CFD取引のメリット・デメリットは?取引の注意点や証券会社4社も紹介

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CFDは「Contract For Difference」の頭文字で、本来は発生した損益のみを決済する契約形式を指します。一方で、日本においては多くの場合、市場指数や為替などを参照して価格が動くデリバティブ取引を意味しています。

証券会社を通じて個人投資家でも容易に取引ができる一方で、市場環境や投資の仕方によっては相対的にリスクが高くなる可能性もあるので、チャレンジする際には注意しましょう。

今回はCFD取引の基本やメリット・デメリット、そしてCFDを扱う証券会社を4社紹介します。

目次

  1. CFD取引の基本
    1-1.取引所CFDと店頭CFDがある
  2. CFD取引のメリット
    2-1.レバレッジ効果により少ない金額で大きな規模の取引ができる
    2-2.買い・売りの双方から投資ができる
    2-3.ほぼ24時間、取引が可能
    2-4.個人では現物投資しづらい資産にも投資ができる
  3. CFD取引のデメリット
    3-1.レバレッジを高めるとハイリスクな取引となる可能性も
    3-2.元本以上の損失を生むリスクがある
    3-3.情報収集がしづらい銘柄もある
    3-4.売買スプレッドが一定でない場合投資のコストがわかりづらい
  4. CFD取引をおこなうときの注意点
    4-1.長期投資をするときには特に注意
    4-2.ロスカットの制度を理解しておく
    4-3.CFD取引で獲得した収益は「雑所得」になる
  5. CFD取引ができる証券会社4社を紹介
    5-1.IG証券
    5-2.GMOクリック証券
    5-3.楽天証券
    5-4.サクソバンク証券
  6. まとめ

1 CFD取引の基本

CFD取引は、日本語で言うと「差金決済」という取引方法に該当します。これは、特定の商品について現物の売買を行わずに、市場価格等の値動きによって発生した損益の部分だけを決済する取引手法です。

証券会社では、特定の資産や指数に対する価格に連動したデリバティブ商品をCFD取引で売買ができます。株式指数や金や原油などのコモディティ、個別株といったさまざまな資産と連動する商品へ投資が可能です。

なお、FX(外国為替証拠金取引)は為替の値動きと連動するCFD取引のひとつです。差金決済で取引をすることにより、参照先の資産額より少ない金額を「証拠金」として差し入れて売買ができます。

たとえば、株式を現物で100万円分売買するなら、(取引手数料を除くと)100万円を用意する必要があります。一方でCFDなら、およそ20万円を証拠金として預けて株に連動するデリバティブを100万円分相当のポジション量で売買可能です。

CFDにおいては投資しているポジションの規模と、投資元本に当たる預け入れた証拠金の倍率を「レバレッジ」と呼びます。

1-1 取引所CFDと店頭CFDがある

CFD取引には、取引所CFDと店頭CFDの2種類があります。取引所CFDでは、複数のマーケットメイカーが提示する価格のなかで、基本的に最も有利な価格で取引されます。日本では「くりっく株365」が取引所CFDにあたり、「株」とついていますが、株の指数以外のCFD取引も可能です。

店頭CFDは、口座がある証券会社との個別の相対取引によって売買します。すなわち、店頭CFDで提示される売値・買値は、各証券会社が独自に設定・提示しているものです。

2 CFD取引のメリット

CFD取引には、次のようなメリットがあります。

  • レバレッジ効果により少ない金額で大きな規模の取引ができる
  • 買い・売りの双方から投資ができる
  • 平日は24時間何かしらの資産が取引できる
  • 個人では投資しづらい資産にも投資ができる

2-1 レバレッジ効果により少ない金額で大きな規模の取引ができる

レバレッジ効果により、少額から大きな金額で取引できるのがCFD取引の特徴です。市場が自分のポジションに対して追い風の方向に動けば、投資元本対比で見たときに大きな利益を得られる可能性もあります。

なお、レバレッジは無限に高められるわけではなく、次のように上限が決まっています。たとえば株式指数CFDの10倍で100万円を証拠金として差し入れた場合、目安として最大で1,000万円のポジションを持てる計算です。

CFDの種類 最大レバレッジ
株価指数 10倍
個別株 5倍
債券 50倍
FX 25倍

(※参照:金融庁「平成21年金融商品取引法改正等に係る政令・内閣府令の概要」)

なお、法令の範囲内で証券会社が独自のレバレッジ規制を設定している場合もあります。

2-2 買い・売りの双方から投資ができる

買い・売りの双方でポジションを取って投資ができるのもCFDの特徴です。

たとえば現物の株式投資の場合、株価上昇によって値上がり益が期待できますが、下落時には損失を引き起こす可能性があります。同様に、日本円から外貨預金を行う場合も、円安なら資産増加が期待できますが、円高の時にはやはり損失リスクがあります。

CFDであれば、現物の投資では収益を狙いづらい価格下落・円高といった局面を狙った投資が可能です。株式なら売り(ショート)のポジションを取れば、株価が下がるほど収益のチャンスが広がります。例えばFXなら、外国通貨を円に対してショートすれば、円高局面で収益獲得が可能です。

