が少ないと運用が難しいから
ファンドの資産の一部は、投資家から預かっているお金で成り立っています。つまり、純資産額が多いということは、それだけ多くの人が投資をしている人気のファンドだということです。
人気があるファンドだから必ずしも良いというわけではありませんが、数年以上の運用期間があるにも関わらず運用資産額が30億円以下のファンドなどは投資家から収益が期待できないと見放されている可能性が高く、そういったファンドと比べると収益機会があると考えられます。
資産規模で選ぶ理由は人気だけではありません。通常、ファンドは預かっている資金を運用して資産を増やしていくものです。そのため、投資に回せる資産が少ないと運用しづらく、結果的に投資家へのリターンも少なくなることが予想できます。
また、資産が少なすぎると、ファンドの運用を続けること自体が難しくなる場合もあります。これらの理由から、純資産総額の多いファンドの方が望ましい傾向にあります。
4.投資信託を実際に買う際の注意点
ここからは、投資信託を実際に買うときの注意点についてお伝えしていきます。気をつけるべき点は、主に次の4つです。
- 自分の目的に合った運用期間のものを選ぶ
- 毎月決算型(毎月分配金あり)のものはメリットが少ない
- 外国株式は自分の取れるリスクに合わせて選ぶ
- 投資先を決められない場合はバランス型も選択肢の一つ
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説していきます。
4-1.自分の目的に合った運用期間のものを選ぶ
投資信託には、運用期間(償還日)が決まっているものと、無期限のものがあります。購入するときは「増やした資金を何に使うのか」という自分の投資目的に合った運用期間のものを選ぶことがポイントです。
たとえば、老後資金を確保するためであれば、運用期間が無期限のものを選んだ方が目的に合致しやすくなります。その場合、短期的にはリスクが目立っても、長期運用すればリターンを得やすい特性のあるものが良いでしょう。
このように、目的に合わせて運用期間を選ぶことがおすすめです。
4-2.毎月決算型(毎月分配金あり)のものはメリットが少ない
投資信託では、ファンドごとに分配金を受け取る回数があらかじめ決まっており、年1回・2回・4回・6回・12回の5つのパターンがあります。
分配回数が年12回の投資信託では毎月分配金をもらえるということになります。一見するとお得なようにも感じますが、リターンの大きさで言うと毎月決算型にはあまりメリットがありません。
と言うのも、資産を運用して増やす際には利益を再投資することで複利効果を出すことが有効なのですが、その利益が毎月手元に返ってくると複利効果が出ないために資産が増えづらくなってしまうからです。
さらに分配を受ける際に利益が出ている場合は、利益から源泉徴収税の20%が差し引かれるため、受け取った分配金を再び運用に回そうとしても、そのぶん金額が小さくなってしまうため効率的ではありません。
また、分配金に回されるのは利益だけではなく、投資元本も合わせて払い戻し分配されるケースは珍しくありません。その場合、次第に運用資産が減っていくため、長期的に見ると運用によって資産を増やしていけるメリットは少なくなります。
急に現金が必要になる可能性が高いなど特別な事情がない限り、毎月分配型ではなく分配金なし、あるいは半年や1年といったより長いスパンで分配金が発生するタイプの方が、リターンは大きくなりやすいでしょう。
4-3.外国株式は自分の取れるリスクに合わせて選ぶ
投資信託では、外国株式を取り扱っているものもあります。外国株式には先進国と新興国のものがありますが、それぞれリスクが異なるので注意が必要です。一般的に、先進国株式はリスクが小さい分、リターンも小さいものが多い傾向です。逆に新興国株式は高リスク・高リターンのものが多数あります。
また海外資産を投資対象にする場合、為替ヘッジのあり・なしでそれぞれファンドが組成されている場合があります。ここでは詳細は省きますが、一般に為替ヘッジありはリスクが高く、為替ヘッジなしは低い傾向にあります。
これらは一概にどちらが良いというものではないので、自分の取れるリスクに合わせて、先進国と新興国の配分や為替ヘッジの有無を決めるのがおすすめです。
4-4.投資先を決められない場合はバランス型も選択肢の一つ
どれを選べば良いかわからない場合は、バランス型(資産複合型)の投資信託を選ぶのも一つの方法です。バランス型とは、複数のタイプの投資対象を組み合わせたものを言います。たとえば、株式と債券、国内と海外などの組み合わせです。
組み合わせ方は、国内株式と国内債券だけのものや、国内・海外・株式・債券やその他資産を組み合わせたものなど、色々なパターンがあります。
バランス型の良いところは、1つの銘柄を選ぶだけで複数の資産へ分散投資ができる点です。迷ったときは、選択肢の一つとして考えてみてください。
まとめ
投資信託の探し方と注意点をご紹介しました。パフォーマンスの高い投資信託を選ぶには、ファンドの実績や資産額、コストなどを確認した上で総合的に選ぶことがコツになります。また、自分の取れるリスクや投資目的にマッチする投資信託を選択することも大事です。
この記事を参考に、ぜひ自分に合う投資信託やファンドを見つけ、投資をしてみてください。
鈴原 千景
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