1年間のトータルリターンが高い投資信託10本、手数料や指数など比較【2022年1月】

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トータルリターンは、投資信託を評価する際に用いられる指標の1つで、その銘柄に投資することによって得られた総合的な収益を指します。トータルリターンを見れば、そのファンドの過去の成績を知ることができるため、投資先銘柄の判断や分析に役立ちます。

この記事では、過去1年間でトータルリターンの高い投資信託を10本ご紹介します。投資信託のトータルリターンについて知りたい方や、トータルリターンが高い投資信託を検討されたい方は参考にしてみてください。

※この記事は読者の皆様への情報提供を目的としており、特定の商品や銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
※また、以下の内容は2022年1月14日時点で確認することができた、各委託会社(運用会社)が公表する交付目論見書や、最新の月次報告及びホームページ等に基づき執筆しています。最新の情報につきましては、ご自身にてご確認ください。

目次

  1. トータルリターンとは
  2. トータルリターンが高い投資信託10選
    2-1.iFreeレバレッジ S&P500
    2-2.NASDAQ100 3倍ブル
    2-3.フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド
    2-4.日本株厳選ファンド・アジア3通貨コース
    2-5.米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)
    2-6.eMAXIS Neo バーチャルリアリティ
    2-7.HSBC インド・インフラ株式オープン
    2-8.米国ハイイールド債券ファンド 南アフリカランドコース
    2-9.ワールド・リート・セレクション(米国)
    2-10.UBS原油先物ファンド
  3. トータルリターンで投資信託を選ぶ際の注意点
  4. まとめ

1 トータルリターンとは

トータルリターンとは、投資信託のある銘柄に一定期間投資を行った際、その投資から得られた総合収益のことです。トータルリターンは投資期間によって変わり、1年や3年といった年単位のほか、短いものでは1ヵ月や6ヵ月など、期間ごとに算出されます。

トータルリターンの計算では、投資信託そのものの売却益に加え、受け取った分配金も考慮されます。実際のトータルリターン算出には複雑な計算が必要となりますが、おおまかなイメージとしては、総利益÷総投資額×100で求めることができます(保有期間が1年の場合)。

例えば、投資信託を50万円分購入し、1年後に53万円の評価額で売却した場合、利益は53万円−50万円=3万円、トータルリターンは3万円÷50万円×100=6%となります(※手数料や税金などは考慮しません)。

また、この例で分配金による収益が追加で1万円分あった場合、総収益が4万円となり、トータルリターンは8%となります。このようにトータルリターンは、ファンドへの投資による利益を総合的に評価できる点が特徴となっています。

2 トータルリターンが高い投資信託10選

過去1年間でトータルリターンの高い投資信託は次の通りです。なお、トータルリターンは、取引に際して発生し得る手数料や税金等が考慮されていないため、実際の運用結果とは一致しないことがあります。

また、トータルリターンはあくまでも過去の実績であり、将来における成果を保証するものではないほか、以下の各種手数料やトータルリターンは、販売会社(証券会社等)によって異なる場合があるので、ご注意ください。

2-1 iFreeレバレッジ S&P500

純資産総額 202.84億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 北米
為替ヘッジ あり(フルヘッジ)
委託会社 大和アセットマネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
信託報酬 年率0.99%(税込)

「iFreeレバレッジ S&P500」は、大和アセットマネジメント株式会社が手がける指数連動型の投資信託です。対象指数は、米国株の代表的な指数であるS&P500で、基準価額の値動きがS&P500指数の約2倍となることを目指すブル型のファンドとなっています。

米国株の上昇によってリターンが期待できる反面、リスクもやや大きくなる点に注意が必要です。S&P500に連動するレバレッジ型ファンドを検討したい方に適しています。

2022年1月12日時点の基準価額は22,840円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

6ヵ月 1年 3年 設定来
24.30% 63.54% 48.31% 136.39%

2-2 NASDAQ100 3倍ブル

純資産総額 99.61億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 北米
為替ヘッジ あり(フルヘッジ)
委託会社 大和アセットマネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
信託報酬 通常時:年率1.52375%(税込)
安定運用時:年率0.088%(税込)

