2022年に投資家が考えるべきポイントは?ナティクシスIMソリューションズが展望

今年もあと1ヶ月。新型コロナウイルスの変異株やエネルギー高騰など、世界経済の不安要因は、年内には解決しそうにない。投資家は金融市場の何に注目し、どう行動すべきだろうか。ナティクシスインベストメント・マネージャーズ・ソリューションズは12月3日、ポートフォリオ・マネジャー兼リード・ポートフォリオ・ストラテジストのジャック・ジャナスウィックス氏とポートフォリオ・ストラテジストのギャレット・メルソン氏の「2022年の展望 投資家は何を考えればいいのか?」を公表した。

「約2年前に起きた初期のコロナショックから世界経済が正常化していく中で、22年は不確実性と変化に満ちながらも、経済は堅調な成長を続け、『心配の壁』を越えるほど、市場を後押しする可能性が高い」と両者は提起する。毎四半期、複数の大手企業が期待を裏切った一方、経済は予想を上回って成長したのがその根拠。「これらの好調な業績に伴い、強力な業績予想が発表され、サプライチェーンの混乱もピークに達した。投資家は、パンデミックを通じたコストの管理と最適化による営業レバレッジの効果を過小評価しているため、今後1年間は同じことが繰り返される」と予想している。

22年はインフレや政策の引き締め、新たな変異株トやバリュエーションの肥大化など、心配すべきテーマには事欠かないが、「『心配の壁』を乗り越えるためのきっかけは引き続き作られている。緩和的な政策・金融環境が続く一方で、民間部門が力強い成長を遂げ、収益の上振れとバリュエーションの裏付けが得られれば、今年も株式市場が二桁台の上昇を続け、月日が進むにつれ上昇していくことは難しくない」と両者は言う。

多くの投資家が引き続き「財政の崖」を懸念しているが、成長エンジンが公共部門から民間部門に推移するにつれて、財政刺激策の効果は22年にも続く見通し。消費者のバランスシートはかつてないほど強固で、コロナ危機を通じて2.7兆ドルを超える過剰貯蓄が蓄積されており、再借入れを行う余地も十分にある。企業も同様に手元資金が潤沢で、資金の活用手段を模索中。企業は設備投資を増やす意向を示しており、すでに多くが実施されている。どちらの場合も、現金の多くは、消費を通じた利益の増加につながるか、貯蓄や自社株買いを通じたPERの上昇をもたらす。「株式市場にとっては好都合」というわけだ。

同社は今年、経済成長がコロナ危機前の水準に急速に戻る可能性は低いと強調してきた。サプライチェーンのボトルネックと労働力不足により、年内の成長のピークは抑えられてしまったが、「成長は22年に持ち越される可能性が高い」と同社。社会が、ピークの抑制と引き換えに、より長期に及ぶ高水準の成長を手に入れたというのが理由。また、インフレについては「激しい論争に紛れて、旺盛な需要が価格上昇をもたらしており、真の経済成長の姿が見えなくなっている」と指摘する。

このような状況下で、22年に取るべきポジションは、現状と大差ない。株式をオーバーウェイトとし、米国株を優先し、テクニカルセクターとシクリカルセクターにバーベル型に投資することだ。同社は、21年の大半を通じて低迷を続けた小型株は年末から22年初頭にかけての株式市場の上昇から恩恵を受けると見通しており、「小型株への配分は一時的」と見なしている。

ただし、債券については22年も厳しい状況が続くと予想。堅調な企業収益と世界経済の回復が続いていることから、年初の金融政策は非常に緩和的なものとなり、金利が上昇するのは難しくない。このような背景に加え、歴史的に見ても低い利回りとタイトなスプレッドを考慮すると「債券が魅力のないものになるのは容易に想像できる」と同社。

さらに、債券市場のデュレーションは拡大を続けており、収入を得るためにリスクを増やすごとに報酬が減っていくという逆風が吹いている。 また、債券市場には緩衝材がないため、リスクフリーレートが上昇しても、それを吸収するためのスプレッド圧縮の機会が少ないという逆風も吹く。

では、どうすればいいのか。米国債は依然として伝統的な株式リスクの相殺を提供している。さらに「22年のどこかの時点で、金利の上昇が株式市場を揺るがすきっかけとなる可能性がある」とコメントは提起する。スプレッドが縮小する余地はほとんどなく、リスクオフのシナリオでは拡大する可能性が高いため、投資適格債はさらに困難になりそうだ。

経済的背景に加え、デフォルトの可能性が限定的であることから、デュレーションの要素を考慮すると、「ハイ・イールドに比べてローンの方が魅力的」と同社は見通す「いずれにしても22年の債券は、またしても終わりのない頭痛の種となるだろう」としたうえで。金融政策の不確実性に伴うスプレッドの変動と、金利の緩やかな上昇を予測した。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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