アクティブファンドの選び方は?コスト・リターンの比較や具体的な銘柄も

日経平均株価などの指数以上の運用成果を目指すアクティブファンドは、ハイリターンを狙える海外株式中心のタイプから、国内株式や債券等の複数資産で構成されるバランス型など種類が豊富なので、どれを選べばいいのかわからないという方もいるでしょう。

そこでこの記事では、アクティブファンドの選び方で悩んでいる方のために、アクティブファンドの特徴や手数料などのコスト、購入する際の注意点、具体的な銘柄などについて詳しくご紹介するので、ご参考ください。

目次

  1. アクティブファンドとは
    1-1.指数以上のリターンが狙える
    1-2.下落相場に対応できる
    1-3.ファンドの種類が豊富
  2. アクティブファンドを購入する際の注意点
    2-1.運用コストと実績
    2-2.パフォーマンスが指数以下になる可能性
  3. アクティブファンドの具体的な銘柄は?
    3-1.企業価値成長小型株ファンド
    3-2.東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
    3-3.ミュータント
    3-4.GSテクノロジー株式ファンド Bコース
    3-5.米国NASDAQオープンBコース
    3-6.アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
    3-7.東京海上セレクション・バランス70
    3-8.楽天みらいファンド
    3-9.投資のソムリエ
    3-10.グローバル・フィンテック株式ファンド
  4. まとめ

1 アクティブファンドとは

アクティブファンドは、TOPIX(東証1部銘柄の株価指数)や日経平均株価などの指数を上回る成果を目的に運用されるファンドのことです。通常、指数の動きに合わせて運用するインデックスファンド以外の商品はアクティブファンドと呼ばれています。

アクティブファンドの具体的な特徴を見ていきましょう。

1-1 指数以上のリターンが狙える

アクティブファンドは指数以上のリターンを目指すほか、インデックスファンドに比べて運用の自由度が高いのも特徴です。大きなリスクを取って大きなリターンを目指したり、逆に下落相場の時にはリスク回避へ大きく動いたりするなどの柔軟な運用が可能です。

運用次第ではインデックスファンド以上の大きな成果を期待できるものの、経済状況や金融市場などをより丁寧に調査・分析する必要があるので、コストが高くなりやすいというデメリットもあります。

1-2 下落相場に対応できる

指数通りの動きをするように設計されたインデックスファンドは、相場の下降局面においては指数と同じように下落するのが特徴です。

一方、アクティブファンドの場合、下落相場ではリスク回避を行うのでリターン減少の緩和を期待することができます。ファンドマネージャーの腕によるものの、相場の乱高下に柔軟に対応できるアクティブファンドもあるので、しっかり検討を行うことで相場下落時のリスクを抑えた運用も可能になります。

1-3 ファンドの種類が豊富

販売されている投資信託の多くはアクティブファンドなので、投資家のニーズに合わせた様々なタイプが販売されています。

例えば、割安銘柄を対象とするバリュー投資型、成長企業などを対象とするグロース投資、資産の複合型であるバランス型、人気のAIやフィンテックの分野に特化したテーマ型、分配金を毎月出す毎月分配型投信など、アクティブファンドの種類は豊富です。

3 アクティブファンドを購入する際の注意点

アクティブファンドにもデメリットがあるため、購入する際は下記のような点に注意する必要があります。

2-1 運用コスト

アクティブファンドは運用の自由度が高いぶん、市場の状況などを監視して丁寧に分析する作業を伴うため運用コストも膨らむ傾向にあります。例えば、インデックスファンドの信託報酬(運用コスト)の年率が0.5%前後程度であるのに対し、アクティブファンドは1%~2%程度です。より大きなリターンを目指すアクティブファンドでは、質の高い多くの情報を集め分析するため、コストも高めとなります。

アクティブファンド購入の際は、運用コストに対するパフォーマンスにも注意を払う必要はあります。運用コストが低いのは確かにメリットですが、多少高くてもパフォーマンスが見込めるファンドを選ぶことも大切です。

2-2 パフォーマンスが指数以下になる可能性

アクティブファンドの運用コストは高めで、運用成果もファンドマネージャーの能力に左右されるため、基準価額や分配金などのリターンも大きく影響を受けます。そのため、全てのアクティブファンドで指数以上のパフォーマンスが得られるわけではなく、特に計測期間などによっては、インデックスファンドのリターンがアクティブファンドを上回る場合もあります。

3 アクティブファンドの具体的な銘柄は?