このように、現物投資では収益化が難しいタイミングを狙って投資できるのが特徴のひとつです。

2-3 ほぼ24時間・祝日も取引が可能

CFDは、参照する原資産の取引時間の影響を受けるため、銘柄によって取引可能な時間がさまざまです。そのため、ほぼ24時間・祝日も取引が可能です。

たとえば日本の現物株は、証券会社が独自のサービスを提供しているなどしていない限り、取引できるのは平日の9時〜15時の間ですが、CFDは、平日日中が忙しい方でも相対的に夜間や早朝に取引がしやすい投資と言えます。

2-4 個人では現物投資しづらい資産にも投資ができる

CFDには、個人投資家が現物投資しづらい資産を参照する銘柄も多数あります。たとえば原油や農産物、銀などのコモディティ価格を参照する資産があります。

個人投資家では現物売買による投資が難しい資産も少なくありません。CFD取引を活用することにより、現物投資よりも幅広い資産への投資が可能です。

3 CFD取引のデメリット

CFD取引のデメリットには、次のような点があります。

  • レバレッジを高めるとハイリスクな取引となる可能性も
  • 元本以上の損失を生むリスクがある
  • 情報収集がしづらい銘柄もある
  • 売買スプレッドが一定ではない場合も

3-1 レバレッジを高めるとハイリスクな取引となる可能性も

CFD取引では、レバレッジを高めるとハイリスクな取引となります。レバレッジが高くなるほど差し入れた証拠金に対する損益の変動幅が大きくなります。

レバレッジの水準は差し入れる証拠金の額と、保有しているポジションの額から算出されます。リスクを抑えたい方は、証拠金見合いで過度に大きなポジションを持たないように注意しましょう。

3-2 元本以上の損失を生むリスクがある

CFDは状況によって差し入れた元本以上の損失を引き起こすリスクがあります。たとえば現物の株式投資の場合、倒産などによって株が無価値化するリスクはあっても、当初の投資元本以上の損失が発生することは基本的にありません。

しかし、CFDは値動きによるポジションの損失額が差し入れている証拠金を上回ると、証拠金が枯渇してなおかつ資金の差し入れを求められるリスクがあります。この場合、追加で差し入れた資金の分だけ、当初の投資額を上回る損失が発生しています。

3-3 情報収集がしづらい銘柄もある

CFDを活用すると、現物では保有できない資産への投資も可能な半面、情報収集が難しい場合もあります。日本や米国の株、金や原油など相対的に知名度の高い資産なら情報収集は容易でしょう。

一方で、新興国株や農産物など取引参加者が相対的に限られる資産は、公開されている情報も限られています。投資先を検討するときには、情報収集のしやすさも加味するのが一つの考え方です。

3-4 売買スプレッドが一定でない場合投資のコストがわかりづらい

CFD取引では、見かけ上の売買手数料が無料の場合もありますが、売り・買いのレートに差があり、それが実質的なコストとなっています。

この売り・買いのレート差を「スプレッド」といいます。CFD取引では、スプレッドの格差が市場環境や取引参加者の多さなどさまざまな要因を背景に変動するケースが少なくありません。そのため、手数料が決められている資産と比べると投資コストが見えづらいのが難点です。

4 CFD取引をおこなうときの注意点

CFD取引にチャレンジするときには、次の点に注意して取引しましょう。

  • 長期投資をするときには特に注意
  • ロスカットの制度を理解しておく
  • 税制度にも注意が必要

相対的にハイリスクな投資方法ですが、注意点を理解して活用していきましょう。

4-1 長期投資をするときには特に注意

CFDはレバレッジを高くすると損益のブレが大きくなるため、長期投資するのは難易度の高い投資先と言えます。CFDの対象資産へ長期投資したい場合は、元手となる投資資金を潤沢に用意しておく、レバレッジを極力抑えるなどの対策を施しましょう。

また、リスクが相対的に低い資産を参照するCFD取引を活用するのも一つの方法です。市場環境にもよるため一概には言えませんが、たとえば株やコモディティよりも債券の方が値動きは緩やかな傾向があります。

4-2 ロスカットの制度を理解しておく

多くのCFD取引業者にはロスカットという仕組みが導入されています。取引する際にはロスカットの仕組みを理解して、証拠金やポジション管理に留意しましょう。

ロスカットとは、投資家のポジションの含み損が拡大して各社が規定する証拠金維持率を下回ると、強制的に反対売買して損切りする仕組みです。ちなみに証拠金維持率とは、いま持っているポジションを維持するために必要な証拠金の金額と、実際の証拠金額の割合です。

ロスカットは、投資家の過度な損失を守る仕組みのため、一概に「デメリット」とは言えません。しかし、証拠金が少ない状態でポジションを構築したり、大きな損失を放置したりすると、強制的に損切りされるリスクがあります。

