ソーシャルレンディングで利回り5%と利回り10%の案件は何が違う?

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ソーシャルレンディングでは、いろいろな利回りの案件が紹介されています。しかし、この利回りの差は、どういった部分にあるのでしょうか。そこで、この記事では、

  • 利回り5%
  • 利回り10%

の案件で、一体何が違うのかをご紹介したいと思います。

この記事を読むことで、設定された利回りの理由がわかるようになります。そこから案件のリスクを読み解くことができるので、リスクヘッジにも最適でしょう。

目次

担保・保証があるか

案件によって利回りの差が出るポイントとして、案件に担保・保証が付いているかどうかが挙げられます。

担保とは、融資先の企業が、資金を返済できなかったときの保険です。ソーシャルレンディングでは、

  • 建物
  • 土地

などの不動産が、担保に設定されるケースが多くなっています。事業者は、その担保不動産を売却することで、返済資金の回収に充てます。

そして保証とは、融資先の企業に、資金を返済させるための保険です。企業へ資金を融資する際に、

  • 約束手形
  • 公正証書での契約
  • 連帯保証

などの条件を含めることで、返済の強制力を高める狙いがあります。

融資に担保・保証がつくと、基本的にその案件の利回りは低くなります。それは、担保・保証をつけることで、利回りを高く設定しなくても、投資家から資金を集めやすくなるからです。

また、投資家側も、担保・保証によって安全性が高まると、投資がしやすくなるのではないでしょうか。したがって、事業者としても、必要以上に利回りを高くする必要がなくなります。

そして、融資先の企業も、担保の提供で、資産を失うリスクを追うことになります。その代わりとして、案件の利息を抑えることが可能です。ただ、事業者が手にする仲介料は変わらないので、そのしわ寄せが投資家にやってきます。

一方、担保・保証がつかないと、利回りは高くなります。それは、利回りが高くないと、投資家は案件に旨味を感じてくれないからです。同じ利回りであれば、担保・保証が設定される案件の方へ、人気が集まります。よって、担保・保証がつかない案件は、利回りが高くなる傾向があります。

融資先が国内か海外か

融資先の企業が、

  • 国内か
  • 海外か

どうかで、案件の利回りに差が出やすいです。

融資先が国内企業の場合、リスクが想定しやすく、海外よりも不測の事態に見舞われる可能性が少なくて済みます。

投資家にとって、事情がある程度把握できている国内への投資は、海外への投資に比べてハードルが高くありません。よって、事業者は資金を集めやすく、利回りを低くしてもファンドを組成することができます。

一方、融資先が海外企業の場合は、経済的に不安定なケースやハリケーンや洪水などの自然災害リスク、クーデターなどの政治的なリスクなど様々なリスクが起こりえます。とくに新興国の場合は、経済危機によって、資金が返済できなくなることも珍しくありません。よって、そのリスクを背負う代わりに、利回りは10%以上と高めに設定されやすいです。

そして、海外企業の側も、高い利息を負担してでも、資金融資を受ける価値があると考えています。つまり、利回りが高くても、海外企業はそのビジネスに旨味を感じているのです。

投資期間が短期か長期か

投資期間が、

  • 短期か
  • 長期か

どうかでも、案件の利回りに差が出ます。

投資期間が長期であればあるほど、融資先の企業に事業トラブルが起こる可能性は高くなります。極端な例を出すと、お金を貸すのが1日だけであれば、お金が返ってくる確率は非常に高くなります。1日で貸した時点よりも会社の経営が大幅に悪化し、お金が返せなくなるケースは少ないためです。

しかし、お金を貸すのが10年間としたら、その間でどれほどの波が訪れるでしょうか。そもそも、10年間生き残る企業自体がほとんどありません。つまり、お金を貸す期間が長いほど、お金が戻ってこないリスクは高くなるのです。

このことは、ソーシャルレンディングにも当てはまります。融資期間が短期であれば、

  • 貸し倒れ
  • 返済遅延

のリスクは下がります。よって、利回りを高めに設定しなくても、資金は集まりやすいでしょう。

一方、融資期間が長期の案件では、貸し倒れや返済遅延のリスクが高まります。したがって、利回りを高くしなければ、資金は集まりづらくなる傾向があるでしょう。

元本や利息がどのように分配されるか

元本や利息の分配方法によっても、案件の利回りに差が出やすくなります。分配方法は、具体的に

  • 元本一括返済
  • 元利均等返済
  • 元利一括返済

の3パターンにわかれます。

この中で、元利一括返済は利回りが高く、元利均等返済は利回りが低く設定されます。その理由を、各分配方法の説明と一緒に見ていきましょう。

元本一括返済

元本一括返済とは、投資した資金(元本)が、融資期間の完了後にすべて戻る返済方法です。その間に発生した利息は、毎月(定期的)に分配されます。現在は、この元本一括返済を採用する案件がもっとも多くあります。

元本一括返済のメリットとしては、利回りが最後まで下がりません。それは、企業へ貸している元本の額が最後まで減らないからです。一方、デメリットは、貸し倒れが起きた際に、元本が全額返ってこないリスクがあることです。

元利均等返済

元利均等返済とは、

  • 投資した資金(元本)
  • 毎月発生する利息

が毎月均等に分配される返済方法です。

元利均等返済のメリットとしては、万が一貸し倒れが起きたとしても、元本のすべてを失う心配がありません。それは、元本の一定額が毎月返済されるからです。一方、デメリットは、元本が毎月減る影響で、投資家が得られる利回りも下がり続けることが挙げられます。

元利一括返済

元利一括返済とは、元本と利息が運用期間の最後に、まとめて分配される返済方法です。

元利一括返済のメリットは、投資パフォーマンスが高いことです。それは、運用中に生まれた利息(投資家の利益)を、融資先企業が同じ案件内の別事業へ投資し直してくれるからです。そのようにすることで、投資家は利益の再投資を行う手間と時間が省けます。

よって、元利一括返済の案件は、融資先企業による再投資を見越して、利回りが高く設定されやすくなっています。反対に、元利均等返済の場合は、投資家が得られる利息が減り続けるため、利回りが低めに設定される傾向があります。

なお、元利一括返済のデメリットは、元本と利息が最後まで1円も分配されないことです。そのため、万が一貸倒れが起きた場合に、利息を含めたすべての資金を失う可能性があります。

なお、分配方法は案件の詳細ページに記載されています。投資先を選ぶ際は、一度チェックしてみましょう。

まとめ

以上、ソーシャルレンディングで利回り5%と10%の案件で、一体何が違うのかをご紹介しました。

おさらいすると、

  • 担保・保証があるか
  • 融資先が国内か海外か
  • 投資期間が短期か長期か
  • 元本や利息がどのように分配されるか

によって、案件の利回りに差が生じやすいとご説明しました。

利回りの数字から案件のリスク度合いを読み解き、ぜひリスクヘッジに活かしてみてください。

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石村淳

ローリスクでの資産運用を目指すフリーライター。ソーシャルレンディングや仮想通貨などで、少しずつ資産を増やしています。HEDGE GUIDEではソーシャルレンディング記事が担当です。読者の方の疑問が残らないように、わかりやすく読みやすい文章を心がけています。