以下では、資金流入額が多いアクティブファンドや直近のリターンが大きいアクティブファンドをご紹介します。(なお、本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の企業・商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します)。

まずは、国内株式を対象とするアクティブファンドを3つご紹介します。なお、以下の情報は2020年8月2日時点によるものです。

2-1 企業価値成長小型株ファンド

運用会社 アセットマネジメントOne
信託報酬 1.595%
純資産総額 214億円
リターン(3年・年率) +26.40%
主な取扱金融機関 SBI証券auカブコム証券松井証券マネックス証券楽天証券ジャパンネット銀行など

企業価値成長小型株ファンドは、主に「企業価値成長小型株マザーファンド」を介して、国内の小型株へ投資しています。対象市場は東証第一部・第二部、ジャスダック、東証マザーズなどです。銘柄選定では企業の将来のROE水準やその向上などが判断材料になっています。

2-2 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン

運用会社 東京海上アセットマネジメント
信託報酬 1.584%
純資産総額 455億円
リターン(3年・年率) +21.06%
主な取扱金融機関 SBI証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券、LINE証券三菱UFJ銀行など

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは、主に「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式マザーファンド」を介して、国内取引所の上場株式の中で経営者が実質的に主要な株主となっている企業へ投資しています。

銘柄選定で経営者のリーダーシップに対する定性分析の結果を重視ししつつ、企業の成長性・収益性に比較して割安感のある銘柄を対象としているのが主な特徴です。

2-3 ミュータント

運用会社 日興アセットマネジメント
信託報酬 1.98%
純資産総額 119億円
リターン(3年・年率) +7.95%
主な取扱金融機関 SMBC日興証券、SBI証券、auカブコム証券、岡三オンライン、マネックス証券、楽天証券など

ミュータントは、中長期的なグローバルトレンドやファンダメンタルズ分析(経済指標や経営指標などによる分析)などに基づき、将来性のある企業を厳選して投資しています。

このファンドは国内株式を中心に投資しますが、純資産総額の30%を上限に有望な外国株式への投資も想定されているのが特徴です。2020年6月末時点でみた1カ月間の資金流入(購入)は+5.96億円と増加、直近1年のリターンも+30.29%となっています。

次に、先進国株式とグローバル株式を対象とするアクティブファンドを3つご紹介します。

2-4 GSテクノロジー株式ファンド Bコース

運用会社 ゴールドマンサックスアセットマネジメント
信託報酬 2.09%
純資産総額 5,074億円
リターン(3年・年率) +20.38%
主な取扱金融機関 SMBC日興証券、SBI証券、auカブコム証券、岡三オンライン、マネックス証券、楽天証券、野村證券など

GSテクノロジー株式ファンド(Bコース)は、「netWINテクノロジー株式マザーファンド」を介して、テクノロジーの発展が自社の成長要因となるような米国企業の株式へ投資します。

メディア、テレコミュニケーション、テクノロジー、サービス等のセクターが主な投資分野でインフラ、コンテンツ、サービスなどを提供する企業などが対象です(原則、対円での為替ヘッジなし)。

信託報酬は2%超と高めですが、純資産総額が5千億円超と大きく、直近3年のリターンは約20%となっています。

2-5 米国NASDAQオープンBコース

運用会社 野村アセットマネジメント
信託報酬 1.694%
純資産総額 124億円
リターン(3年・年率) +19.79%
主な取扱金融機関 野村證券、SMBC日興証券、SBI証券、auカブコム証券、楽天証券など

米国NASDAQオープンBコースは、「米国NASDAQオープンマザーファンド」を介して、実質的にNasdaq市場の株式へ投資します。銘柄選定は、企業の収益性、成長性、安定性等を総合的に分析・評価して実施されます。

このファンドのベンチマークはNasdaq総合指数(円換算ベース)で、組入資産の為替ヘッジ(為替変動リスクの回避行為)は原則的に実施されません。なお、同ファンドの信託報酬は平均水準ですが、リターンは同類の中で上位にあります。

2-6 アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型

運用会社 アライアンス・バーンスタイン
信託報酬 1.727%
純資産総額 5,202億円
リターン(3年・年率) +16.96%
主な取扱金融機関 SMBC日興証券、SBI証券、auカブコム証券、楽天証券、大和証券など

