株式会社SBI証券と「スマート家族信託」などを運営するトリニティ・テクノロジー株式会社は8月29日、家族信託相続分野での業務提携契約を締結したと発表した。「家族信託」は、家族間で自由に信託契約を締結し、親世代が健康なときに資産の管理権を子世代に移転することで資産凍結リスクを回避し、さらに相続後の遺産分割までを担うことができる仕組みで、一般社団法人家族信託普及協会の登録商標。
トリニティ・テクノロジー社は相続手続き「スマホde相続」の運営などを手掛け、家族信託だけでなく相続・承継・不動産などの周辺サービスまでワンストップで提供している。提携により、SBI証券は従来の金融サービスに加え、相続・資産承継領域のサービスを強化、オーダーメイドのコンサルティングを提供していく。
超高齢化社会で危惧される社会課題の一つが、認知症による資産凍結だ。認知症患者の数が大幅に増加しており、2030年には国民総資産の約10%(約200兆円)が認知症患者によって保有されると推計されている。両社も認知症による資産凍結は「資産の流動性を著しく棄損することに繋がる」という懸念を共有、「家族信託はその課題解決の有力な仕組みのひとつであり、今後ますます需要が高まると見込まれている」と提携の背景を説明する。
トリニティ社は、880万超の証券口座を持つSBI証券と信託・相続領域で提携することにより、認知症による資産凍結に不安を抱える顧客へのスマート家族信託、相続手続きに関するペインを解決するための「スマホde相続」などのサービスを本格的な全国展開を図る。また、SBIグループのネットワークを通じて今後もさらに提携金融機関を増やし、全国各地域に点在する課題を地域の金融機関とともに解決できるよう、地方銀行・信用金庫などとの提携も進めていく方針。
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