「NASDAQ100 3倍ブル」は、大和アセットマネジメントが運用する投資信託です。米ナスダック市場に上場する銘柄の中でもIT企業などを中心とし、時価総額の大きな100銘柄で構成されるNASDAQ100指数を投資対象としています。

基準価額でNASDAQ100指数の値動きの3倍程度となることを目指すファンドなので、通常の投資信託と比べて対象資産下落時のリスクも大きい点に留意しましょう。

2022年1月12日時点の基準価額は21,275円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 6ヵ月 1年 設定来
0.42% 39.08% 87.93% 141.66%

2-3 フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド

純資産総額 115.00億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 日本、グローバル(除く日本)
為替ヘッジ なし
委託会社 フィデリティ投信株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
信託報酬(実質) 年率1.65%(税込)

「フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド」は、フィデリティ投信が手がける投資信託です。日本のテクノロジー関連企業への投資により運用されますが、割合的には低いものの海外株への投資も行われています。

組入上位銘柄は、ソニーグループ、キーエンス、東京エレクトロンなどがあります。日本株を中心にテクノロジー分野への投資を行いたい方に適した銘柄です。

2022年1月12日時点の基準価額は20,290円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

6ヵ月 1年 3年 設定来
13.77% 30.59% 37.14% 110.64%

2-4 日本株厳選ファンド・アジア3通貨コース

純資産総額 7.37億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 日本
為替ヘッジ あり
委託会社 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
信託報酬 年率0.22%(税込)

「日本株厳選ファンド・アジア3通貨コース」はバリュー株投資を志向する銘柄で、三井住友DSアセットマネジメントが運用しています。日本国内の株式を投資対象としており、業種別では輸送用機器、機械、卸売業などが組入上位となっています。

また、日本株厳選ファンド・アジア3通貨コースでは、中国・元、インド・ルピー、インドネシア・ルピアの為替取引も行われているほか、為替取引を行わないタイプや、別の通貨を対象としたタイプを含めて計7コースが提供されています。

2022年1月12日時点の基準価額は9,808円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

6ヵ月 1年 3年 設定来
5.98% 35.05% 15.77% 233.94%

2-5 米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)

純資産総額 120.41億円
投資対象資産 その他資産
投資対象地域 北米・日本
為替ヘッジ なし
委託会社 野村アセットマネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 0.3%
信託報酬 年率1.793%(税込)

「米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は、エネルギー関連事業に投資するMLPを主な投資対象とする銘柄です。MLPとは、マスター・リミテッド・パートナーシップの略で、エネルギー関連事業の共同投資事業形態です。MLPは、事業の出資持分が米国の金融商品取引所に上場されているのが特徴です。

一方、為替ヘッジを行うAコースもあるので、米国のエネルギー分野にファンドを通じて投資してみたい方に適した銘柄です。

2022年1月12日時点の基準価額は6,527円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 6ヵ月 1年 3年
0.96% 7.83% 63.90% 8.29%

2-6 eMAXIS Neo バーチャルリアリティ

純資産総額 111.83億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 グローバル(日本を含む)
為替ヘッジ なし
委託会社 三菱UFJ国際投信株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
信託報酬 年率0.792%(税込)

「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」は三菱UFJ国際投信会社が運用するインデックス型の投信で、「S&P Kensho Virtual Reality Index」をベンチマークとしています。S&P Kensho Virtual Reality Indexは、バーチャルリアリティ関連の銘柄で構成される株価指数です。

組入上位銘柄はアメリカの半導体関連企業が中心となっているので、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)業界に投資したい方に向いた投資信託となっています。

2022年1月12日時点の基準価額は36,722円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 1年 3年 設定来
1.44% 85.44% 66.49% 288.24%

2-7 HSBC インド・インフラ株式オープン

純資産総額 82.14億円
投資対象資産 株式
投資対象地域 アジア
為替ヘッジ なし
委託会社 HSBC投信株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 0.5%
信託報酬 年率2.09%(税込)

「HSBC インド・インフラ株式オープン」は、HSBCグループが運用するファンドです。インドのインフラ関連企業を投資対象としており、インド・ルピーで運用されている点が特徴です。