A・バーンスタイン米国成長株投信Dコースは、「アライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンド」を介して、主に成長可能性の高い米国株式へ投資します。

企業のファンダメンタルズ分析と株価バリュエーション(株価に関連した企業価値評価)に基づく銘柄選定を前提としたアクティブ運用が同ファンドの特徴です。

なお、同ファンドのベンチマークは、S&P500株価指数(配当金込み)で、原則的に為替ヘッジは行われません。

次に、複数の資産を投資対象とするバランス型のアクティブファンドを3つご紹介します。

2-7 東京海上セレクション・バランス70

運用会社 東京海上アセットマネジメント
信託報酬 1.441%
純資産総額 171億円
リターン(3年・年率) +5.41%
主な取扱金融機関 現時点ではなし

東京海上セレクション・バランス70は、主に国内株式、国内債券、外国株式、外国債券などの複数資産のマザーファンドおよび短期金融資産に対して分散投資します。

資産配分は、日本株式50%、日本債券10%、外国株式20%、外国債券17%、短期金融資産3%を基準として、原則的に±5%の範囲内で変動幅が抑制されるのが特徴です。

バランス型の中では純資産総額が171億円と多く、リターンについては3年のみならず1年でも+9.31%と高く、同類のトップクラスにあります。

2-8 楽天みらいファンド

運用会社 楽天投信投資顧問
信託報酬 0.37%
純資産総額 18億円
リターン(3年・年率) +5.86%
主な取扱金融機関 楽天証券、auカブコム証券、SMBC日興証券、SBI証券など

楽天みらいファンドは、「楽天みらい・マザーファンド」を介して、先進主要国と新興国の株式、高利回りの社債や新興国債券へ分散投資します。

イベントリスク(災害、テロ、企業買収等のリスク)の対応が特徴の1つで、投資資産が下落する場合にリスク回避し、資産や運用戦略への配分が行われます。ほかには長期保有に伴うリスクの抑制や、先進国為替に対するヘッジの実施、信託報酬が0.37%と低い点などが特徴です。

2-9 投資のソムリエ

運用会社 アセットマネジメントOne
信託報酬 1.54%
純資産総額 2,368億円
リターン(3年・年率) +3.50%
主な取扱金融機関 岡三オンライン、松井証券、マネックス証券、楽天証券、auカブコム証券、SBI証券など

投資のソムリエは、複数のマザーファンドを介して、主要な国内外の公社債、株式、リートを対象に投資します。資産配分の比率は適宜変更され、投資環境に対応した弾力的な対円での為替ヘッジが実施される点も特徴です。

なお、リターンについてバランス型の中ではあまり大きくないものの、資産規模が2千億円以上と大きく、1カ月における資金流入は+161億円と人気を集めています。

また、投資環境の変化を迅速に把握し、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑制できるよう、基準価額の上昇を目標に運用されています。

2-10 グローバル・フィンテック株式ファンド

運用会社 日興アセットマネジメント
信託報酬 1.925%
純資産総額 1,965億円
リターン(3年・年率) +24.23%
主な取扱金融機関 SMBC日興証券、岡三オンライン、松井証券、マネックス証券、楽天証券、auカブコム証券、SBI証券、三井住友銀行など

グローバル・フィンテック株式ファンドは、主に「グローバル・フィンテック株式マザーファンド」を介して、今後の成長が見込まれるフィンテック(ITを活用した新たな金融サービス)関連企業の株式へ国内外から選んで投資します(原則、為替ヘッジなし)。

個別銘柄の選定では、米国のアーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー(アーク社)からの助言に基づきポートフォリオが構築されます。

まとめ

アクティブファンドにはインデックスファンド以上のリターンが期待できるものの、運用コストが高くなる特徴があります。ただし、実際にはアクティブファンドの成果がインデックスファンドを上回らないケースもあるので、ファンドを選ぶ際は目論見書などを確認し、高めのコストでも実績のあるファンドを検討することが重要です。

アクティブファンドでは、投資家のニーズに合わせた様々なタイプが販売されているので、各ファンドの特徴をしっかりと確認し、ご自身の投資方針や資産状況にあった商品を選ぶようにしましょう。

The following two tabs change content below.
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

HEDGE GUIDE 投資信託は、投資信託に関する国内外の最新ニュース、必要な基礎知識、投資信託選びのポイント、つみたてNISAやiDeCoなどの制度活用法、証券会社の選び方、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」