利用する証券会社のロスカットのルールを理解して、ポジション量や差し入れる証拠金の量をコントロールしましょう。

4-3 CFD取引で獲得した収益は「雑所得」になる

CFD取引で獲得した収益は「雑所得」に該当し、申告分離課税の対象です。CFD取引をはじめ「先物取引に係る雑所得等」の年間収益が20万円を超えると、確定申告が必要になります。確定申告の有無はCFD取引以外から得た所得などにも影響を受けるので、税理士や税務署に相談のうえ、適切に対応してください。

投資信託や株などの売買益・分配金や配当金とは所得項目が異なるため、損益通算はできません。一方で「先物取引に係る雑所得等」の中では損益通算が可能です。また、同枠組の中では繰越控除もできます。

過去3年以内に先物やCFDなどで損失を出した場合で、今年収益を獲得した場合は、繰越控除により支払い税額を抑えられる可能性があります。

※参照:国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例

5 CFD取引ができる証券会社4社を紹介

CFD取引ができる証券会社としては、たとえば次のような会社があります。

  • IG証券
  • GMOクリック証券
  • 楽天証券
  • サクソバンク証券

5-1 IG証券

銘柄数 17,000銘柄以上
レバレッジ ~50倍
主な参照資産 ・FX
・株価指数
・コモディティ
・債券先物
・ETF
取引手数料 無料

IG証券は約17,000銘柄ものさまざまな金融商品を扱っている証券会社です。CFDではFXや株式、コモディティや債券先物など幅広い資産に連動する商品があります。参照先が相対的に低リスクな傾向にある債券先物では、最大50倍までレバレッジを高めることが可能です。

1974年にロンドンで設立された企業で、金融サービスプロバイダーとして45年超の歴史があります。世界中で31万人以上が利用している証券会社です。Webブラウザ上の取引に加えて、アプリツールも利用可能で、日中の外出先からでも手軽に取引ができます。

5-2 GMOクリック証券

銘柄数 150銘柄以上
レバレッジ ~20倍(FXは~25倍)
主な参照資産 ・FX
・株価指数
・コモディティ
・ETF
取引手数料 無料

GMOクリック証券は、FXや株価指数、コモディティやETFなどさまざまな資産に連動するCFD取引が可能です。ハイレバレッジ型呼ばれる、参照先指数の数倍の値動きを目指す資産のCFDも複数取扱があります。

また、相対的に少額から取引できる「ミニCFD」という取引方法があるのが特徴のひとつです。具体的な金額は資産によりますが、2024年3月4日時点では200円程度の少額からCFD取引ができます。

初心者は少額から始めてリスクを抑えながら少しずつ慣れていくのも取り組み方の一つの選択肢といえるでしょう。

5-3 楽天証券

楽天証券
銘柄数 40銘柄以上
レバレッジ ~20倍(FXは~25倍)
主な参照資産 ・FX
・株価指数
・コモディティ
取引手数料 無料

投資信託や株など多様な有価証券売買を取り扱っている楽天証券も、CFD取引が可能です。多様な資産とおなじ証券会社でCFD取引も一元管理できるのが特徴の一つといえるでしょう。取扱銘柄は株価指数に連動する商品と、コモディティが中心となっています。

スマホ向けアプリとしてiSPEED、PCブラウザ向け取引ツールとしてマーケットスピード IIをリリースしており、スマホからでも、PC経由でもツールやアプリを活用して快適に取引できます。また、グループ会社の楽天証券経済研究所からレポートなどの市場関連情報を入手できるのも特徴です。

5-4 サクソバンク証券

銘柄数 CFD8,800銘柄以上
FX150通貨ペア以上
レバレッジ ~5倍(FXは~25倍)
主な参照資産 ・FX
・株価指数
・個別株
・コモディティ
・ETF
取引手数料 無料~0.3%
そのほか最低取引手数料あり

サクソバンク証券は、デンマークに本拠地を構えるサクソバンクA/Sのグループ企業です。世界に世界180ヵ国85万人に利用されています。2024年3月4日時点でCFD8,000銘柄以上、FX150通貨ペア以上の取引が可能な証券会社です。

日本株や海外株といった個別株に連動するCFD取引も可能です。レバレッジの上限が5倍に制限されているため、不用意にレバレッジが高くなってしまうのが不安な方は、サクソバンク証券を利用するのも一つの考え方といえるでしょう。

PC、Mac、タブレット、またはスマートフォン、お好みのデバイスからアクセス可能なSaxoTraderGOと、より上級者向けのSaxoTraderPROという二つの取引ツールを利用できます。

6 まとめ

CFDは本来は差金決済のことですが、しばしば特定の指数や資産に連動するデリバティブ取引を意味します。証拠金を差し入れることにより、元本より大きな規模での売買ができるのが特徴です。

コモディティや外国の株式指数など、個人投資家が現物投資しづらい資産への投資ができます。一方で、レバレッジを高くするとハイリスク・ハイリターンな投資となる点には注意しましょう。

初心者の方であれば、まずはレバレッジをおさえて取引をするのも一つの方法です。今回紹介した会社をはじめ、さまざまな証券会社でCFD取引が可能ですが、証券会社によって取引ツールやレバレッジ上限にも違いがあります。迷う場合にはいくつか口座を作ってみて自分に合う取引方法を検討されてみると良いでしょう。

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伊藤 圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。