組入比率では、インドの石油関連企業や、電力会社などが上位となっています。インドへの投資やインフラへの投資に関心がある方に適したファンドです。

2022年1月12日時点の基準価額10,195円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 6ヵ月 1年 3年
4.54% 17.84% 64.95% 14.65%

2-8 米国ハイイールド債券ファンド 南アフリカランドコース

純資産総額 3.71億円
投資対象資産 債券
投資対象地域 北米
為替ヘッジ なし
委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 0.3%
信託報酬 年率1.663%(税込)

「米国ハイイールド債券ファンド 南アフリカランドコース」は、アセットマネジメントOneが運用する投資信託で、アメリカのハイイールド債券に投資を行う銘柄です。ハイイールド債券とは、信用会社からの格付けが低い債券のことで、債務不履行のリスクが比較的大きい一方、利回りが高くなっています。

為替取引の通貨が選択でき、南アフリカランドの為替取引を行うこのファンドのほかにも、米ドル・豪ドル・ブラジルレアル・円の各コースが取引可能です。

2022年1月12日時点の基準価額は3,786円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 1年 3年 設定来
4.92% 11.53% 11.21% 155.60%

2-9 ワールド・リート・セレクション(米国)

純資産総額 428.98億円
投資対象資産 不動産投信
投資対象地域 北米
為替ヘッジ なし
委託会社 岡三アセットマネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 0.3%
信託報酬 年率1.65%(税込)

「ワールド・リート・セレクション(米国)」は、岡三アセットマネジメントが手がける投資信託で、米国の不動産投資信託証券への投資を行います。「1年決算型」のタイプもあり、いずれも為替ヘッジを行いません。

投資先のセクター別構成比率では、住宅・産業施設・小売りなどが上位となっています。投資信託を利用して米国リートへの投資を行いたい方に向いたファンドです。

2022年1月12日時点の基準価額は2,386円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

1ヵ月 6ヵ月 1年 設定来
7.45% 23.14% 62.83% 246.34%

2-10 UBS原油先物ファンド

純資産総額 79.12億円
投資対象資産 その他資産(商品先物)
投資対象地域 北米
為替ヘッジ なし
委託会社 UBSアセット・マネジメント株式会社
購入時手数料 なし
信託財産留保額 0.3%
信託報酬 年率1.074%(税込)

UBS原油先物ファンドは、UBSアセット・マネジメントのインデックスファンドで、UBSブルームバーグCMCI指数のWTI原油指数に連動することを目指します。WTI原油は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所に先物が上場されており、欧州のブレント原油価格、アジアのドバイ原油価格と並び、原油の3大指標となっています。

2021年は世界的な原油高を背景に高いトータルリターンを記録しました。原油高はガソリン価格や光熱費の値上げにつながる反面、このファンドを保有していると利益拡大のチャンスにもなるため、リスクヘッジの手段としても有力です。

2022年1月12日時点の基準価額は12,843円で、1年を含む各期間におけるトータルリターンは以下の通りです。

3ヵ月 6ヵ月 1年 設定来
9.31% 15.57% 80.14% 22.44%

3 トータルリターンで投資信託を選ぶ際の注意点

トータルリターンは、あくまでファンドの過去の運用成績を数値で表した結果です。そのため、どれほど高いトータルリターンの銘柄であっても、将来における利益は保証されていない点に注意が必要です。

また、トータルリターンの計算には投資信託の売買に伴うコストや、利益に対して発生する税金が考慮されていないので、実際に得られる利益がトータルリターンの通りにならない可能性もあります。

まとめ

トータルリターンは、ファンドの一定期間の成績を数値化したものであり、銘柄の選定に役立つ指標です。トータルリターンを上手く活用すれば、過去の好成績銘柄探しや、銘柄の比較にも役立ちます。

なお、各銘柄のトータルリターンは、証券会社の銘柄紹介ページや目論見書などで確認することができます。このほか、ランキングや検索機能などに対応している証券会社もあるので、トータルリターンの特徴や注意点を理解して、ファンド選びの参考にしてみましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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